1408 名子崎=敦賀市名子(福井県)ここらへんから海水浴場や釣りレジャーで賑わうところで… [岬めぐり]
弁天崎にすぐ続いてある名子崎は、地形は弁天崎よりも岬らしく出っ張っているが、弁天様も何もないので、こっちのほうがより何の変哲もない。バスは、大きくカーブしてこの岬を越える。
岬らしいところは往路ではほとんど見えないので、復路の車窓からその姿をみる。例によっていいかげんなテキトウな写真ばかりだが、常連さんは“あいかわらずだな”で済むが、やはりたまには断っておかなければなるまい。
でんでんむしは、写真はメモ代わりというつもりで割り切っている。座席に座ったきりでは、フレームワークなどやりようがないので、トリミングもしなければ使えない。少々ボケているくらいブレているくらい平気でOKなんです…。だって、走っているバスの車窓から撮るんだから、ブレていないほうがおかしい。
開き直ってます。設定ももっぱらデジカメのオートで撮るだけで、写真の質にはこだわりがないのである。
要は、その場所の雰囲気を伝え、少しでも文を補完してくれればよい、というきわめて覚めた割り切りをしているわけなんですね。
名子(なご)という集落の名をもらった岬は、北の小崎と呼応して、縄間(のうま)、常宮、沓といった集落が連続する変形弓なりの海岸線を抱え込んでいる。
大きく開けたこの変形弓なりの海岸は、敦賀湾の西岸、敦賀半島で言うと東海岸では、めずらしく平地が少しだけあるところなのだ。名子崎の対岸、向いに位置する発電所や田結崎のある鞠山周辺とともに、湾岸では比較的古くから開けてきた土地であったのだろう。
平地があるので耕作ができたという以外に、交通の要衝としての役割もあったのではないか。カメのような岬は、北側でこの平地を抱え込んでいる次の岬である。
敦賀半島は長い。先端の立石岬から半島の付け根を横断する国道27号線までは14.5キロもあり、幅も結構ある。前項は「1407 弁天崎」だったが、そこから西へまっすぐ線を引くと、半島を横断した向こう側にも偶然(あれっ? 偶然ではなく意図したものなのだろうか?)同じ名前の「弁天崎」がある。その間の水平距離は6.65キロだが、この間に標高521メートルの三内山などが挟まっている。
半島を横断する必要がある場合、これを越えるのは大変だった。しかし、人間の活動はやはり山があればそれをなんとか乗り越えようとする。その必要は必ず生じてくる。
そこで、名子や縄間に舟を寄せて、山のできるだけ低いところを探して、そこに道をつけ、峠を越えることになる。縄間から西に山に入り、右へ左へと尾根に沿ってできるだけ省エネで登ることができるルートを探し、150メートルといちばん低く山が切れたところで峠越え。ここからは、谷筋にそって下って行けば、半島の西側、丹生の浦に出る。
その峠の名前は“馬背峠(まじょうとうげ)”という。150メートルの峠道も馬にはきつかったのだろう。
…と書いているうちに気がついたのだけれども、これは「馬を背負う」のではなくて、「馬の背を分ける」のほうだろうね。やっぱり。(それにしては、ちょっと峠はすっきり馬の背のようにはなっていないのだが。)
付け根部分を除くと、半島を横断できる道は、ここだけなのだ。現在は“馬背峠トンネル”で難なく越えられる。その付近は、名子の道から正面に見える。
ヨットハーバーもある名子の海岸からは、ちょんちょんと飛び出た堤防のような構築物が、沖の防波ブロックとともに地図にも描かれている。これは、同様のものが弁天崎の二村にも、縄間にもたくさんある。
現在の名子は、海水浴場があるのと、釣りのためのいかだなどを出して、海のレジャー客にアピールしているようだ。海岸の構築物も、そうしたレジャーのための桟橋なのか、それとも砂の流出を避けるためのものなのか、よくわからない。しかし、砂の流出で困るほど波や海流が激しいとは思えないので、ここはレジャー用ということでいちおう決定。(当たってるのかな?)
砂浜というのは、泳ぐ覚悟、水に濡れるつもりがない者にとっては、ボートなどに乗り移るにも結構不便であるから、釣り客などのためにつくったものだろうか。
それにしても、予算だってそれなりにかかりそうなんだけど…。
▼国土地理院 「地理院地図」
35度40分32.38秒 136度2分8.93秒
北越地方(2016/07/18 訪問)
タグ:福井県
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