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1404 松ヶ崎=敦賀市江良(福井県)ここから南が“西へ行こうか東へ行こうか港敦賀は東洋の波止場…”の敦賀港 [岬めぐり]

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 国道8号線を南下するバスは、敦賀半島と敦賀湾を西にして、東浦をつなぎながら敦賀市街へ近づいて行く。杉津PAから見えるのは、日本海というより敦賀湾の湾口に過ぎないと水を差していたが、ここらでその地理的関係をおさらいしておく必要もあるだろう。
 敦賀湾というのは、もっと視点を高くしてみると、若狭湾という日本海に大きく開かれた湾の、東の端で狹いが深く凹んでいるところだ。つまり、大きな若狭湾の中の小さな湾のひとつ、というわけである。こういう状態を指す専門用語で“支湾”という言い方もあるらしい。地理院地図の表記では、若狭湾の文字よりも支湾の敦賀湾の文字のほうが大きく太いが、これは別に意図的なものではあるまい。
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 そのメインの若狭湾は、東の越前岬から西の経ヶ岬まで、70.5キロの湾口をもつ大きな湾である。このなかでは、東から立石岬、常神岬、獅子ヶ崎、鋸崎、成生岬、博変岬…などなど、たくさんの岬もある小さな出っ張りが、ちょこちょこと刻まれていて、多くの入江や港もつくっている。
 その港のうちでは、漁港を別にすれば、この東の敦賀湾の敦賀港と、西の舞鶴湾の舞鶴港が、日本海側の重要港に数えあげられる。
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 敦賀湾は、元比田から敦賀半島先端部の立石岬まで7.4キロ、湾の奥行き南北の距離は12キロと深い湾で、この松ヶ崎と対岸の敦賀半島鷲崎の間は3.15キロと狭まっている。
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 松ヶ崎そのものは、湾岸のCカーブでちょっと岩礁が出張っているところで、名前から想像すればかつては松の木が何本か茂っていたのかもしれない。それをホーフツとさせるように岩礁の上には立木が枯れているが、これは松なのだろうか、よくわからない。
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 めんどくさいことをあえて言えば、湾の中に港はあるわけで、湾=港ではない。この縦に長く深く入り込んだ敦賀湾のなかで、敦賀港の範囲はちゃんと厳密に定められているようだ。
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 敦賀港は、敦賀半島の明神崎(これが立石岬ではないところが、なんともいえないお役所流の加減というものか)から、斜めに線引して松ヶ崎とを結んだ直線を引き、その線よりも南西側を、その範囲としている。(もっと古い時代にはこの線引きはもう少し南で斜めではなく、松ヶ崎の1.7キロ南の赤崎の対岸にあたる小崎の間に横線で引かれていたようだ。)
 松ヶ崎は、敦賀港の東で港内と港外を分ける目印だったのだ。
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 といっても、現実の問題として、港の内か外かを問わなければならないようなことで、どんなことが予想されるのか、それは陸の上からではあまり具体的に思いつかない。
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 だが、いろいろ想像をめぐらしながら情報をたぐっていくと、舞鶴港とはまた別の違う道を歩んできた敦賀港の姿も、だんだんと見えてくるのだ。
 そんな情報のなかで、「敦賀の歴史」というサイトにめぐりあった。これは燻製作り・魚干物作りなどを趣味とする敦賀市在住の管理人氏個人の制作ながら、なかなかよくまとめられていて、しかも手の込んだ中身も濃いサイトであった。
 そのなかの「戦前 敦賀港」というページの冒頭には、1936(昭和11)年の伊藤久男の歌で、作詞:高橋掬太郎、作曲:古関祐而による『大敦賀行進曲』の歌詞の一部が掲げられていた。
 当時の一流どころをスタッフに揃えてつくられたこの歌は、全国的に流行ったというわけでもなく、なにかの記念イベントの一環として、予算をかけたいわゆるご当地ソングの大きな仕掛けによるものだと推察できる。

1 西へ行こうか 東へ行こうか
  港敦賀は 東洋の波止場
  名残り惜しめば テープもぬれて
  明日は異国の 星の下
  
5 誰と乗りましょ 国際列車
  遠い波路を はるばる着いて
  青い眸の あこがれ乗せて
  花の東京へ 一走り
            (1936年 『大敦賀行進曲』詞 高橋掬太郎)
 
 そのサイトでもここだけ抜粋されていたが、その1番と5番の歌詞は、こんな具合である。
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▼国土地理院 「地理院地図」
35度42分15.87秒 136度4分46.71秒
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dendenmushi.gif北越地方(2016/07/18 訪問)

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タグ:福井県
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