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1400 野島崎=越前町高佐(福井県)“越前かに”か“越前がに”か海岸線でここだけ集落がつながっているのはカニカニ… [岬めぐり]

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 前の越前岬の訪問時には、ちゃんと越前ガニのコースを民宿でいただいたものだった。その民宿では、カニが売りだったのだが、今回は季節はずれなのでカニとも縁がなかった。
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 これはもう充分に知られていることだけれども、“越前ガニ”というのはいわばブランド名で、そういう名前や種類のカニがいるわけではない。越前の海で獲れる雄のズワイガニを指すもので、大きさの異なる雌はセイコガニと呼んで区別しているという。
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 北海道から山陰まで、広く日本海沿岸で漁獲されるが、その場所場所で松葉ガニ(山陰に行ったときには、松葉ガニもちゃんと食べてきた。)になったり、間人(たいざ)ガニになったりする。
 そして、この黒崎の北と南につながって、梅浦、城ヶ谷、大樟などと並んでいる大小の漁港は、総称して越前漁港ともいわれる。福井県にはほかにも三国漁港などがあるが、これらが越前ガニの有力な水揚げ港なのだ。
 通常の読みにしたがうと、“越前ガニ”と書いてしまうが、地元でのブランド名としては、もともと正しい名称としては“越前かに”と称していた。だけど、下関の“ふく”と一緒で、実際問題として言いにくい。それに気がついたのか、最近のサイト情報などでは“越前がに”と表記しているものも多い。
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 黒崎から野島崎までの国道305号線7キロの沿線は、山と海の間の狹い土地にぎっしり家が並んでいて、道路の街路灯にはカニがデザインされ、港の防波堤にももれなく港の名前とカニが描かれている。カニを売りにした、たくさんの料理店や民宿などが軒を連ねている。その中心が厨(くりや)という地域で、シーズンにはカニだらけになり、都会からはシャトルバスが出るというくらいで、カニ目当てにやってくる人々で賑わうのだろう。
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 しかし、みんなカニ好きだよねぇ。恐るべきはカニ・パワー。それは昔から…というより、昔のほうがもっとすごかったのかもしれないね。かつての越前海岸の人気は、相当なものだったに違いないと思われるからだ。
 資金難その他で途中の織田までで止まってしまい、結局のところそれも今はもうなくなってしまった鉄道も、もとの計画では厨付近の海岸にまで伸ばしたかったようだ。それはなにを意味しているのか。
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 今は僻地のようになっている海岸地域が、カニのおかげだけではないのだろうが、大いに栄えた時代があった、ということである。それが、北陸道から大きく外れた西の海岸線が、盆地を過ぎ山を越えて、なお多くの人々を吸引しようという動きにエネルギーを供給していたのだ。
 昔も今も、越前のカニが有名なのは、“美味しい”からであり、なぜ“美味しい”のかという説明が、福井県のサイトにあった。
 その「ふくい食の風景」では、11月初めの解禁日にあわせて、越前町大樟(おこのぎ)漁港を訪問したレポートを載せていた。それによると、水深290〜350メートル付近に生息するズワイガニは、脱皮を重ねて大きくなるが、特に冬の寒さが海水に最も影響する海域が、カニにとって最良の生息環境なのだという。
 そして、越前海岸とその海の地形がカニにとって最適によいのでおいしいカニに育つのだそうだ。あいにく地理院地図では水深表記がないのだが、越前沖の海底は、ほかではあまりみられないものだという。100メートル、150メートル、200メートルと、ちょうど段々畑のように棚ができた地形になっていて、それが魚やカニが快適に過ごすことができる、というのだ。
 つまり、カニさんたちが快適に機嫌よく育っているので、“美味しい”のだ、という理屈らしい。
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 黒崎とこの野島崎。言われてみると確かに段になっているよね。カニさんたちが機嫌よく育つのは、こういうところなのか? (それが隆起したところが岬に残っている?)
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 道の駅カニミュージアムを過ぎるとほどなく高佐(たかさ)で、その白浜というところには入日ヶ滝と滝の表示が、地理院地図にはある。それはどこかと目を凝らしていたが、バスはあっという間に通過してしまう。道が狭く山が接近しているため、ほんの一瞬に見えた滝があるらしい流れは、観光旅館にしっかり取り込まれているような感じだった。
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 高佐の港の南で、突き出ている野島崎は、小さなトンネルと祠と、四角い灯台がある。
 そのトンネルを抜けると、そこはもう越前町米ノ(こめの)で、バスの終点かれい崎はもうすぐ…。
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▼国土地理院 「地理院地図」
35度53分39.92秒 135度59分40.27秒
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dendenmushi.gif北越地方(2016/07/19 訪問)

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タグ:福井県
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