1335 小串岬=さぬき市津田町鴨庄(香川県)大串・小串は具体的にどこをどうみて決めたのだろうか? [岬めぐり]

鴨庄湾の北と南で東西にずれて位置する大小ふたつの岬は、さほど形が対照的なわけではない。単純に、湾奥の長浜の海岸からみて、右手の大きいほうを大串、左手の小さいほうを小串と対比させただけなのであろう。
ただ、大きさから言うと小のほうは大の半分かそれ以下であるし、高さも低い。
大串岬の西半分から鴨庄だったが、その範囲も広く、小串岬はまるまる全部鴨庄で、埋立て地の工場地帯から徳島文理大キャンパス辺りまで含まれる。南の山側も、小田峠から小方峠を結ぶ道路の南までが鴨庄で、その南は鴨部という。鴨部川もあるが、この付近にも溜池は多く、よほど鴨がたくさんいたものだろうか。

大串に寄ったバスは、岬から降りてゆるやかに湾曲する鴨庄湾岸に沿う道を志度へ向かって走る。

鴨部川河口左岸に突き出た岬は、100メートルくらいの山が北に伸び、その先には伯父ヶ浦という小さな集落と断続的なブロックで囲まれた船だまりのようなものがあり、その間には猿子島という岩礁がある。

その西の端で、わずかな家々を守るように飛び出している形のよい岬がある。高さは10メートル、長さもせいぜい160メートルという小さなもので、植生に覆われているが、周囲を取り巻く硬い岩が、そこだけを残したものだろう。
小串岬という岬名表記は、その小さな出っ張りについている。
もしかすると、大小の比較は、鴨部川河口から小山を含むこの半島全体ではなく、その先端部の小さな出っ張りだけと、大串の半島全体との対比で行なうべきものかも知れない。
もしそうだとすると、大きさは半分以下どころか、数百分の一とかになってしまいそうだが…。
常識的に考えると、小山を含む半島全体と大串半島の比較からつけられた大小であろうということになる。しかし、待てよ。いやいや案外なことに、数百分の一という極端な大小差をあえて対比してつけられた名前かもしれぬ。そのほうが、ずっと命名の妙があろうというものだ。

バスは半島の付け根からも遠い道を西へ走っているが、小串の先端から海岸を辿るとすれば、南に蜂ヶ浦、穴子、室沖、泊、小方と集落をつないで徳島文理大の丘に達する。そして、工場地帯を過ぎると志度港となる。


バスを琴電志度駅で降りる。ここから琴電志度線に乗り換え、4つ先の塩屋まで行くつもりなのだ。それは、次の岬である房前ノ鼻へ行くためだが、そこの志度湾岸に出れば、南西側から小串岬とそれに大串岬のツーショットが見られるはずだからである。

それだけではないのだが、ここは小串岬の項だから、先に塩屋の海岸から北東の岬を眺めたところを紹介しておこう。
引田は湾曲が浅くて、湾とは呼べなかったので、津田湾、小田湾、鴨庄湾についで、讃岐で4番目の湾が志度湾。

志度湾越しに見ると、大串・小串の揃い踏み。
小さな小串もなかなかどうして堂々たる岬になる。細く飛び出た先端部から大きく長い岬が一体となって、長く続いているように見える。
アンテナ塔のようなものが立っている先端の細い部分から、緑に隠された岸壁が下のほうだけはあらわに蜂ヶ浦まで切れ目なく続いているので、小串の名もそぐわないほど大きく長くもみえる。
そして、その奥にはこちらはやはり高さも高い大串の岬が小串の上から大きくはみ出し、その先端部も小串の先っちょから飛び出ている。
ここでやっと、陸上からその先端部が見えた大串岬。ズームで見ると岬の頭にかなり大きい立岩のようなものが屹立しているのがかすかにわかる。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度21分6.86秒 134度10分58.06秒




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