1239 エビスヶ鼻=岩船郡粟島浦村(新潟県)結局オオミズナギドリもウミウもその姿を見ることはできなかった [岬めぐり]

ここも「1235 大潤鼻」と同じで、地理院地図には表記がないが、地元の粟島マップにはある岬である。そのうえ、これも大潤鼻と同じく、岩礁地帯で岩島がたくさん散らばっている場所にその名が記してある。

「1237 長手鼻」の項で、天然記念物に指定されているオオミズナギドリとウミウの繁殖地のことについて前振りをしていたのだが、立島にも切石ヶ鼻にも鳥の姿は確認できずにいた。
粟島のオオミズナギドリとウミウの繁殖地が、なぜ天然記念物になるほどの貴重とすべき意味があるのだろうか。鳥にもまったく知識がないので、なんとなくそう思ってしまう。ほかにも、そういうのはたくさんあるんじゃないの…?
ところが、やっぱりそれもシロウト考えであるらしい。どうやら、オオミズナギドリおよびウミウの繁殖地は、日本ではほかにあまりないらしい。しかも、日本海側ではこの粟島が最大かつただひとつの場所なのだという。

そうですか。それならばついでにオオミズナギドリについて、もう少し勉強してみましょう。
「サントリーの愛鳥活動」というサイトにある説明では、「苦手なことは、地面から飛び立つこと・着陸すること 得意なことは、木登り・穴掘り 変な鳥」というタイトルが紹介につけられていた。全長49センチメートル。翼開長120センチメートルというから結構でかい鳥らしい。海面を飛ぶときには広げた羽根が薙刀(なぎなた)で水を切るように見えるというので、水薙鳥の名がつけられたのだそうだ。
酒は飲まないけれど、サントリーと言えば一連のしゃれたテレビコマーシャルが人気話題で一世を風靡したことがある。そのなかに、サントリー角瓶のCMで雁風呂(雁が海を渡るとき木の枝を加えて飛び、疲れたらそれを海に浮かべて一休みして…というアレ)をテーマにしたものがあったのを思い出す。
もその実際についても論議があったように記憶するし、ちろんそれはオオミズナギドリとはなんの関係もないのだけれども、渡り鳥の不思議さにはなにか打たれるものがある。

毎年、3月も半ばを過ぎると南から渡ってくるオオミズナギドリは、粟島の丸山から長手鼻、切石ヶ鼻、エビスヶ鼻の付近の崖に横穴を掘って営巣を始める。そこで卵を産み雛を育てる。この鳥は、地面から飛び立つのが苦手なため斜面を使って助走しなければならないためか、いつもはほとんど海にに出て魚を捕り、日没後になって巣へ戻るのだそうだ。そして、秋も深まり始める頃になると、再び南の空へ飛び立っていく。

現在、粟島のオオミズナギドリは、おもに丸山周辺に約1万羽近い数がいるとみられているが、ノネコによる捕食被害も出ているという。島でサバドリと呼ばれてきたのは、漁師が魚群を追う目印の役割もあったからだろうが、夜鳴くこの鳥は忌み鳥とされてきた。
ウミウはどうやらついでのような感じで、数もそう多くないし、営巣地もほかにいくつもあるようだ。いわゆる鵜飼いの鵜は、たとえば茨城の鵜ノ岬周辺のウミウを捕獲して使うらしい。

丸山の繁殖地からは、北東に数百メートルのところに位置するエビスヶ鼻の岩場を、「シーバード」の波しぶきの間から見ていると、岩の上に白い点々がたくさん…。

これは白いからウミウではあるまい。まして、小さいようだし岩にへばりついているのであるからオオミズナギドリでもあるまい…。
単なるウミネコ?
▼国土地理院 「地理院地図」
38度28分4.55秒 139度14分4.08秒




タグ:新潟県
コメント 0