1238 切石鼻=岩船郡粟島浦村(新潟県)石切の現場のような岩場岩島が立島からさらに続いていて… [岬めぐり]

立島の崖に白いものがあるように見えたが、どうやらそれも鳥ではないようだったが、鳥の糞であったのかもしれない。この岸壁はみごとではあるが一枚岩のようなものではなく、細かくひび割れたような岩の塊のようである。

波しぶきがかかりっぱなしで、よく見えなかった恨みはあるが、白く見えたところも、柱が集まったような岩の表面のようであった。

粟島では粟島頁岩(けつがん)という堆積岩・泥岩の一種が発達しているらしい。本のページが固まったように、薄い層のようになって割れやすい性質をもつ岩石で、水中で水平に堆積した泥が固ってできた岩である。外国などにはこの層から大型化石が見つかったりするのだが、粟島ではどうやら化石はでていないようだ。

シロウトの悲しさで、それと関係があるのかないのか、よくわからないのだが、粟島では柱状節理が現れている場所もある。それが、この立島から切石鼻(切石ヶ鼻)そしてエビスヶ鼻へと続く海岸付近に見られる。

立島も陸側から見るとそれがはっきりわかったはずなのだが、船からだとあまりはっきりはしない。それでも柱が集まって立っているようなところもあるが、その周辺では大きく岩が崩れているようだ。
どうやら、これらも1964(昭和39)年の新潟地震で崩れたのではないだろうか。

切石鼻という岬の名前も、まさしく地学・地質学などにはまったく知識のないシロウトが、その岩の形状を見て名付けたものであろう。
それが、頁岩からなのか柱状節理からなのかはわからないが、石切場を想像できるのは柱状節理だといえるが、岩がめくるように板状にはがれる頁岩も、切り石である。おそらく、その両方であろう。

もっと、粟島の頁岩や柱状節理について知りたいところだが、なかなかこれという情報に行き当たらない。あれこれ見ていると「日本の地質百選」の候補に「粟島ドレライトと柱状節理」というのがあげられていたことがわかった。「ドレライト」というのは、玄武岩の石基(火成岩の斑晶を取囲んで その間隙を充填している微細な結晶の集合体)部分の、その結晶が大きくなった火成岩、のことだという。
もしやと思って、その選定された「日本の地質百選」のリストを確認してみたが、残念ながら選にはもれたようだ。
粟島の対岸、新潟県と山形県にまたがる付近には、温海ドレライトとか鼠ヶ関層というこちらは板状節理もあるので、地面も地中も離れているようで繋がっている…。(のか?)

柱状節理で有名なのはあちこちにあるが、この「岬めぐり」の出発点になったといってもいい、東尋坊のそれは印象深いものがあった。上から見ると柱の切り口が多角形になっていた。それほどには大きくはないが、切石ヶ鼻の小さな岩島にも、ちゃんとその多角形の切り口表面が露出している。

これを横から見れば、柱状がはっきりとわかる。この辺もどうやら陸からのほうがよく見えたのだろう。やっぱり、しぶきが邪魔をしてしまった…。
▼国土地理院 「地理院地図」
38度27分55.93秒 139度13分52.38秒




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