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番外:リアス海岸の岬=山田町・大槌町・釜石市・大船渡市・陸前高田市(岩手県・宮城県)釜石に出る前に計画がすべてパア [番外]

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 でんでんむしの岬めぐりは、文字通り分刻みのスケジュールに従って動いている。別に自慢するようなことでもないし、公共交通機関を利用しての…という限定があれば、当然にそうならざるを得ない。
 いつも事前にバスや電車の時刻表をチェックして、連絡、乗継ぎに齟齬のないように計画は立てるのだが、交通機関のほうに齟齬が出ると、とんでもないことになってしまう。
 今回の三陸の岬めぐりは、これまでまだ取りあげていなかった、宮古から南、陸前高田から北の海岸線である。
 これは大変な難所なんですよ。なにしろ、あのリアス式海岸(ria coast)ですから…。
 それに、2011年の大震災では、くまなく大津波に襲われた地域で、まだまだ復興がなったとは言い難いところだ。ほんとうは、不要不急の物見遊山といわれても仕方がない岬めぐりは、まだ遠慮したほうがいいのだろうとも考えたが、大震災大津波の後の状況を記録しておく意味もあろうということで、2013年の南三陸・気仙沼訪問の続きとして計画したのものである。
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 東北新幹線の「はやぶさ」で新花巻まで行き、そこから釜石線に乗って釜石まで出る。そこからバスで北へ向かい、山田まで行ってまた引返してくる。要所要所の海岸で降りてはまたバスに乗りながら、釜石でその日は一泊。
 翌日もまた残ったところをめぐって、今度は釜石から三陸鉄道南リアス線で大船渡へ出る。大船渡の碁石海岸に二泊して、大船渡と陸前高田の岬をめぐって、気仙沼から大船渡線で一ノ関へ出て、新幹線で帰ってくる…。
 ざっとそういう計画を立てていた。
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 前日まで北日本を低気圧が通過していて、午後にはそれも太平洋へ抜け去るだろうと予想していて、お天気は回復して青空が広がるなかを、2両編成のJR釜石線は順調に遠野を過ぎ、東へ走ってきた。
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 1000メートル近い分水嶺を土倉トンネルで抜けると、釜石線は深い谷のどん詰まりにある釜石鉱山の手前でぐるっと一回転して陸中大橋駅に着く。
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 ところが、この陸中大橋駅で停まったきり、動かなくなってしまった。風が強いので運行を見合わせる、とのことである。
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 「陸中大橋」というからには、大きな橋でもあるのかと、あたりを見回すが、それらしきものはない。大橋というのは橋の名前ではなくて、この谷間の集落の名前らしい。
 風は確かに吹いているが、谷間を下っていく電車の運行に差し障りがあるようにも思えなかったが、こちらはただ動くのを待つしかない。
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 やっとちょっと動いたかと思うとまた停まる。そなんことを繰り返しながら、下っていくと途中で横から谷筋が合流するところが2か所ほどある。その谷からの横風が吹いてくるここら辺が危ないというのだろうか。
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 上を見上げると、遙かに高いところを道路が通っている。人間の行なう土木工事というのは、どこまでもキリがないらしい。これは仙人峠道路という283号線のバイパスのようだ。これだと、やはり風が吹くと通行止めになりそうだが…。
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 結局、釜石駅には定刻を1時間以上遅れて到着した。事前に立てた計画がまったく意味をなさなくなってしまった。分刻みの計画はすべておじゃんだが、まあなるようにしかならない…。これが旅の空では重要なこと。
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 その日は、釜石湾の岬を眺めるだけにして、早々にホテルに入って急きょまったく別の計画を組み直さなくてはならない。復興工事が進む市街地に新しくできたビジネスホテルは、やはり復興工事関係の人が多いらしい。玄関を入るとまず靴を脱いで、スリッパに履き替える方式である。
 翌日から改めて山田行きの早いバスで往復することにしたが、もう途中で降りる時間的余裕もなくなっているので、乗りっぱなしで車窓風景だけになってしまう。
 さて、「あのリアス式海岸」と書いたが、近頃では“式”はなしで「リアス海岸」ということになっているらしい。この宮古以南のリアス海岸は、半島が飛び出して入江・湾があって浜があり、また半島になって…を交互に繰り返す地形がずっと続いている。宮古の山田湾から陸前高田の広田湾まで直線距離で61キロに渡って、そういう地形が連続しており、湾の数は13にもなる。
 岬めぐりの難所としては、以前に三重県の南伊勢付近 をあげていたが、要するにリアス海岸では、半島には集落も道もないところが多く、交通機関はほとんど半島の内側または付け根を通るだけなので、岬めぐりにははなはだ不便なことが多い。
 加えて、まだまだ復興工事の最中とあっては、海岸や浜へも行くのは制限されてしまう。
 いかなることになりますか、とにかく地図上の北から順に南に下って行きながら、バスと南リアス線の車窓から、リアス海岸の岬を追ってみることにする。
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▼国土地理院 「地理院地図」
39.273237, 141.87301
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dendenmushi.gif東北地方(2014/11/04〜07訪問)

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