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1923☆『思い出の索引』★でんでんむし@アーカイブス☆わたしたちが生きてきた時代とは… [年表]

 われわれはどこから来て、どこへ行こうとしているのだろうか…。この言葉を本のタイトルにしているのが、関野吉晴さんである。『グレートジャーニー全記録』(毎日新聞社、2006年刊)では、①移動編 我々は何処から来たのか/②寄り道編 我々は何処に行くのか、としているが、これもその冒険の壮途へのはなむけにもまとめにもぴったりなのだろう。
 また、ゴーギャンの絵を使っているのはNHKで、連続して流していた『シリーズ世界遺産100』のタイトルに絵とフレーズをかぶせていた。これと世界遺産を結びつけるのには、ツー・クッションぐらい必要なようにも思うが、まあそれもありなのだろう。
 でんでんむしが、この言葉に行き着いたのはずっと昔のことで、なんで啓発されたのかもよく覚えていない。だが、その興味の持続する延長線上に、歴史があり、生物学があり、考古学があり、地質学があり、天文学があり、そして…SFがあったのである。
 年表ほど具体的にその一面を捉えて展開してくれるものは、ほかにないようにも思うのだが…。

1923mark.jpg大正12年 癸亥(みずのとい)
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◯パリ賠償会議開催。
◯仏とベルギーが独の賠償不履行に対しルール地方を占領。
◯独首相がルール占領への消極的抵抗を宣言。
◯伊国王がファシスト党国防義勇軍(黒シャツ軍)を正規軍とみなす。
◯トルコ(ケマル・アタテュルク首班)、ローザンヌ講和条約調印。
◯独で政府打倒のゼネスト。内閣総辞職で、四党大連合内閣。
◯伊将校数人がアルバニア国境のコルフ島で暗殺される。伊が島を占領。
◯独マルクが大暴落。
◯スペインでリベラ将軍のクーデター、国王が承認して軍事独裁政府樹立。
◯独ザクセンとチューリンゲンで社会民主党と共産党の連立。
◯独大統領がザクセンの首相を更迭。国防軍がチューリンゲン政府を解体。
◯独ヒトラーとルーデンドルフがバイエルン政府打倒のミュンヘン一揆を起こす。ビヤホール一揆=失敗し、ヒトラー逮捕。
◯伊でファシスト党が、得票数が第一党に議席の3分の2が与えられる選挙法改正。
◯独マルク最低まで暴落(1ドル=4兆2000億マルク)、暫定通貨レンテンマルク発行へ。
◯孫文が上海で和平統一を宣言。ソ代表と会談し、中国にソの制度導入は不可能と。
◯南京で排日学生大会。各地に波及。
◯日本に21か条条約の廃棄と旅順・大連の回収を要求する排日運動。
◯国共合作のための国民党改組特別会議を開く。
◯孫文が建国大綱を発表、国民党の改組宣言。
◯モヘンジョ・ダロ(インダス文明の遺跡)の発掘開始。
◯ネパールがイギリスと平和友好条約。
◯アフガニスタン、エジプトで憲法制定。

◉婦人参政権獲得同盟の結成。
◉石井・ランシング協定を破棄。
◉関東大震災が発生。死者9万1344人、全壊焼失家屋46万4909戸。
◉京浜地区に戒厳令発令。埼玉県・千葉県にも拡大。
◉朝鮮人暴動の流言広がり、各地で自警団。朝鮮人の虐殺。
◉支払猶予令など。東京市内に夜間外出禁止令発令。
◉労働運動家ら10人が亀戸署内で習志野騎兵連隊将兵に殺害される(亀戸事件)。
◉ソ連の救済船レーニン号が横浜入港し、退去を命じられる。
◉憲兵隊甘粕正彦大尉が、大杉栄、伊藤野枝らを殺害。
◉摂政宮(後の昭和天皇)が虎ノ門で狙撃襲撃される。犯人は逮捕、翌年死刑執行。内閣は総辞職。

・この年に亡くなった人にはこんな人も…。加藤友三郎。有島武郎。伊藤野枝。大杉栄。ヴィルヘルム・レントゲン。ギュスターヴ・エッフェル。

◎関東大震災では浅草の12階凌雲閣が8階部分から折れる。そのほかでもレンガ造りの建物が多く倒壊。鉄筋コンクリート建築が以後主流になる。
◎甘粕事件のため戒厳司令官更迭。
◎小田原急行鉄道の設立。
◎日本航空の設立。大阪=別府間で定期航路。
◎全滅した東京の市電、年末には9割が復旧。
◎安田系の12銀行が合併して安田銀行設立。地方銀行の合同が盛んになる。

◎丸ビル(丸の内ビルディング)の落成。山野千恵子がビル内に「丸の内美容院」を開店。“美容院”の始まり。
◎丸ビルの食堂の値段、三重弁当80銭、普通弁当35銭、天丼60銭、親子丼50銭。日本橋に開店した市営食堂では、定食10銭、肉うどん15銭。
◎大阪では堂ビル竣工。
◎本因坊と方円社が合併して、日本棋院を設立。
◎今村善次郎が初の接着剤の合成に成功し、商品名を「セメダイン」とつける。
◎美津濃、創業。
◎鳥井信次郎が初の国産ウイスキーを製造。
◎関東大震災で失業したすし職人が上方へ流れ、鯖寿司や箱寿司が主流だった関西でにぎり寿司が流行る。
◎東京のすし屋で下魚とされてきたマグロが、高級すし店でもネタとして使われるようになる。

◎講談社が『婦人倶楽部』新年号に初めて別冊付録をつける。以後、他誌も追随して雑誌の付録が定着する。
◎北一輝『日本改造法案大綱』。
◎菊池寛が『文藝春秋』を創刊。創刊号は22ページで10銭也。芥川龍之介や久米正雄らが応援する同人誌のようなものだったらしい。
◎大阪毎日新聞社が雑誌『エコノミスト』創刊。
◎井伏鱒二『山椒魚』。
◎栗島すみ子主演の映画『船頭小唄』と主題歌がヒット。
◎流行歌:籠の鳥・帝都復興の唄・復興節。童謡:春よこい・月の砂漠・肩たたき・背くらべ・夕焼け小焼け・花嫁人形など。

dendenmushi.gif(2014/08/10 でんでんむし蛇足の記)
 関東大震災の年である。今、その惨状を想像して言葉もない。
 ドイツのインフレというのはものすごいものだったんだなあ…。そう想像できたのは、切手収集をやっていると、この頃に通常切手の上から印刷された額面のすごさでそれがわかる。(消印がないのばかりだったので使われたどうかは不明)
 大陸では排日運動が盛んになり、完全に定着してしまったようだ。義和団の賠償と山東利権の売却金を中国の文化事業に拠出したりしているが、そんなことでは収まらない。(どうも日本政府の対外的な金の使い方が下手くそなのは伝統であるらしい。)
 「大正デモクラシー」という言葉がある。でんでんむしがそれをいちばん感じられるのは、この頃毎年新しい童謡が、次々と数多く立て続けに発表され、それが全国に広まっていったことである。
 どの歌も、今に残って歌い継がれているのは、たいへんなことではないだろうか、と思う。
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タグ:年表
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