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でんでんむし@アーカイブス★むかしの人は言いました=その21 臨時特別連載「道歌」 [番外DB]

 1963(昭和38)年に始まったNHKの大河ドラマも、還暦が近くなってきましたね。ちょうどこの放送が始まった頃からでしょうか、山岡荘八の『徳川家康』が経営に役立つ“経営者のバイブルだ”とか持ち上げる人があって、企業経営者の間で人気になったことから、出版界では大ブームが起こります。
 そんなビジネスの端っこにぶら下がっていたでんでんむしは、ばっかじゃないのかと思っていたものです。若かったこともありますが、そういうものからしか教訓が得られないといわんばかりの動きに、追随する気にはなれませんでした。
 さしものブームも終わって、講談社文庫で出てから、その全26巻を買って読んだものです。いやあ、とてもおもしろかったなあ。近年では中国で『徳川家康』がよく読まれて、またあちらでブームになったんだそうですね。こっちは『三国志』を読んでいるのに…。そんなふたつの国がいがみ合うなんてことは、ないようにしたいものですがねぇ。
 戦国武将ブームは、その後も世を変え人を変えて相変わらず続いています。2014年の大河ドラマは「黒田官兵衛」ときましたね。徳川も秀吉も何回もやったので、もうぼつぼつこのへんにくるというわけですか。このあたり、結構さじ加減がむずかしく、あんまり有名でない小物では客がついてこないし、大物はだいたいやってしまったし…。
 武将と道歌というのも、たくさんありそうですが、作者名が取れているため、さほど明確ではありません。もっとたくさんありそうですが、でんでんむしが知らないだけかもしれません。
 有名なのは、初めのほうでふれた上杉鷹山がありますが、武田信玄の「人は城…」ですね。これはなかなか含蓄に富んでいるという点でも、秀逸といえるでしょう。
 じゃ、官兵衛こと如水さんの道歌は…というと、そんなに都合よくはなさそうです。ただし、黒田如水の名言のようなものはいくつか伝わっていて、
 「天下に最も多きは人なり。最も少なきも人なり。」とか、息子の部下指導に関して「おまえは時々、部下を夏の火鉢やひでりの雨傘にしている。」とか注意していたようです。
 そういう点では、その内容に近い道歌もありますね。

kokoro.jpg
21 mark.jpg は情けと…

人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 あだは敵なり

人多き 人の中にも 人ぞなき 人になれ人 人になせ人

めしつかう ものの心を その主の めをかけぬこそ わかれはじめよ

主だにも 心まかせに あらなくに 使うる者を いかにせめけん

世にあれば 人も集まり きたれども おちぶれぬれば とう人もなし

おちぶれて 袖に涙の かかるとき 人の心の 奥ぞ知らるる

水鳥の ゆくもかえるも 跡たえて されども道は 忘れざりけり

客あれば 犬だに打たぬ ものなるに 科ありとても 人な叱りそ

ほめばほめ そしればそしる 山彦の 声にも人は 情けとぞしる

慎みは 朝夕なるる 言の葉の かりそめごとの うえにこそあれ

慎みを 人の心の 根とすれば 言葉の花も 誠にぞ咲く

何事も みつれば欠くる 世の中の 月を我が身の 慎みにみよ

世の中を 恥じぬ人こそ 恥となれ 恥じる人には 恥ぞ少なき

何事も 我をあやまり 順いて 負けてさえいりゃ その身安心

はしなふて 雲のそらえは のぼるとも おれがおれがは 頼まれはせず

おのが目の 力で見ると思うなよ 月の光で 月を見るなり

苦しみて 後に楽こそ 知らるなれ 苦労知らずに 楽は味なし

何一つ とどまるものも ない中に ただ苦しみを 留めて苦しむ

春雨の わけてそれとは 降らねども 受くる草木は おのがさまざま

一生は 旅の山路と 思うべし 平地は少し 峠沢山

Dminatokiri.jpg

dendenmushi.gif(2014/04/25 記)
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タグ:道歌
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