島の北西側にある川平湾は島を代表する観光地とはいうものの…(49) (石垣島だより シーズン2) [石垣島だより]

石垣島のリゾートホテルは島の南部から西部にかけてと、あとはこの川平(かびら)の西部に限られている。宮古島南部のリゾートほど大規模ではなく、川平湾からは北西に突き出ている半島の北側にクラブメッド、その南の底地(すぐち)ビーチにはシーサイドホテルとシーマンズクラブという二つのホテルがあるくらいで、実におとなしいものだ。

それは、島の中心市街地からは北に遠く離れたところにあるという立地のせいもあるが、みやげ物屋や食べ物屋があるわけでもない、なにもないただ自然に囲まれた静かなところである。新空港ができてからは、空港から直接川平地区とをつなぐバス路線もできた。そのバスは、川平の湾を展望する川平公園からは、さらに北西に走ってこれらのホテルをめぐるようになっている。
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川平公園は、さてここへ来て何をするか、何をみるかといえば、さして驚くようなこともなく、せいぜいが船底にガラスを張ったボートで浅い海底を眺めるくらいでしかない。
まあ、黒真珠の養殖でも有名だというから、それでもおみやげに買いたいという人は別だが…。とはいうものの、この黒真珠、どこで養殖していてどこで売っているのか、まったく知らないことに気がついた。まあ、そこいらを歩いているぶんには、まったくわかりません。
なにしろ、世界の真珠王であるあの御木本幸吉が、ここで真珠養殖に関わったくらいで、例の石垣測候所の岩崎所長も強力にプッシュしていたという経緯も歴史もある。

それでも、ほかにあまり行くところもない島を代表する観光ポイントではあるから、観光バスも「わ印」ナンバーの車もたいていは行く。従来、狭かった駐車場を広げる工事も終わって、そこからちょっと東へのぼると、写真で毎度おなじみの展望が広がる。
川平湾には岬はない。湾だけでなく、川平地区全体でも、クラブメッドのある半島の西の先っちょ川平石崎が、ただひとつあるだけである。

この島の北東部は、ふぞろいのふたつの半島がある。地図表記はないが、仮に川平半島と崎枝半島と呼んでおくと、南側に4つの岬の出っ張りをもった崎枝の半島があり、そのほとんどが中央にある標高216メートルの屋良部岳の山地である。この半島と北の川平半島には川平石崎が飛び出し、これに抱かれるようにして崎枝湾が広がり、その北寄りの浜が底地ビーチである。
川平の集落は、東側の川平湾に面したところにほぼ固まっている。

入江の出入り口付近に、いちばん大きな小島という名の島と、マジバナリ、ムクバナリのほか無名のこちらは小さい小島がいくつもあって、これが蓋をしているため、湾内は波も立たない。
前回きたときに、川平湾とは反対側の底地ビーチにあるシーマンズクラブに泊まったことがある。それよりも前の段階で、すでに項目は立てているが、このときに撮った川平石崎と御神崎の写真も、ついでに紹介しておこう。
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琉球王朝の支配に入る前の石垣島では、今の大浜地区にオヤケアカハチ、石垣地区には長田大主が勢力を張っていた。そして、島北部の川平地区は仲間満慶山という実力者の縄張りであったらしい。底地ビーチの南の端には、海岸のそばの崖に、いくつもの横穴が掘られたり、あるいは自然の岩の窪みなどを利用した霊廟地がある。それが仲間氏一族のものだった。
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今回は、あえて公園から東の吉原集落まで歩いてみた。ちょうど川平湾をぐるりと半周するルートである。これで川平は主なところはだいたい歩いたことになる。

▼国土地理院 「地理院地図」
24.452487, 124.14478




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