SSブログ

でんでんむし@アーカイブス★むかしの人は言いました=その14 臨時特別連載「道歌」 [番外DB]

 まあはっきり言って「お説教」がメインであることには違いないので、あまり「やったーぁ!」というような歌は出てきません。
 我慢や辛抱や努力は懸命に説くけれども、そのかいあって大成功を収めてお金持ちになったり、立身出世できたとしても、それを称え褒める「道歌」はないようです。それは、身分制度の元では、そういう例はほとんどなかったからかな。
 それは飛ばして、もう栄華のあとに必ずやってくるであろう、その次のことを教えてくれます。
 「満つれば欠くる世の習い」の理(ことわり)を、コンコンと諭してくれるわけですね。
 栄耀栄華もうたかただということ、頂点をきわめればあとは落ちるだけということ、それも確かに一面の真理には違いありません。これには、誰もがうなずける。
 けれども、そういう歌をたてつづけに読んでいると、ひょっとして「道歌」は一握りの成功者ではなく、その他大勢のおちこぼれ、負け犬たちを慰めてくれているのだろうか…と、勘ぐってしまいます。
 いや、その他大勢のなかにもある、小さな成功を収めた者に対する忠告もありますね。
 油断するな、用心せよ、身を謹め、高慢になるな、わがもの顔をすな…とね。

kokoro.jpg
14 mark.jpg える華と…

栄華とは 栄える華と 書くなれば 咲いて乱れて あとは散るなり

おごりぬる 人の栄華は あだばなの 早くも散りて 実はなりもせず

花を見よ 盛りのうちは 春ばかり つぼみも風に 落つる世の中

身代は 坂に車を押すごとく 油断をすれば くだりこそすれ

長者山 上りて奢る 道へ出ば もはや下れる 坂と知るべし

誰も見よ 満つればやがて 欠く月の いざよいの空や 人の世の中

上がりたり また落ちぶるる ものと知り 釣瓶の水も むざと使うな

家持ちが たな借りになる 世の習い 盛りの時に 用心をせよ

極楽の 夢が覚めれば 地獄なり 娑婆の栄華は 鬼の金棒

得たるとて 強いて過ぐすな その技を 隠せば光 いや増しにけり

たらちねの 親の残せし 形見なり いや慎しまん 我が身ひとつを

くらぶれば 長し短かし むつかしや 我慢の鼻の おきどころなし

人にただ まけじと思う 心こそ やがてその身の かたきなりけり

学問は 人たる道を 知るためぞ 鼻にかくるな はなが折れるぞ

高慢を 口では言えど 口ほどに ゆきとどかぬが 多い世の中

智慧のある 人ほどものに 自慢せず 能ある鷹は 爪をかくすぞ

世に誇る 天狗の面も つくづくと 裏より見れば 穴ばかりなり

世の中に せまじきものは 我はがお そらごとぬすみ しょうぶいさかい

Dsakuraup.jpg

dendenmushi.gif(2014/04/11 記)
にほんブログ村 その他趣味ブログ
その他珍しい趣味へ 人気ブログランキングへ
きた!みた!印(24)  コメント(0)  トラックバック(2) 
共通テーマ:学校

きた!みた!印 24

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

トラックバックの受付は締め切りました