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でんでんむし@アーカイブス★むかしの人は言いました=その06 臨時特別連載「道歌」 [番外DB]

 「道歌」はわかりやすい、というのも大きな特徴です。持って回って小難しいことを言うのではなく、直接に具体的に教訓的なことを表現しています。これは権力支配階級ではなく、主に町人庶民といった社会的なヒエラルキーでは下層に属する人々に向けたものが多かったからでしょう。
 万巻の書物を読まなくとも、いやたとえ文字が読み書きできなくとも、こういうことをしてはいけない、人間というものはこうあるべきだ、日々の暮らしの中での心得はこうだ、ということが理解できる…。
 いろいろな訓示を垂れていくなかで、そういう庶民にわかりやすい喩えにしてまとめるというのは、ひとつのパターンだったのでしょう。
 そして、その内容も平凡だけど、どこにでも誰にでも心当たりがあるありそうなものばかりで、「そんなことは、金輪際ございません!」というようなことはまずないのです。
 占いやおみくじといっしょですね。読めば、なにかどこかで思い至るところがある、ちょっとだけ当たっている、たまには「そうか! そうだな」とか、「これ、ワタシのためにつくってくれたんじゃないのかしら」というのまであったりして…。(そういえば、おみくじにも道歌のような和歌が書いてあるのがありますね。)
 それも、問題の普遍化の効果ですね。

kokoro.jpg
06 mark.jpg 持ちをば…

気持ちをば やすく大きく 角もなく 油断をせずに 抜け目なくもて

掃けば散り 払えばまたも ちりつもる 人の心も 庭の落ち葉も

きせるさえ 心のやにを 掃除せず 雁首ばかり 磨く世の中

暗がりで 影法師めを 見失い 火をともしてど 見つけたりける

心とて 人に見すべき 色ぞなき ただ行ないと 言の葉に見ゆ

はしたなく 言いな散らしそ 言の葉に 心の色の 見えもこそすれ

善悪の 人の見る目は ありながら 我が身の上は 烏羽玉の暗

色黒く 顔のあしきは 生まれつき 直せば直る 心直せよ

神といい 仏というも 世の中の 人のこころの 外のものかは

天も地も 仏も鬼も 我も人も これこの心 ひとつなりけり

仏にも 神にも人は なるものを など心をば あだにつもらん

心には 綾錦をも 着せよかし 身にはつづれの 衣着るとも

菰被る 下に錦の 冬牡丹 げに見目よりも 心なりけり

外より 来る盗人に 限りあり 限りの知れぬ 内の盗人

つくづくと 思えば悲し いつまでか 身に使わるる 心なるらん

身はしもべ 心は主人 なるものを 身に使わるる 人の多さよ

何事も 矩をこえ行く 世の人の 心に堅き 関守もがな

蓮葉の 濁りにしまぬ 心もて 何かは露を 玉と欺く

初鴉 きくも心の 持ちようで 果報とも啼く 阿呆とも啼く

花咲くは 実の生るためぞ 花にのみ 心やつして 実をばわするな

曳かれなば 悪しき道にも 入りぬべし 心の駒に 手綱許すな

無礼する 人は人にて 人ならず 人と思いて 咎めばしすな

へつらいて 楽しきよりも へつらわで 貧しき身こそ 心安けれ

物の名も 所によりて 変わりけり 難波の蘆は 伊勢の浜荻

Dmoon.JPG

dendenmushi.gif(2014/03/26 記)
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タグ:道歌
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