1079 ウルチ崎=八重山郡竹富町崎山(沖縄県)デ・ハビランドQ100の小さな窓から秘境中の秘境の岬を眺める [岬めぐり]
波照間航路の船の窓から眺めるヌバン崎から始めた西表島の岬めぐりも、逆時計回りで島を一周してきて、このウルチ崎でその輪を閉じる。ヌバン崎のすぐそばの小さなあまり目立たない出っ張りにバイミ崎という記名があるのはなぜだろうという疑問を呈していたが、このウルチ崎もまたなんでここにわざわざ岬の名を記しているのだろうと思ってしまう。
サンゴ礁が全面を占め、崎山湾自然環境保全地域に指定されている崎山湾は、網取湾や舟浮湾のように避難港として使うには不向きのようだ。そのうえ、ウルチ崎は目立つ出っ張りの先ではなく、長い断崖の途中でわずかに飛び出している程度なので、船の航路の目印にもならないのだ。
この岬も、まったくの秘境の中にあって、とても近寄ることさえもできる場所ではない。
そこで、この項は石垣島から与那国島へ飛ぶRAC(琉球エアコミュータ)の飛行機の窓から…。
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新しくなって、バスではなく搭乗待合室からブリッジで機内へ移動できるようになった南ぬ島石垣空港でも、与那国や宮古へ飛ぶRAC便だけは、階段を降りてエプロンの端っこを歩いて駐機しているDHC-8-Q100まで歩いて行き、タラップを上る。この機はカナダのデ・ハビランド社がつくったものだが、もうだいぶ年季がいっている。日本ではもう、これに乗ることができる航空路は天草くらいしかない。
ボンバルディアという旧名で、一時期連続事故があったという記憶もある、双発ターボプロップの37人乗り。主翼は胴体の上にあるという設計なので、どこの窓からも翼が邪魔にならないのがいい点である。
あらかじめ航空路を考えて、左側の窓際の座席を確保しておいた。でんでんむしはいつもいちばん後ろ側の席をとるのだが、この機でも後ろから二番目。一番後ろの列は補助席のようなものがあって、それまで使っての満席だった。
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石垣空港を飛び立つと、竹富島と西表島を左に見ながら、石西礁湖の北をかすめて西へ飛んで行く。ちょうど、小浜島と西表島の間では、ヨナラ水道がなぜ“水道”と呼ばれるのかが、非常によくわかる景色を見下ろし、小浜島の細崎と西表島の由布島と野底崎・嘉佐崎を見ながら飛ぶ。
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ウナリ崎の上空付近からは、ウルチ崎も見えるはずである。
やはり目立たないウルチ崎は、この付近かなという程度にしかわからないが、それでもちゃんと見える。赤崎から先、行けない岬、近寄れない岬であるサバ崎、ウルチ崎、バイミ崎、ヌバン崎、そして落水崎までを一望にできるこのショットは、なかなか貴重で重要なのである。
したがって、無数の傷跡まであって、映り込みも避けられない、あまりピントも合わない窓からの写真ばかりだが、あえてボツにしないで大きくして…。内離島と外離島の間の砂州(というよりこれは砂嘴だな)も、はっきりとわかる。
おかげで、長い間地図で空想をしてみるだけで、もや〜っとしていたこの地域、秘境中の秘境の岬の姿が、ようやく少しばかり現実的にはっきり見えてきたような気がする。
こんなことで喜んでいるヤツは、まあほかにはいないだろうね。
▼国土地理院 「地理院地図」
24.324851, 123.680593
沖縄地方(2014/02/17訪問)
タグ:沖縄県
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