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1014 落石岬=根室市落石西(北海道)行けないわけがある岬はひとまずは車窓からの遠望に [岬めぐり]

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 公共交通機関で回ることを原則としているこの岬めぐりでは、どうしてもうまく行けないという岬が出てくる。島には交通機関がない岬もたくさんあるが、本土でもたまにそれはある。バスもなくタクシーもレンタサイクルもないのに、歩くには距離がありすぎる。一日仕事で歩くとしても、今度は帰りの手段も泊まるところもない。
 そういう場合には、車も入れないところが多いが、ときに車なら比較的簡単に入れる、楽に行けるという岬があって、こういうのがシャクのタネだ。
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 今回、見えなかった厚岸のチンベノ鼻も、どちらかというとそれに近いがバスもある。バスもなにもない、この根室落石岬はその典型例である。
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 どちらも、車が入る道は岬への途中で終わっていて、そこからは歩かなければならないが、公共交通機関には恵まれていないので、歩くところまで行くのが、そして行ったらまた帰るのが大変なのだ。
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 落石岬は、道南の長くて結構複雑な海岸線では東の端と言ってよい。ここからは海岸線は北から東へ細く突き出る根室半島になるからだ。
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 JR根室本線にある落石駅からは、岬の入口までは片道4.5キロもある。二つの大きなコブが、根室半島の始まりを告げている落石地域は、北寄りの浜松地区と南側の落石西(外浜)地区とに分かれていて、それぞれに漁港を構えている。
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 両方の顔を立てたJRの駅は、その中間(よりも北寄りだが)に位置している。そのため、徒歩しか手段がない訪問者には厳しい岬となった。
 それでも、ここだけを目標にすれば行けないことはないだろうから、それはまた次の機会にして、今回は走る根室本線の車窓からの訪問のみである。
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 浜中町には西から、茶内、浜中、姉別と3つの駅があるが、線路は根釧原野の南の端にあたる内陸部を通っている。この線路も、さすがは北海道まっすぐな直線が多い。
 根室市に入って、厚床、初田牛ときて、別当賀を過ぎると、線路は徐々に南東へ向きを変え、落石湾の海岸が眺められるところに出る。
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 車窓から、落石岬を眺めるには、ここが唯一のポイントである。
 厚岸湖のときにもそうだったが、乗客のなかには、海や湿原が見えてからカメラを取り出す人も多い。ここでは海岸線を走る距離もそこそこあるので、それでも間に合うが、それが目的の当方は、ポイントが近づく前にちゃんとカメラを抱えてデッキに立つ。ここは、厚岸からの行きと根室からの帰りと、二度その機会があった。
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 湾曲する落石湾の東に長くせり出す岬は、でこぼこもなく真っ平らで、刀を突き出したようだ。写真を拡大して見ると、岬の先端付近に鉄塔があって、そこまで等間隔に電柱が並んでいるのがわかる。鉄塔は、かつてここにあった無線局の名残りなのだろう。広い岬のなかは環境保全地域になっているので、トイレもないというのだが、この鉄塔電柱と灯台は例外なのだろうか。
 遠目にはわからない岬の様子は、根室市観光協会のブログ「朝日にいちばん近い街」 で、ときどき教えてくれている。それによると、自然保護のために道路もなく、木道が設けられているようだ。灯台も、湯沸岬灯台と同じタイプである。
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 あわせて、行けていない岬のなかの地図には、「落石岬のサカイツツジ自生地」という表示があるが、これは初めて目にする名前だ。国の特別天然記念物に指定されているから、めずらしいのだろう。また、同じ史跡マーク付きで「チャシ跡群」が岬内に二か所もある。チャシは柵をめぐらせたアイヌの古い砦のようなものらしい。
 これらを見ると、車窓からの遠望ではなく、どうしてもそこへ行ってみたくなる。ところが、化石燃料を燃やして車をブイブイいわせればここへ行けるが、エコで公共交通機関とてくてく歩いてという人は行けないというのが、すごく矛盾しているように思えてくる。
 根室市観光協会さん、これはなんとかすべきだと、そう思いませんかねえ。
 こういう雄大な岬の風景も、まこと北海道ならではで、本州や四国九州ではどこでも必ず、全体にごちゃごちゃと夾雑物がはいるので、こんな岬の景色は見られない。
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 落石の岬の出っ張りを過ぎると、岬の東側にある落石湾と落石漁港が、ちょっとの間だけ顔を出す。地図には落石湾に突き出る二ッ島と防波堤の表記があるが、二つ以上岩があるように見える。
 車窓訪問では、落石駅に近づくとともに岬は遠くなり、駅の手前で線路と落石岬や漁港に向かう道路が接近して並んでいる。この道を、いつか歩いて岬まで行きたいものだ。
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▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
43.160984, 145.49737
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dendenmushi.gif北海道地方(2013/09/05〜6訪問)

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タグ:北海道
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