1013 湯沸岬=厚岸郡浜中町湯沸(北海道)“霧多布岬”に押され気味の湯沸岬の町は“ルパン三世”と“タカナシ牛乳”も [岬めぐり]
霧多布市街の東にある、島状の台地が丸ごと湯沸だから、台地の西端の“霧多布温泉ゆうゆ”がある付近は、湯沸山と呼ばれていたようだ。なるほど、市街地から見ると平たいけれど確かに山である。
そして、東の端っこの岬の名は、湯沸岬である。
現在の国土地理院の電子国土ポータルでは、湯沸山の表記はなく、湯沸岬の下にはわざわざ(霧多布岬)とかっこつきで付け足している。
長い岬への入口に立っている大きな看板は、霧がないとき、花が咲いているときはこんなんですよ、と教えてくれるが、そこでは“霧多布岬”とのみ大書している。そのそばにあるのは、“きりたっぷ岬キャンプ場”。岬の北側に出っ張っているところは“きりたっぷ展望台”、ゆうゆも“霧多布温泉”だったね。
浜中町のホームページでさえも、なんと湯沸岬はどこにもなくて、“霧多布岬”だけ。地元の観光協会が毎年9月に開くのは、“きりたっぷ岬まつり”である。
だんだん、そういうふうな傾向になっていくんですね。“霧多布”のほうが印象が強いから、ということでしょうかね。
島のぐるりは、中央南の湯沸集落のあるところを除けば、あとは霧多布市街と接しているラインを含めて、すべて断崖絶壁で囲まれている。
崖の高さは50メートルにも届かないが、東の端は幅の狭い尾根状に延びている。そこを進むにつれて、霧の中に隠れていた灯台が、徐々に姿を現す。
赤と白に塗り分けられた灯台は、“霧多布”ではなくて湯沸岬灯台である。
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灯台に着いたときには、その姿はくっきりとしていて、霧も少しは晴れたように思えたが、その先に続く岬の先端や、その沖に続く帆掛岩などの岩島は、やっぱり霧の中に消えている。せっかくなら、この霧が晴れてくれたらなあと思わないでもないが、霧多布にきてまったく霧のないピーカンだと、かえってそれらしくないではないか、と負けおしみ。
その岩島にはアザラシが生息していることから、アイヌの呼び名をとってトッカリ岬とも呼ばれたというのだが…。そういえば、同じような例があった。(687 トッカリショ岬=室蘭市母恋南町(北海道)「行き先にそこを指定するお客さんは初めてですよ」とタクシードライバー) このときも深い霧と強い雨のなかだった。
霧多布の語源については、前項で述べたようにアイヌ語源の「キータプ」の音に漢字をはめただけだが、では、“湯沸(とうふつ)”という地名は、どこからきたのだろう。
これがおもしろいことに、“湯沸かし器”の情報ばかりしかなくて、さっぱり手がかりがない。どうも、アイヌとも関係がないらしい。また、この島のどこをみても、湯沸かしを彷彿とさせるようなものはなにもない。なるほど温泉はあるけど、これは、あとからできたものだから湯沸かしとは結びつかない。
岬の北側に飛び出た出っ張りには、展望台があって、そこの駐車場には数軒の売店のようなものがある。湯沸では、集落を別にすれば、こういう建物は数えるほどしかない。
あとは一面の原野というか牧場というか、初夏のシーズンには花が埋めていたのだろうが、今はその花の残骸のようなものがその形のままで黒く立ち並んでいる。
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翌日には、霧多布大橋付近で浜中行きのバスに乗ろうと待っていると、やってきたのは車体に“ルパン三世”のラッピングをしたバスだった。
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湯沸岬を後にして北へ向かうバスは、ほどなくして海岸を離れ、浜中駅に着く。この駅でも、外にはゴエモンとジゲンが、中の出札の窓口にはフジコさんが、ホームにもちゃんとご本人が…と、“ルパン三世”だらけだった。
作者のモンキー・パンチ氏は、この町の出身なので、町おこしに一役かっているのだ。これが、根室本線のJR車両まで広がっているから、ルパン一色である。
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駅には、それ以外にも浜中町の名産品として、酪農製品をアピールしていた。いつもスーパーに並んでいてよくたまに買っていた“タカナシの牛乳とヨーグルト”は、この町でつくられていたのだ…とちょっとたいした意味もなく感激。
▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
43.076663, 145.169502
北海道地方(2013/09/04〜05訪問)
タグ:北海道
10/4より、謎のページに自動転送されるようになってしまいました。
自分の環境では、なんとか復旧できましたが、まだ、謎のページに転送される方も多いようです。
この度は、ご迷惑おかけして本当に申し訳ございません。
そこで、下記、新しいページに移行することにしました。
http://ryo1216-2.blog.so-net.ne.jp/
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
by ryo1216 (2013-10-07 02:23)
@ ryo1216 さん、おかしいと思ってたんですよ。なんどやっても、すぐ切り替わって別のヘンなページへ行ってましたからね。
これも、サイバーテロなんでしょうか。
by dendenmushi (2013-10-07 06:11)
道産子の者ですがひと言、
あなたが思っておられる「タカナシの牛乳」と、ここ霧多布で作っている牛乳は全然関係ありませんよ。
たしかに、アゼチ岬の麓から霧多布岬にかけ地元の牧場をみかけたと思いますが、そこは「小松牧場」という地元牧場しかありません。
今でも、瓶の牛乳販売のみで懐かしいコーヒー牛乳フルーツ牛も飲めますがね。
by 通りすがり (2013-11-21 11:44)
@ま、そうですね。牛乳なんかいまどきどこで生産されているかわかりませんものね。だから、私が飲んでいるのがここの製品かどうかは、たしかにわかりませんね。
ただ、わたしのいうタカナシ乳業は、その北海道工場がここ同じ浜中町内の茶内栄44番地にあるのです。それだけのことです。(実はこの会社の本社は神奈川県なんですが)
ここでは「霧多布の牛乳」のことを言っているのではありません。「浜中町の…」という意味です。
by dendenmushi (2013-11-22 07:15)