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995 要害ノ鼻=気仙沼市要害(宮城県)半島になりそこねた島は亀山をシンボルとしておおよそ3つに区分けできる [岬めぐり]

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 島や海岸はどこでもヘンにでこぼことしていて、なんでこんな形になったのだろう、と思ってしまう。もちろん、それについて、明確な理由や根拠が判明していることは、極めて少ないから、考えてみてもあまり意味はないのだ。
 気仙沼大島も、でこぼこの多い不整形な島だが、この島の場合は、大島瀬戸で偶然に本土と分断されてしまった、という感じのほうが強く残ってしまう。そこで切れていなければ、東隣の唐桑半島と並んで、北欧のフィヨルドのようにリアス式の特徴をアピールしていたかもしれない。
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 島は北端の野々崎から南端の龍舞崎までは6.1キロと南北に長く、地形的にはふたつのくびれによって3つに分けられる。
 北は標高235メートルの亀山を中心とした山岳(というほど大げさなものではないものの)、浦の浜と田中浜のくびれ、要害と小田ノ浜のくびれが、それぞれ800メートルくらいで、その間にあたる中間部が役所や学校が集まる島の中心部、そしてその南には低い山がぽこぽこと固まっていて集落は主に西に寄っている。
 砂浜は3つ4つくらいしかなく、ほとんどは岩磯で、船が着けられる小さな漁港が7つか8つ。道路も、海岸線を周回しているところは稀である。つまり、車で回ったとしても岬はあまり見られないわけである。
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 その全体は、なかなかうまく捉えることができない。が、はなはだ不十分ながら、岩井崎からと陸前階上駅から気仙沼駅へ向かうBRTバスの車窓からも、若干はその感じを知ることができる。別当鼻と龍舞崎の中間にある要害ノ鼻は、気仙沼湾を挟んだ向かいにあるはずである。
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 要害ノ鼻は、3つに分けられる島の中間部と南部の西の境目にある。
 亀山に登れば、これらの岬を含めて、島の全体を俯瞰することができた。そのはずだった。
 震災前には、それが大島観光の目玉であったようで、浦の浜の船着場からは、山頂に向かう市営のリフトが運行していた。当然、それも現在は休止中ということで、それが復活するのは、復興にある程度の目処がついてからのことになるのだろう。
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 磯草、亀山、外浜、大初平、浦の浜、外畑、田尻、大向、廻館、高井、浅井、長崎、要害、中山、駒形、三作浜、横沼と、この小さな島に17もの字地名があり、おまけにかなり微妙な線引きで区切られている。
 いちおう離島とはいえ、細長い気仙沼湾で隔てて一衣帯水の関係にあり、険しい地形でもない大島は、政治や経済でも常に本土と一体であったろう。さまざまな勢力が入り乱れてきた、そのことがなにか伝わってくるような字地名である。
 “要害”というのは、いかにもというストレートな名前であって、おそらくは軍事的な意味でのポイントにもなり、平時でも気仙沼湾に出入りする船をチェックするような役目ももっていたのではないか。それがそのまま、地名になって残っているのもおもしろい。
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 ここも現地へは行くことができなかったのだが、地図と写真で見ると岬の北側には港があり、先端はやはり樹木に囲まれた丘になっていて、そのなかに民家が一軒だけあるようだ。別当鼻の先に、かすかに覗いているのが、要害ノ鼻の堤防であろう。
 それは、前項の別当鼻も要害ノ鼻とほぼ同じようなたたずまいと想像できる。そういえば、“別当”というのも地位や役職を示すものだ。
 気仙沼大島の岬は、湾西岸の北から順に、松明鼻、別当鼻、そしてこの要害ノ鼻を経て、南端の龍舞崎へと続く。
 そこから島の東側に回り込むと、松崎、山王鼻、恵比須鼻、そして北端の野々崎へと一回りすることになる。
 次項の龍舞崎までは、なんとかむりやりにでも項目を設けようとしているのだが…。
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 気仙沼湾西岸を北上中の道路脇にあった、復興商店が集まった仮設の建物に「ココサカエル」という横断幕が目を引く。ChinchikoPapa さんのコメントももらっていたが、これは「ここへ帰ってこよう」というのと、「ここが栄えるように」という、二重の願望が込められているのだろう。

▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
38.846189, 141.61159
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dendenmushi.gif東北地方(2013/07/04訪問)

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