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902 津舟崎=福岡市西区今津(福岡県)バスの窓ガラスがあんまり汚すぎるので車窓写真はこれだけに [岬めぐり]

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 今宿の駅から今山まで歩いてきて、その付近に記されていた防塁は、結局見つけることができなかったのだが、まあもう生の松原で充分見たのでそれはよい。洲ノ崎も今津橋から見て、次は5キロ近く北西方向に離れた津舟崎である。そこは福岡市西区今津も西の端で、柑子岳(こうじだけ)の東麓の海岸を走る、バスの車窓から眺めるだけになった。
 入江の河口に洲ノ崎と並んでいる今津橋の袂で、西浦へ行くバスを待って乗ってきた。これは西鉄バスではなくて、昭和バス。道理で、西鉄バスの情報からはわからなかったわけだ。
 今宿駅のひとつ西寄りの九大学研都市駅と、糸島半島の最北端に位置する西浦の間を走る路線バスで、今宿付近で西鉄の守備範囲は終わりになるらしい。
 たまにしかやってこないバス路線は、いちばん前のフロントガラスからの景色が見える席は、もう空いていなかった。やはりそのほかの席はガラガラで、乗客は数えるまでもないくらいだから、どこに座ってもいいのだが、これが残念なことにどこに座ってみても、窓ガラスがおそろしく汚い。
 掃除で水をシャワーのように車体にかけたまま、すすがないで乾燥させたかのように、黒く見える水滴の跡が点々と全体を覆っている。
 これでは、いかに写真は記録メモ代わりだからあまりかまわないといえども、何枚も車窓写真を並べるのも気が引ける。
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 昔は唐船が入ったという入江も、風土記が書かれた頃にはすでに土砂の堆積が進んでいて、「唐舟をも爰につなぎしと云。」という伝聞の記録になっていた。現在も浅い入江の北側を、回り込んでバスは走る。今津橋を渡って、今津の町を抜けると、ここにも防塁がある長浜海岸に沿って西へバスは走るが、バスが通る道はだいぶ海岸からは離れており、大原あたりに近づいたところでも、松林が見えるだけ。
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 松林が切れ、バスが北に向きを変えると、前方に津舟崎が見えてくる。
 だが、車窓事情がそういう次第なので、ここが津舟崎ですよという証拠写真だけ、なんとか水滴の跡をごまかして…。
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 その名は湊に縁のあるものだが、「船」ではなく「舟」であり、規模的には小さい。だが、ここにこういう名の岬が残っていること自体、長い砂浜が続いて舟を寄せる場所がほかになかったことを示していると思われる。
 小さな山が海に向かって張り出し、お約束にしたがって神社がある。
 この岬の西方には、標高254メートルの柑子岳がある。現在はその跡もないが、永禄年間、大友宗麟旗下の城があった。その家臣二派の勢力争いらしいが、それぞれが毛利や立花を後ろ盾に、何度もこの山城を舞台に争乱があったようだ。
 こうした山城が築かれたのは、戦国時代の終わり頃までだろうから、その後は要衝ともいえないこの地にあって、歴史に残るような大事はなかったようだ。
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 しかし、山が境界の役割を果たすことはごく普通で、ここでも「嶺より東は今津村に属す。故に其東の田畑は、今津より是を作る。」と風土記がいうところをみると、この山が村の境界線をつくっていた。
 しかも、人口もまだ周密でなく、ここの田畑の農作業には東の今津の村から人が行った。「今津より是を作る。」とは、当初は今津から通ったのだろうが、それも大変というのでそこに住み着くようになって大原のような集落ができ、それが今津の枝村になったと考えられる。
 それで、現在でもここは今津なのだ。
 国境は柑子岳のさらに西の尾根を使っていたので、そこが現在の福岡市と糸島市の境になっている。

▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
33.618996, 130.232005
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dendenmushi.gif九州地方(2012/10/30訪問)

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コメント 2

johncomeback

電車でもバスでも、窓が汚いとせっかくの景色が台無しで、
泣きたくなります。
by johncomeback (2013-01-12 17:20) 

dendenmushi

@ほんとにね。バス会社の人は、なにも気にならないものなのでしょうかね。世の中、ふしぎなことが多いです。
by dendenmushi (2013-01-13 20:36) 

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