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番外:中国地方北西部海岸をひとまわり=(ちょっとだけ福岡県に山口県・島根県)バスツアーになりゆき便乗して… [番外]

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 バスツアーというものに参加したのは、6年ぶりであった。6年前(2006年)は、別の旅行会社だったが、やはりひきこもり仲間(ただし別種の)で、何年も千葉から出たことがないという友人を引っ張り出して、そのツアーに参加した。それが、“東北三大半島めぐり”と銘打った企画で、下北・津軽・男鹿を回るのだから、当然岬めぐりのアウトライン把握には役に立つし、行きにくい大間崎がコースに入っていたのでその気になった。
 ところが、そのツアーではつぎはいよいよ大間という直前になって、なんと佐井からの船に乗るには時間がないという理由で、大間崎がショートカットされてしまったのである。
 それを目当てに乗った客は多くはなかったのかもしれないが、これにはあきれてかえって、唖然として開いた口がふさがらなかった。というのも、それまで恐山や道の駅などでゆっくり時間をかけていたからだ。そんな杜撰なコースプランに、客を引っ張っていこうという旅行会社に腹が立って、それまでたまに利用していたその会社は、以来利用したことがない。
 今回の岡山から広島・関門・萩・玉造と、中国地方をぐるりと回るツアーは、それとは別の旅行会社の企画で、もちろん岬めぐりではないし、ごく普通の暇なおじさんおばさん向けのよくある観光コースに便乗しただけなので、もともとたいした期待をしていたわけではない。
 おまけに、ほとんどのところはすでに行ったことのある場所で、しかもコースの“半分近くは半分地元”のようなものである。
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 そんなツアーに、なゆえに参加したかは、まあなりゆきとしか言いようがない。
 ツアーバスの事故があって、しばらく後のことだったが、夜間ではないので運転手は一人、ガイドはいなくて、旅行会社の添乗員がバス一台に一人ついている。岡山の支社か何かの担当プランらしく、東京からの新幹線グリーン車(“グリーン車で行く”というのはあくまで“行くだけ”ですからね)で岡山駅に降り立った客を、彼らがホームで待ち構え、その後は下津井電鉄の観光バスに乗せて4泊5日走り回り、5日目には岡山駅からまた新幹線に乗せて、さようなら…というものである。
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 以前は、バス旅行というと、ガイドがのべつまくなしにしゃべりまくり、客を強引にクイズに誘ったり、はては団体だと座席にマイクを回してのど自慢大会…これがめんどくさくてうるさくて、イヤでイヤでしかたがなかった。
 近頃では、さすがにそういうことはなくなってきて、しゃべらないのだからガイドもいらない、という傾向になってきたものだろうか。
 そう思っていたら、つい先日同じ旅行会社の企画で琵琶湖をめぐってきたという人の話を聞いた。それによると、その近江バスにはガイドさんがちゃんといて、そのしゃべりがなんとも耐えられないほどで、バスではまったくくつろげなかったというから、今でも相変わらず同じようなことがあり、その出来不出来、運不運はもっぱらバス会社の方針と教育と、それにガイドさん本人次第、ということになるのだろう。
 それに比べれば、ガイドなしのほうがはるかにマシだったが、あまり黙りこくったまま走るのも気になるものか、添乗員がときたまマイクを握って、「いちばん長いトンネルがどこで…」とか、自分の趣味らしい鉄道ネタや豆知識を披露したりしていたが、それもコースや車窓ともまったく関連がない。
 ツアー客が事前に下調べをして参加していれば別だが、そんな客がいるとも思えないので、そうするとほとんどの人は、今バスがどこを走っているのか、そこなどんなところかなどは、全然知らずに関心もなしに通ってきたことになるだろう。
 土産物屋とセットになった地元のガイドがついた、厳島神社と萩市内と津和野と出雲大社以外は、なんの情報も得られなかったはずで、あるいは名所と土産物屋さえ行けば、ほかには誰にもそんな興味も、はなからないのかもしれない。
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 となると、「観光」とは、いったいなんなんだろう、という気分にもなってくるのだ。
 でんでんむしが、このブログの2012年07月21日付けの「番外:関門海峡と門司港ホテル」、2012年07月23日付けの「822 柁ヶ鼻」の項目から、前項「848 湯町鼻」までの各項で、ごちゃごちゃと書いてきたような小ネタや豆知識も、個人的な趣味指向、興味の範囲によるものであり、自分がひとりでおもしろがって楽しんでいるだけなのであるから、他人にもそれがおもしろいかどうかはわからない。
 しかし、添乗員さんが、これくらいのことを知っておいてくれると、ツアーをもう少しは彩りも意義もある、参加者の記憶に残る旅にできたのではないか、という思いはある。
 あるいは参考になるかと、コースの終わり頃で、彼には「でんでんむしの岬めぐり」で検索してみてね、と言っておいたけれども、見てくれたかどうか。(たまにあるこんな宣伝機会でも、その後でちゃんと見てくれる人は案外と少ないものだ。)
 玉造温泉の旅館も、どこといってよい印象がなかったのは、旧館のどこかの研修センターというような部屋をあてがわれたからでもあるが、この頃はいっそ和式の旅館よりも、ホテルのほうがずっと気持ちがいいような気がしている。
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 ツアー最終日は、足立美術館へ行った。ここは、名高い庭園だけは前々から一度はみたいと思っていた。その名がちらほらと人の口の端に上るようになったのは、そう昔のことではなく、初めてそれを知ることになったのが、ほかならぬ観光ツアーの広告で…という人も多いのではあるまいか。でんでんむしも、そんな一人なのであった。
 その庭園は、足立美術館のホームページでは、『「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が、全国850ヶ所以上の名所旧跡を対象に実施した「2011年日本庭園ランキング(潮騒ランキング)」において、足立美術館の日本庭園が昨年に続き「9年連続庭園日本一」に選ばれました!』と紹介している。
 そして、これに次ぐ第2位が、「桂離宮」なんだそうである。
 しかしながら、実際に見てみると、確かに広いことは広いが、はっきり言って見る前に期待して思っていたほどの感動がない。これはどうしたことか。
 もちろん、小堀遠州とは違うし、重森三玲・完途とも違うが、それなりに外国人を感心させる日本庭園の条件は充分に備えてはいるのだろうが…。
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 それにしても、なにもない町から遠くはずれた田舎に、広大な敷地と設備を整え、たくさんの観光バスを呼び寄せる(その駐車場の広いこと!)ことに成功しているのは、それはそれでたいしたものだ。
 下調べをしないのでその場所もどこにあるか知らず、ただバスに身を任せて来たので、その庭が尼子氏の月山富田城からそう遠くないところにあるとは思いもしなかった。
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 それから、バスは米子に入って、名物のとち餅などをつくって売る商業施設(これも足立美術館に習って観光バスのためにつくったのか)に寄って、雲に隠れた大山の脇の米子自動車道を南下する。
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 途中の蒜山高原で休憩すると、岡山までは比較的速い。山陰から山陽へ、中国山地を横断して(あれっ、この場合は縦断かな。いや、やっぱり横断だな)このツアーは終わったのでありました。

▼国土地理院 「地理院地図」
35度12分47.12秒 132度50分3.55秒ほか
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dendenmushi.gif中国地方(2012/05/27〜31 訪問)

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きた!みた!印(36)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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コメント 4

ダミアン88

ガイドさんですか~(笑)、運・不運がありますよね。
一度”ジャイアンコンサート”を地で行く様な
ガイドさんに当たって閉口した事があります。
押し引きの上手なガイドさんだと旅も楽しくなりますよね~
by ダミアン88 (2012-09-24 09:11) 

ナツパパ

素晴らしい庭園ですね。
人気も高いのでしょう。
わたしも名前だけ聞いたことがありますよ。
by ナツパパ (2012-09-24 14:01) 

dendenmushi

@”ジャイアンコンサート”ねえ、なるほどお。そりゃ、災難というものですね。そういうガイドさんにあたると、バス会社はその実情をちゃんと知っているのだろうか、と疑いたくなりますね。

by dendenmushi (2012-09-26 04:45) 

dendenmushi

@名前だけ聞いたことがある、という人は多いでしょうね。場所が場所だから、いわゆる美術館へはよく行くという人でも、まだ行っていない人が多いでしょう。
横山大観の那智の滝の絵はがきを買ってきました。
by dendenmushi (2012-09-26 04:49) 

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