711 出岬=積丹郡積丹町大字出岬町(北海道)積丹半島最北端には違いないのだがこの灯台は… [岬めぐり]
出岬は、島武威海岸の西にある屏風岩と双璧をなすようにして、東の海岸で出っ張っているはずだ。トンネルの入口の脇には、いろんな看板が立っているが、そこには積丹岬自然歩道と岬に咲く花の案内板もあった。
が、このお天気ではそれらも確認は不可能だろう。
駐車場から上には、クルマの通行はできないが、車両も通れる舗装道路が延びている。せっかくいい道がついているのだから、せめて灯台のあるところまでは登ってみよう。
そう考えて、舗装道路を登って行くと、やがて霧の中に赤と白に塗り分けられた灯台が浮かんでくる。
「積丹出岬灯台」の銘板があるので、それが正式名称らしい。それは、“この灯台は積丹岬の灯台を兼ねていますよ”と、言い訳をしているようでもある。
しかし、この灯台がここにあるのは、いささか?がある。なぜ、積丹岬ではなく、こんないわば中途半端な場所にあるのだろう。
確かに、緯度でいえば積丹半島の最北端というのは当たっているが、長い断崖絶壁が続く海岸線の途中である。出岬という岬の上にある(のだろう)が、岬の端というなら、また沖行く船の航路の安全という面でも、積丹岬のほうがよりふさわしいように思える。
島武威海岸とトンネルとセットで、ニシン漁のために必要だったというのも、これが明治時代からあるというのなら納得だが、初点灯は1965(昭和40)年となっているから、その説も成り立たない。
ものごとにはなんでも理由があるので、おそらくは積丹岬には灯台が設置できない、それにはふさわしくない事情があり、それでこの位置になったのだろうか。
また、比較的新しい灯台であるが、全国どこの灯台にも設置されている燈光会の看板が、ここには見当たらない。それにはまた、どんな理由があるのだろう。
予想通り、すぐそばの灯台は見えても、そこから下の海岸も海も岬も、さっぱりなにも見えなかった。
もう、いちいち残念がるような段階は、とうに通り越している。
ここから東に、積丹岬自然歩道が霧の中に消えていく。この道を行けば、断崖の上を女郎子岩やピリカ岬、そしてマッカ岬を眺めながら幌武意まで通じている。当初は、そんな計画もあったのだが、この天候とクマに遭遇する心構えも準備もできていない。
また来た道を戻る途中で、こんなもの発見!
なんと、白いでんでんむしである。世が世ならば、これは瑞兆だと改元でもしたいところだが、“白蝸牛○年”では、ちょっと語呂がよくないか。
この道を登って来る人は、そう多くないが、それでも踏みつぶされたりいたずらされてはかわいそうだ。つまんで道路脇の草むらに移してやった。
別に、恩返しを期待しているわけではないが、こういうことがよくあって、先日も家の近くの自動車がよく通るバス停の道を大きなでんでんむしが、のそのそしているのを移してやった。
しかし、よく考えてみると、果たして当のでんでんむし本人?にとっては、望ましいことだったのだろうか。道の反対側に移動する途中だったのに、また元に戻されてしまったと、恨まれていたりして…。
トンネルまで戻ったところで、念のためもう一度島武威海岸が見えるかどうか確かめてみたが、やはり北海道の霧は、そう簡単には晴れない。それでも、前には見えなかった海岸の砂浜が、少しばかり…。
▼国土地理院 「地理院地図」
43度22分24.50秒 140度28分53.14秒
北海道地方(2011/07/18 訪問)
謎の多い?霧の岬に白蝸牛。神秘的ですね。
by お水番 (2011-10-26 09:30)
霧が濃いですね。
この灯台にも霧笛はあるのでしょうか。
以前、納沙布岬にいったら灯台に霧笛があって、
しきりに鳴らしていましたっけ。
by ナツパパ (2011-10-26 14:36)
@確かにそう、なかなか神秘的ではありましたよ。でも、霧が晴れたときの状況も、見てみたい気がやはりします。
by dendenmushi (2011-10-28 06:53)
@霧笛は鳴っていなかったです。この灯台、位置もかなり海から奥まったところにあるような感じもするのです。納沙布岬に行った時は晴れていたんですがねえ。
by dendenmushi (2011-10-28 06:56)