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700 キナウシ岬=古宇郡神恵内村大字珊内村(北海道)台風の影響とはこんなにもものすごいものなのだ! [岬めぐり]

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 天災もトンネル事故もあって、道路やトンネルも常に安泰ではない。山も大変だろうが、海沿いの道も台風や水害、波浪の影響やがけ崩れ、ときには加えて地盤沈下と、常に大変動に見舞われているはずである。
 これに対応して、道路の改修や付替え、新しいトンネルの掘削など、道路関連工事は、全国でくまなく行なわれていることは、いうまでもない。(トップの写真はキナウシ岬とも台風とも直接は関係ありません。)
 北海道の地図で、南の室蘭とバランスを取るようにして、北側に飛び出している積丹半島。その西海岸の中心で、南北20数キロに渡る神恵内村の海岸線は、よくみるとかなりのでこぼこが細かくあり、ぎざぎざである。
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 その海岸線で唯一の交通路が、半島を巻くようにして通っている国道229号線である。そのなかでも、大森川とキナウシ川の間の大森トンネル付近は、地図でみると近年においても激しい地形変動があり、この国道にもさまざまな変化があったことが、容易に推察される。キナウシ岬のあるところは、そういう場所である。
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 「キナウシ」とは、「ピリカ・キナ・ウシ」、アイヌ語で「良い草の繁茂しているところ」という意味からきた名称だという。
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 積丹神威岬行きのバスは、道の駅“おすこい!かもえない”がある(長い間閉鎖していたが、一年前から営業再開)ところから、キナウシ川まで、約2.5キロを大森トンネルでほぼ真っすぐに走り抜けてしまう。
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 だが、その現在の大森トンネルの上には、山の等高線に沿うようにして曲がりくねった旧道があるし、海岸の際にはトンネルやグレーに塗られた道路の跡らしいものが、切れ切れにながらはっきりと残されている。
 海沿いの山の地形は、100メートルくらいの高さから、ごっそりと削り取られたようになっている。これは、どうみてもただごとではない。
 きっと、昔の道路が大規模に崩落して、道路もトンネルも使えなくなり、その代替に現在の大森トンネルができたのだろう。
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 大森トンネルを出たところが、旧道の山道も降りてくるキナウシ川の河口で、目の前にはまたすぐにキナウシトンネルがぱっくりと口を開けている。そのすぐ隣には、コンクリートでフタをされた旧トンネルが並んでいる。
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 キナウシトンネルの海岸でも、大森トンネルと同様のことがあったらしく、古い道路の跡が地図に残されていた。
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 キナウシ岬は、電子国土ポータルでは、この旧道のそばの出っ張りに表記があるが、車窓からは道路を厳重に守ろうとしている堤防のため、ほとんど見えない。
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 この表記をみると、かつての本来のキナウシ岬も、大変動によってその地形が変わってしまったのではないか。現在の中途半端な岬名表記をみていると、そんなことまで考えてしまう。
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 “でんでんむしの岬めぐり”も、かなり変わった趣味ではないかと自負して、日本ブログ村では「その他珍しい趣味」のカテゴリに登録をしているのだが、世の中に変わった趣味・珍しい趣味の持ち主は多い。
 このキナウシ海岸のことは、もう少し調べてみる必要があると感じたので、帰ってきて検索していて見つけたのが、北海道の道路(廃道が多いようだがそればかりではない)を歩いてレポートしている人のページであった。
 管理人zwiebelさんの制作による、「北海道 道路レポート"カントリーロード"」と題したなかに、いずれも2007年の更新で、「国道229号大森トンネル旧道」と「国道229号旧道遺構群大森・キナウシ地区」という二つの詳細な現地レポート記述を見つけた。まさしく、「ぎょえええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」
 ここをバスに乗って、トンネルを走り抜けただけのでんでんむしが、地図を見て想像していたのを、はるかに超えた世界がここにはあった。(残念ながら、この"カントリーロード"ページへのリンクがなんらかの事情でいずれも切れていましたので、ボタンは消しました。2012/07)
 やはり、2004(平成16)年の台風18号によって、この付近は大被害を被っていて、トンネルだけは大急ぎで新トンネルを開通させた(2006年)ものの、その傷跡はいまだにそのまま残っているのである。
 「当ページへの無断リンクは推奨されています!」というzwiebelさんには、礼儀としていちおうリンクの連絡は入れておいた。
 そのなかから、キナウシ岬に関する部分だけを引用させていただくと、
 
 特別に突き出している訳ではありませんが、このあたりがキナウシ岬になります。しかし実は、キナウシ岬というのは後付の名前らしいのです。もともとこの岬は「神の岬」を意味するカムイシリパと呼ばれていたのが、近くのキナウシ地区の名前からキナウシ岬と呼ばれるようになったのだそうです。カムイ(神)からキナ(草)へ…ちょっと可哀想な降格ではないですか。

 とあった。
 このサイトは、そのつくりも基本姿勢も、文と写真もなかなかちゃんと充実していて、敬意をもってお勧めできる。相方の天空開発さんとの冒険談も、ごくたまに岬めぐりで似たようなことをやるでんでんむしとしては、たいへんおもしろかった。御用とお急ぎでない方は、ぜひご覧いただきたい。

▼国土地理院 「地理院地図」
43度10分54.66秒 140度21分30.82秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2011/07/17 訪問)

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タグ:北海道 地図
きた!みた!印(36)  コメント(3)  トラックバック(0) 
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コメント 3

ナツパパ

岬巡り700回達成、おめでとうございます。
山がここまで迫っていると、どうしても崩落が起こってしまうのdすね。
トンネルで通過、というのは一番便利な方法でしょうねえ。
ただ...外が見えないのは厳しいなあ。
by ナツパパ (2011-09-30 20:57) 

ぱぱくま

地図の等高線を見ていると、
海岸線までせり出したその地形の複雑さがよく分かりますね。
700回もの岬めぐりの記事すごいです!
おめでとうございます~( ^-^)/:★*☆♪
次は800回目指して頑張ってくださいね。
by ぱぱくま (2011-10-02 17:19) 

dendenmushi

@いま、新幹線のなかなので、簡単にまとめさせていただきます。
ナツパパさん、ぱぱくまさん。ありがとうございます。
700項目、やっとここまできましたね。
ま、単なる通過点のひとつとはいえ、大台の数字が変わるのは、気分も新たになります。
とりあえず次は、701項目を目標に…。
by dendenmushi (2011-10-03 09:12) 

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