701 マッカ岬=古宇郡神恵内村大字珊内村(北海道)股のマッカの村ではトイレも観光資源 [岬めぐり]
キナウシ岬に続いてあるのが、マッカ岬。このあたりの岬は、どれも東の山塊から降りてきた尾根がいくつかに分かれ、それを挟むようにして海に注ぐ水流によって分断されて、それぞれの岬が成立している。
そんなひとつマッカ岬は、さほどには大きくない出っ張りで、長方形をした入口のマッカトンネル(中も長方形だったかどうかは、確認していなかった)も、300メートルくらいしかない。
ここも、海岸に沿った旧道があったが、現在は閉鎖されている。岬の隣には、丸い旧トンネルの入口がコンクリートでフタをされている。
この旧トンネルはマッカ岬のそばを抜ける短いトンネルだったが、老朽化していて1969(昭和44)年に現在のマッカトンネルに切り替えられた。1969年とは、同じ積丹半島で豊浜トンネルの大事故が起こった年だった。
大森トンネルの場所は、神恵内村の中の大字赤石村だったのだが、キナウシ岬のあるところから北、積丹町との境界までは、すべて大字珊内村である。「さんない」と読むのだろうと思われる。「さくない」と書いている情報もあるが、「珊」は「さく」とは読まないはず。
「マッカ」も、アイヌ語源かと思ったが、どうやら違うらしい。一説には、東北の言葉で「股」を意味するのだという。確かに、そう思ってみるとこのマッカ岬、なんとなく股のようにも見えてくるからおかしい。
北海道には、同じ名前の岬が、でんでんむしがすぐに思いつくだけでも、積丹半島の北海岸幌武意と、石狩市の増毛海岸と、ここのほかに2か所ある。
マッカトンネルを出ると、珊内の集落があって、電子国土ポータルには温泉マークがある。ZENRINソースのネット地図では、ここに“日本郷土玩具館童心館”という表記もあるが、温泉施設の表記はない。MapFanだけは、“珊内ぬくもり温泉”と両方記してある。地図に何を載せて何を載せないかは、制作者の自由ではあるといえ、もう少し基準をなんとかする必要もあるんじゃないか。
実をいうと、こんなところに郷土玩具館なんて、とっくの昔につぶれているんじゃないのか、地図がいいかげんなだけじゃないのか、という疑いを消しきれなかった。そこで、調べてみたらネット情報では、廃校になった小学校を使ったというこの童心館、ちゃんと健在らしいことがわかった。
そこまで、疑ってみたのも、漁業だけでなく観光にも力を入れているという神恵内村の想いは、果たしてうまく機能しているのだろうか、期待に沿って結果が出ているのだろうか、気になっていたからである。
なにしろ、村の人口は500世帯、970人。(ごめんなさい。長いこと“人口10,040人。”と単位0を一つ多くつけたままでした。お詫びして訂正します。2014/03)
それが、積丹半島西海岸の、とぎれとぎれに続く海沿いの谷間にあるいくつかの集落にばらまかれているこの村では、229号線だけがただ一本だけの動脈で、観光客といったって、トンネルだらけのこの道を走り抜け、通り過ぎようとする、ドライブにやってきた人くらいしか、想定できないのではないか。
“観光案内”のタグをトップに並べた神恵内村のホームページには、“食事・宿泊・トイレ”とある。ん? トイレ?
その、“さわやかトイレ”のページには、
何がなんでもドライブに必要なのが、直ぐ入れるトイレ、そこで神恵内村では平成8年の積丹半島周回道路開通に向けて「さわやかトイレ」の建設を始めました。
また、ネーミングもその地域の名所と古来の名称を合わせ、たとえば「竜神の手水処」、「古宇の川屋」と言う具合に命名しました。
現在、「さわやかトイレ」は10ヶ所開放されており、神恵内村の重要な観光資源として、多くの方々からご利用され大変喜ばれております。
とあって、10か所のトイレと名称が、それぞれ写真入りで紹介されていた。
▼国土地理院 「地理院地図」
43度11分31.72秒 140度20分54.05秒
北海道地方(2011/07/17 訪問)
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