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684 蘭法華岬=登別市富浦町(北海道)長い砂浜にそこだけが飛び出して川の流れを変えている台地と岬 [岬めぐり]

 登別市の海岸線は、北東から南西にかけて斜めの20キロ近くはほぼ真っすぐで、全体が砂浜であったらしい。今では、地図によると北側の富浦周辺などの一部に残る程度で、ほとんどは人家が迫っている。室蘭本線は、この海岸線に沿って、登別、富浦、幌別、鷲別と駅があるが、富浦と鷲別でそこだけが岩場で、ちょこんと海岸線が飛び出している。それが、蘭法華岬と鷲別岬になる。
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 登別駅でも、中国人らしいグループがいる。島のほうなのか大陸のほうなのか、しゃべる言葉を聞いてわかるわけもない。ちょっと前までは服装や身なりなどでなんとなく違いがあるようにも思えたが、いまではそれもわからない。
 北海道が外国人観光客に、とくに冬のスキーなどでも人気があるという話は、前からよく聞いてはいたが、考えてみれば遠くからご苦労なことだ。ふと、何十年か前、スイスのモンブランの麓の村に行った時のことを思い出す。
 観光が地域経済にとって、重要なことはおおむね理解できるとしても、今のような団体客中心、旅行会社主導、貸切りバスで長駆走り回るだけのツアーばかりに頼り切った観光政策で、どこまで地元にとっていいことがあるのか、そこらへんがどうもよくわからない。
 地域振興にとって、観光は重要かもしれないが、白老のように通過されるだけでも、登別のように温泉だけしか目当てがないのも、それではたいしたことにはならないだろう。
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 登別駅の南側は、港に横たわっていた細長い山があって、それが駅のそばにあるので、まるで深山の駅のようだが、ここから東室蘭へ行く列車に乗る。滅多にこない各駅停車の車内は、さっき乗っていた特急の車内とは別世界のように人がいない。
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 切符は、様似駅で東室蘭まで買っていたのだが、これはいまどきスイカばかりで切符を買うことがなくなった人間には、新鮮で記録に値する。
 登別駅を出るとまもなく、途中の富浦に蘭法華岬という岬がある。ここだけ、60メートル近い断崖に囲まれた小さな尾根が、海に張り出して残った形で、旧道の海岸通りもJR室蘭本線もそこをぶち抜いている。その内側を走る国道36号線は、トンネルではなく開削によって岬の尾根を越えることにした。
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 登別漁港からも、見えたことは見えたが、邪魔が入っていたので、その様子がよくわからなかった。
 車窓からでも、富浦駅に入る前でスピードは落ちるだろうし、線路は海岸のそばを通るので、トンネルを出たところで、しっかり確認できると踏んだが、その予想通りであった。
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 岬の付け根には、わずかに砂浜もあるが、その先は切り立つ断崖と岩礁が周囲を取り巻いている。岬の周回はできないようだ。
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 この尾根は、200メートルほどのポントコ山を抱いて東に流れる溶岩流の台地の端にあたり、蘭法華岬は、その尾根の南側に飛び出していた。北から深い谷を刻んできた登別川も、この尾根に当たって東に向きを変えて海に出る。
 この形は? そうだ、前項のポンアヨロ台地とポンアヨロ川の関係と、ほぼそっくりである。
 改めて、“ポンアヨロ川”で調べてみると、ウイキペディアには、次のように書いてあった。
 「源流付近から河口まで道路沿いに流れ、川沿いには人家が散在する。中流の右岸に登別伊達時代村と、河口の左岸に続縄文時代のアヨロ遺跡がある。」
 アヨロ遺跡は、縄文遺跡だったということがこれで確認できたが、左岸にあるとなるとそれは台地ではなくて、虎杖浜のほうにあることになる。それもおかしいなと、また地図で確認してみると、登別伊達時代村は明らかに左岸にある。
 どうやらこの記述では、肝心の“右岸”と“左岸”の意味と解釈(左右をみるのは、川の上流から下流に向かって眺めて)を間違えているので、左右が逆になってしまっただけ、ということらしい。

▼国土地理院 「地理院地図」
42度26分24.48秒 141度9分55.48秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2011/07/15 訪問)

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タグ:北海道
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