624 弁天崎=西津軽郡深浦町大字北金ケ沢(青森県)深浦町が終わって鯵ケ沢町へ [岬めぐり]
千畳敷の大戸瀬崎を頂点として、五能線と101号線は南東に向けてゆっくりと延び、陸奥柳田付近からまた北東方向に向きを変えて、鯵ケ沢まで大きな弧を描く海岸線に沿っている。
弁天崎は、大戸瀬崎から3キロちょっと離れたところにあるが、遠目にその飛び出した山の姿が見えるようになると、その背景にはまた細長く北へ延びる津軽半島が映り込んでくる。車窓の反対の山側には、岩木山も見えていたはずなのだが、今回はとにかく岬の確保に懸命だったので、それを見るゆとりもなかった。
地図でみる弁天崎は、小さな岩のこぶのようで、その海岸は人家で覆われ、港の堤防が岬の脇から大きく飛び出している。
ところが、五能線はそんなに海岸から離れていないのに、高度もないのでその様子はまったく確認できない。標高60メートルくらいの山が出っ張っていて、弁天崎はその下の海岸に突き出た岬だったらしいが、一帯は北金ケ沢の集落の続きでぎっしり人家が並んでいて、展望が利かないのである。
北金ケ沢の駅を過ぎて、海岸から少し離れて田園地帯に入ってから、やっと弁天崎の上の山だけは見えるようになる。
そのあたりからもう柳田で、そこからは海岸線は再び北へ向くので、深浦町の北端になる大戸瀬崎も、振り返れば遠くにその姿を現わす。そうして大戸瀬崎を遠望している間に、広かった深浦町もやっと抜けて、ここから先は鯵ケ沢町。
この付近ではいちばん大きな川を渡るが、これが赤石川である。この川は南に遡ると秋田県との県境に聳える二ツ森、真瀬岳、摩須賀岳など1,000メートル級の山々に源流を発し、その流域と県境までがすべて鯵ケ沢町なのである。
その西側は、深浦町との境をなす尾根で仕切られ、西の谷を流れる追良瀬川と、二本の深い谷が並行していることになる。赤石川の流域は、広く水田が展開しており、ある時期まではこの川もかなりの水量が流れる大河だったことを思わせる。
鯵ケ沢の出っ張りを越えてしばらくすると、五能線は海岸から離れて岩木山の北を木造、五所川原をめざして東へ向かう。
残された海岸は、日本地図のなかでも目立っている、心持ちしなっているがほぼ真っすぐな津軽半島の西海岸を描いている、その名も「七里長浜」になって北へ続いて…。
さらにそのずっと先には、北海道の渡島半島も見えて来る…。
ヨシ!イクゾウ! 明日は津軽平野、津軽半島へ!
▼国土地理院 「地理院地図」
40度45分23.31秒 140度5分18.89秒
東北地方(2010/06/29 訪問)
タグ:青森県
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