623 鳥居崎=西津軽郡深浦町大字風合瀬(青森県)地図と地名と駅のズレについて考える [岬めぐり]
「風合瀬」と書いて、「かそせ」と読む。塩見崎のある大字驫木(とどろき)が、わざわざむずかしい旧字を使っているのも、曰くありげだ。地名については、わからないことのほうが多いので、あまり深入りをしないことにしているが、なんとなく風雅である。
塩見崎を過ぎて、驫木から風合瀬に入り、また無名の出っ張りをひとつ通過すると、鳥居崎が現われる。
五能線がわずかに弧を描いて北上すると、まず大島と名のある岩の島が横たわるのが見えてきて、塔を乗せた丘が現われ、微妙にその景色が変わっていく。
やれやれ。ここでまた、気がついてしまったので、いささか脇道にそれるがこれもサブテーマであるから書いておかざるを得ない。毎度いちゃもんをつけているZENRINの地図データをソースにしている地図(ネット地図のほとんどがそうなってしまった)のいいかげんさを証明するひとつが、地名表示位置のでたらめが多いことである。ここでも、驫木と風合瀬の境界は、小さな川で仕切られているのだが、驫木のエリアである川の南側に、意味もなくズレて「風合瀬」と表示されていたりする。
無料奉仕でZENRINソース地図のモニターをしているようなものだが、なんとか改善のきっかけになればいいと思って続けているので、修正したら報告くらいしてほしいものだ。
鳥居崎も、丘の下の道路沿いに、そういう名前の集落がある。というより、国土地理院の地図ではそれしか表示がない。618 舮作崎のときと同様の例が、ここにもあった。
風合瀬のこの付近の山側は、一見すると扇状地のような特徴のある地形が広がる。半円を描く山裾に集落が連なり、そこから北西に向けて緩やかな傾斜地の田園地帯が流れるように展開しているのだ。斜面にはあちこちにたくさんの溜池が、国土地理院とAlpsMapの地図には表示されている。その先端が四角く張り出し、そのまま海岸の岩場に連結したところが、鳥居崎なのである。
岬の台地には、無線塔のような鉄塔がいくつかあって、五能線はその手前の溝を走り抜けるが、101号線は鉄塔の丘下の海岸をカクカクと四角を描くように回り込んで走る。沖には3つばかり比較的大きめの岩島があり、そのひとつ、灯台のある北の弁天島は、港湾施設の堤防と連結している。
五能線からは、張り出した台地の端を越えて、すぐにその景色が見えてくる。港の端にある岩場に、国土地理院以外の地図では「鳥居崎」の表記がある。
ついでながら、地名絡みでまた気がついたことがある。風合瀬の駅は、鳥居崎の南、なぜかぽつんと離れたところにある。ズレているのは、鳥居崎のような岬の名前だけではなかった。印象としてだが、五能線の駅には、そういう駅が多いように思われる。が、それにもまたそれぞれなにかワケがあるに違いない。
風合瀬の鯵ケ沢方面へ次の駅である大戸瀬(おおどせ)もそうなのだ。大戸瀬崎については、すでに書いているので前項でもリンクをつけたが、この岬の場合、大戸瀬の駅と大戸瀬崎の位置は、3キロ以上も離れているうえに、大戸瀬駅自体が、付近の中心集落である田野沢とも、1キロ以上離れた場所にある。
ついでのついでにここでふれておくと、大戸瀬(崎)の名は地名にはない。大戸瀬駅の前には、大きな岩礁だらけの海が広がる。大戸瀬は、その海を示す名前だったのだろう。ならばなおのこと、大戸瀬崎の名が、かなり離れた次の駅である千畳敷のところにあるのだろう。線路と海岸が接近しているここでは、高速で通過する車窓からはまたロクな写真が撮れなかった。
▼国土地理院 「地理院地図」
40度44分35.79秒 139度59分58.00秒
東北地方(2010/06/29 訪問)
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