577 矢代崎=小浜市矢代(福井県)「いのくま」か「いぬくま」かそれはたいした問題では… [岬めぐり]
阿納から海岸沿いに西を眺めれば、矢代崎という岬が見えている。さらにその向うには奈胡先という岬も半分重なって位置している。
このふたつの岬は、いずれも道も人家もまったくない。
カヌーと草刈りの出っ張り公園から少し歩くと、犬熊という集落があり、ここも海水浴場と漁港がある。いかにも由緒ありげな古い集落であることは、建物からもその名前からも想像できる。
「犬熊」は、普通に読めば「いぬくま」だろう。道路脇には、大きな看板が立っていて、それを強調している。だが、別のところには「いのくま」という表示もある。だが、そう読んでいる情報は少ない。国土地理院の地図では、阿納には「あの」とよみがなをふっているのに、犬熊のほうにはなにも読みの指示がない。
大きさは小浜湾の三分の一くらいしかないためなのか、東隣にあるこの湾には名前がついていない。この湾の沿岸には、10くらいの出っ張りがあるが、そのうち名前があるのは小鰡ノ鼻から黒崎まで数えて5つである。
名もあるのないのを含めて、それが岩でこの湾岸のでこぼこをつくり、それぞれが申し合わせたように、凹んだところにだけ、ちょっと砂浜があり、船溜まりがあり、数十戸の人家がそこにだけ固まっている。
改めて考えてみると、これもなかなかおもしろい風景ではある。
犬熊の東には、志積、その先には矢代、矢代崎はその矢代の集落を西風から守るように突き出ている。
大きな看板があった。南北が逆になっていて、海の上の空から見た俯瞰図になっているが、その絵図は湾の特徴をうまく描いていた。
ここでは、確かに「犬熊」には「いのくま」とルビがふってある。
▼国土地理院 「地理院地図」
35度31分56.83秒 135度48分17.17秒
北信越地方(2010/06/06 訪問)
タグ:福井県
コメント 0