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570 鋸崎=大飯郡おおい町大島(福井県)どう考えてみても若狭の原発はおおい [岬めぐり]

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 小浜湾を囲むもうひとつの岬、西の鋸崎は、隣町のおおい町になる。そこは、大島半島というタツノオトシゴのような形をした半島の先端であるが、一般には誰もそこへは行くことも近づくこともできない。
 なぜなら、そこは先端のすべてが、五つの発電設備をもつ福井県では最大規模の原発である関西電力の大飯原子力発電所になっているからである。
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 そこで、蘇洞門めぐり遊覧船からの遠望で、まずはOKとしなければならない。
 海の上では、常に微妙に靄がかかっているので、あまりはっきりとはしないが、原発の施設の先に、細長く飛び出している岬らしいものはわかる。けれども、その名の由来となっているノコギリとの関連まではわからない。
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 地図で想像すると、岩の崖に囲まれた細長いでこぼこが特徴的なのだろう。
 日本の原発は、平成20年11月現在で、北海道から九州まで全国17か所にあり、55基が稼動運転している。そのほかにも、建設中が3基、建設準備中が10基ある。総発電量では、その4分の1を原子力でまかなっているのが現状で、昨年のデータではそのうち福井県5か所13基の発電量は、約30パーセントを占めている。これで、福井県が福島県を抜いて、名実ともの日本一の原発県になる。
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 でんでんむしはへそまがりを自認してはいるが、それでも“原発は絶対反対”というふうには考えない。だが、後始末が自分でできないような欠陥システムを拡大していくことは、どこかでストップさせる必要がある。社会が高度に複雑になると、単純な善悪・白黒論ではカタがつかないことが増える。日常、身のまわりにあるたいていのものが、なんらかの危険性や有害性を内包しているのが普通で、世の中には危険でないものや物質は存在しない。それでも、それのメリットが必要と思えば、それをアタマから排除しようとはしないで、どこかで折り合いをつけて容認したり使ったりする以外に、選択の余地はないのである。
 要は、リスクマネジメントの問題でしかない。けれども、原発のいちばんの問題点は、そのリスクマネジメントと国民的合意と信頼を得る体制がまるでなっていないことで、逆に不信感を増幅させるようなことが、頻発していることだろう。
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 ただ、そのことについて充分な説明をして、ある程度の国民的な合意を形成したうえでやるのと、戦後半世紀以上政権を握ってきた多数与党が、ごまかしごまかし既成事実を積み重ねてきた結果としてこうなっているのとでは、まるっきり違うのである、ということだけは主張しておかなければならない。
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 福島県の原発が、太平洋岸に広大な面積を占めてドーンと三つばかりあるのに比べると、福井のそれはいずれも若狭という狭い限定された地域の近接した半島の先っちょを選んで五つも集中してあるのは、いささか普通ではない感じもする。半島の先っちょというのは、なるべく人目に付かないところに、ひっそりと、ということなのか。
 少なくとも、いざ事故があったときの周辺の安全性を考えて…というのであるならば、この程度の隔離状況では、なんの意味もないことだけは確かである。
 そういう意味でも、原発と自衛隊(それに米軍基地も?)は似ているところがある。たとえ迷惑施設でも、それがほんとうに必要なら、各地域が等しく負担すべきというのは、理想論ではなくて原則論である。
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 大島半島の遙かには、丹後加悦の大江山の山塊が流れ、そのずっと北寄りには丹後半島の先っちょがつながっている。その手前に見える小さな島影は、舞鶴市に属する大島・小島であろう。
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 船は、ひたすら小浜港をめざして進むが、その前には京都との境界線をつくる山並みが横たわる。

 追記:やはり、2011/03/11以降は、つぎつぎに起こるいろいろな状況をみて、“原発はとりあえず反対・廃炉へ”のほうがいいのではないかと思うようになった。

▼国土地理院 「地理院地図」
35度32分46.55秒 135度39分41.39秒
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dendenmushi.gif北信越地方(2010/06/05訪問)

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タグ:福井県
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