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426 愛宕鼻=阿久根市脇本(鹿児島県)どんなところにも土地に人あり歴史あり [岬めぐり]

 丸い寺島の向こうに脇本浜があり、その右の端に見えてくるのが愛宕鼻。そこからさらに白く伸びている線は、脇本海水浴場だ。この岬は10メートルほどの高度しかない、周りは岩礁に取り巻かれている出っ張り。
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 歩いているときには、地図もないのでわからなかったが、寺島のそばの入江があるところは、槝(かし)之浦東という字名がある。
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  そこから橋を渡って行くと人家が密集している馬場というところにやってきた。新田川という川のほとりに開けた平地で、実際に馬場があったのかも知れない。
 この町は、狭くて曲がりくねった一本の街道筋に沿って、家が連なって広がる。鄙にはありながら歴史の厚みのありそうな、西徳寺という古いお寺の山門が聳える。道路から急にせり上がっているので、なかなかの貫録である。
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 この山門はただの山門ではなく、よくみると二階建てになっていて、上は鐘楼になっている。かなり古いものかと思えば、これが案外なことに明治の終わりに着工し、大正になって完成したというから、逆に驚く。
 ただの通りすがりである。丹念に周辺を散策・探索したというわけではないので、その歴史もいわれもよくわからない。だが、番所ノ鼻という名が残っていることともあわせて、この周辺がかなり古くから人が集まってきていた場所であるのだろうという推測はしていた。現に、この少し先には6世紀頃と伝えられる脇本古墳群というのがあるらしい。
 それにしても、特に漁業が盛んというふうにも見えず、特産品の栽培や加工工場やなにかがあるわけでもなく、しかもそう大きな町でもなく、薩摩も中心からは遠くはずれた辺境に近いといってもいいこの場所である。そこで、明治から大正にかけても、こういう工事をなしとげるだけのさまざまな力が、この地域には充分にあったということで、そのことのほうがより意義深いものがありそうにも思えたのだ。(その時は、そう思ったのだが、後で考えてみると、これくらいは特別のことではなかったのかも知れぬ。)
 地図はなくても、だいたいの地形は頭にはいっているので、方角の見当をつけて、家の間を南に下って、脇本の海岸に出る。
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 ここは、南北に2.5キロも、長くて広い、きれいな砂の渚が続いている。これはなかなかに見事な砂浜だ。砂浜が広いので、波をかぶらない砂のところまでは、かなり距離がある。これではウミガメもたいへんだわ。愛宕鼻の東側の横顔が、その砂浜の北端を仕切っている。反対に、南のほうに目を転じれば、この阿久根に来ての最初の岬だった415の大崎が遠くに見える。
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 これから、阿久根駅に戻って、次に目指す岬は薩摩川内市。南北行ったり来たりの阿久根の岬めぐりはこれでおしまい…。
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 ここで、ちょっと逆戻りしてみて…。
 「樫」でもなく「橿」でもないが、確かに「槝」という字もある。なぜ、こんな字が使われているのだろう。それが気になりはじめると、調べてみずにはおられない。辞書で調べようとしてもわからないので、「槝」で検索すると「槝ノ浦」というページが見つかった。なるほど。やっぱり「わからない」ということがわかった。
 だが、このページは、この辺りのことについてかなり詳しく書いてある、唯一のページといってもいい。ページは単独で、ホームボタンもリンクボタンも戻るボタンもない。そこで、URLから階層を遡っていくと、これの元は「阿久根市脇本のホームページ」だというのがわかった。
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 このページには、阿久根市観光協会のページにはない情報もたくさんある。例の丸い寺島でさえも、例によって大胆不敵なZENRINの地図では完ぺきに無視されているが、これが外務卿寺島宗則の故郷のシンボルでもあったということを、初めて知った。(もうZENRINになってしまったMapionを見ることもないのだが、困ったことにSo-net buzzmapがZENRINなので、貼り付けるたびに気になってしまう。この寺島も、新Mapionでは縮尺も細かくなったので、あるいは修正されているのではないかと覗いてみたら、やはり全縮尺にわたって島は影も形もない。こういうのを地図と言っていいのだろうか。よくないと思う。ちょっと、しつこ過ぎる? はいはい、もうその話は止めてますから…。)
 なるほど、なるほど。土地に歴史ありで、「辺境に近い」などと、そのつもりはありませんが、もし失礼に聞こえたらごめんなさい、です。(管理人さんにメールを出して、リンクさせていただきましたので、興味が湧いた方は、ポタンを押してみてください。)
 槝の一字から、いろいろなことにつながっていったが、これはもちろん、帰ってきてこれを書く段になってからのこと。

▼国土地理院 「地理院地図」
32度4分29.84秒 130度11分43.41秒
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dendenmushi.gif九州地方(2009/03/17 訪問)

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タグ:鹿児島県
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