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330 呼崎=宮城郡松島町手樽(宮城県)松島湾の辺境で消えたのか?ふたつの小島の謎! [岬めぐり]

 人口15,000人ほどの宮城郡松島町は、南の双観山から北のこの呼崎付近まで、いわゆる観光地としての松島をすっぽりと取り込んだ町で、第三次産業に従事する人の割合が高い。仙石線が、最も海岸に接近して走るところがこの町の東端で、そこには5つの小さなコブのような出っ張りが連続して入江に突き出している。
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 だが、名前が付いているのは真ん中の呼崎だけである。それは、天王崎の北側に位置していて、その間には小さな島が2つあるように、地図では描かれている。またしてもZENRINの暴走かと思いきや、Mapionでも国土地理院のウオッちず、いずれの地図にも明記してある。
 ところが、見渡す限り、それらしいものがどこにもない。これはいったいどうしたことだろう。
 まず考えられることは、満潮で隠れていたということだが、潮の干満で沈んだり現れたりする岩礁程度なら、地図ではっきりした島の形に描くのがおかしい。
 また、船の航行などの邪魔になるので、浚渫してなくしたが、地図の修正がまだだということも、可能性としてないことはない。
 三番目の可能性は、この前の地震で沈んだ!? そんなこたあないだろう。もしあれば、大ニュースになっただろう。
 そして、もうひとつ、でんでんむしがその島を見落とした…? それもあり得ないとはいえないが、写真のどこにも写っていない。
 これはやはり、謎である。
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 呼崎付近にも、かきの養殖のための船や竹材があちこちに目立っていて、見ている間にも船が行き来している。
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 ここ松島湾で始まったのは江戸時代だそうだが、広島では室町時代にさかのぼるというから、こっちのほうが後発。けれども、関東で「かき」といえはどちらかというと最近では松島を含めた三陸産のほうが目立っているようだ。
 広島出身のでんでんむしには、抜き難い身贔屓があるのはしかたがない。宮城と広島について、かきだけでなくいろいろと張り合って比較をした 「牡蛎のちょっといい話!?・第7回「広島vs宮城」 という記事をみつけた。広島側のサイトで、「ともに切磋琢磨していこう」などと総理大臣が中国にいうみたいなことを言っているのだが、なかなか対比がおもしろいので、ついでに紹介しておこう。
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 天王崎のところで触れるべきだったが、松ヶ島と並んで月島・星島というおとぎ話でもありそうな名の小島がある。これらと、呼崎などの様子を眺めていると、どうしても思いはこうした地形ができることになった大規模な歴史的地盤沈降に向いてしまう。
 松島海岸からの遊覧船が回る島々も、塩釜市や奥松島市に属する複雑な形をした群島など、松島湾一帯の現在の風景は、そうした大変動によってできたものだ。芭蕉がいうように“大山祗の神が行なった仕業”ともいうべき景色は、「あるは二重にかさなり、三重に畳みて、左にわかれ右につらなる」と、いかにも船に乗って周遊しながら見た情景を示している。「江の中三里」というからには、九ノ島周辺だけでなく、野々島周辺までめぐったのだろうか。
 そうした松島湾全体でみれば、呼崎の周辺はあくまでも誰も注目しない辺境の一部に過ぎないが、地図を頼りにするでんでんむしの空想は、湾の至るところ、鳥の目からみたでこぼこのひとつひとつまで飛んでいき、それが気になってしかたがない。それは、切れ目もなく、辺境から中央へ次から次へとどこまでも広がっていく。

▼国土地理院 「地理院地図」
38度22分50.82秒 141度6分56.85秒
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dendenmushi.gif東北地方(2008/10/13 訪問)

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タグ:宮城県
きた!みた!印(4)  コメント(2)  トラックバック(0) 

きた!みた!印 4

コメント 2

knaito57

いつもながら精力的な探訪と記事に感嘆しています。とはいえ富山から宮城とは、拙者などには身体が捻れそうで頭がついていけない劇的変化ですなあ。
「消えた島の謎」について半日ほど考えてみたことを以下に列記します。
1 地図がまちがっている──なぜなら「現実は理論に優先」し「気象情報よりも現地の天候、地図よりも現地」のほうがつねに正しいのだから。
2 ワトスン君の視認地点による錯覚──「千住のお化け煙突」のようなトリックで二つの島が一つに見えたのでは。
3 これは「正直人間の目にしか見えない」ふしぎな島──失敬!
4 もしも逆だったら──つまり現実にある島が地図に載ってないとなれば貴殿は“発見者”。所有権を主張して好きに名前をつけられる。
5 それにしても──二三、地元の人に聞いてみたらまた違った説があったのではと、勝手な想像がひろがる。
 毎度の与太で失礼しました。
by knaito57 (2008-10-27 09:31) 

dendenmushi

@小さく四コマにまとめた写真の最初には、浅瀬が写っているのがわかりますか?
 これは、場所的にはずっと入江の奥まった、駅に近いところで、呼崎と天王崎の間ではないのです。
 だからまったく違うはずなのですが、こんな浅瀬があったことはおおいに考えられる。
 人に聞くのもそうなのですが、こういうところに行くとなかなか人にも合わないのです。
by dendenmushi (2008-10-28 08:14) 

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