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329 天王崎=宮城郡松島町手樽(宮城県)(被災前の)仙石線に乗って松島湾へ [岬めぐり]

 松島は、何度か観光客としてやってきていたが、あまりたいした印象がない。遊覧船にも乗る気がせず、あまり真面目で素直な観光客ではなかったので、論評する資格はないが、芭蕉も実は松島では句を残してはいないし、多島海の景色は比較的見慣れているということもあった。
 ちょうど連休で、お天気もよかったこの日は、松島へ行く観光客で仙石線の電車も混んでいたが、大半の客が降りた松島海岸から先は、急に車内もがらんとした。観光客が大勢うろうろしている松島海岸周辺には、岬がまったくないので、そこを素通りして、まずは陸前富山までやってきた。
tennouzaki01.gif そこから、名もない入り江に沿って南東方向へ2キロも歩けば、その行き止まりが天王崎という岬になる。突端は埋め立てられた岸壁があるが、その高さは低いので、家族連れなど多くの人が並んで釣り竿を出している。
 その向う、松などの林を被ったこじんまりした丘がある。神社のところまで登ってみたが、思ったほどには見晴しがよくないので、さらに落葉でふかふかした細い道を木とクモの巣を払いながら行くと、太い松の木が朽ちかけて、倒木更新が進んでいる。
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tennouzaki05.gif そこから見える入江は、とても静かでその入口のあたりには松ヶ島という小島がある。丘自体が小さくて低いので、ここからもそう眺めがいいとはいえない。だが、そんなことには、こだわってはいない。こだわる必要もない。
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 どんなところを歩いていても、それ全体が大きな景色の眺めであり、常にその中に抱かれているのだ。
 複雑に海岸線が入り組んだ松島湾の場合はとくに、どこを歩いていても、一歩二歩と歩を進めるたびに、見える景色が変わっていく。
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 天王崎のある集落は名籠で、名籠の漁港はかきの養殖関係の基地になっているらしい。長い古い竹竿が、山のようになっていたり、立て掛けてあったりする。
 仙石線は、今では仙台のひとつ先青葉通りという駅が始発になっていて、市街地は地下を走っている。いつかは、またこの線に乗って、石巻や女川に行かなければならないが、今回はまず三陸リアス式海岸の岬めぐりの手始めに、松島湾の岬を訪ねておくことにしたのだ。
 近頃の電車は、広告をいっぱいくっつけて走るのも多いが、たまたま乗った電車にもなにやら絵が車体いっぱいに描かれていて、車内にもなにかマンガに因んだ掲示などがある。後で知ったところでは、多賀城というところがマンガの『ガロ』に縁のあるところだということらしい。
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 この電車を降りた陸前富山の駅も、他の多くの駅と同じ無人駅だが、宮城県はJR東日本の管轄なので、ホーム入口のことろにタッチパネルが設置してあってスイカが使える。
 その駅から、もう天王崎は見えていた。
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▼国土地理院 「地理院地図」
38度22分35.74秒 141度6分56.15秒
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dendenmushi.gif東北地方(2008/10/13 訪問)

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タグ:宮城県
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