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308 竹ヶ端=福山市水呑町(広島県)草戸千軒を呑んで流れる芦田川の端(はな)には [岬めぐり]

 一般に分水嶺というのは、県境などを境として分かれることが多いが、広島東部の山間地においては、多少事情が違っている。
 福山駅から北西に30キロほど入った府中市の北部あたりから、川はもう日本海を目指して流れていく。そこは、広島県の東部のほぼ真ん中辺りで、県境の山よりもはるか南だ。そして、そこから南に向かっては、芦田湖というダム湖から、福塩線の線路に沿うように蛇行しながら芦田川が流れている。
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 その、芦田川の右岸の突端が、竹ヶ端という岬である。芦田川も下流ではなかなか堂々として大河の雰囲気を備えていて、河口も大きく広く瀬戸の海に向かって開けている。岬の手前には、小さな漁港をもつ竹ヶ端という集落があり、竹ヶ端運動公園など、いくつかその名が記されているが、これは「たけがはし」ではなく「たけがはな」と読む。
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 つまり岬の名も、通常のルールに従えば「竹ヶ鼻」というところを、ここではなにか訳あって「端」という字をあてることになった、とも推測できる。国土地理院の電子国土の地図では、ここの表示がなぜか「竹」の一文字だけになっている。これも呉港の時と同じ変換ミスなのだろうか。(現在の地図は修正されている)
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 河口には、河口大橋という500メートルほどの橋が架かっているが、これは潮止め堤防である河口堰の上にできた橋である。橋を渡って見るほうが、人を寄せつけない竹ヶ端の威容はよくわかる。
 福山駅前に降りたとき、駅前に立つ平櫛田中作という岡倉天心の銅像の写真を撮るつもりだったが、なにやら大工事中であり、その気もなくした。これは同じものが五浦にもあったから、まあいい。この駅前の工事、前回きた時にもやっていたのに、まだやっている。石垣かなんかが出たというので、またもめているんだろうか。
 竹ヶ端までは、駅前からバスに乗るが、その工事で乗場がよくわからない。人に聞いてやっとわかった。竹ヶ端というのは字名で、住居表示では福山市水呑町が、芦田川右岸に細長く延び、その上流が草戸町になる。
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 今回は、草戸千軒の展示がある博物館へ寄るヒマがなかったが、前回に見たので、これもまあいい。草戸町の付近の雰囲気は、なんとか目にすることができた。この遺跡の多くは、川の中から発掘されている。川の中に埋もれていると、木は腐らない。この中世遺跡は、なかなか見ごたえがある。
 佃の住吉神社の大祭があった今年は、堀の中に沈めてあった柱を堀り出して大きな幟を立てた。祭りが終わるとまたその柱は、水の中に沈められる。そういうことを何百年も繰り返している。
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 昔の人間の知恵というのは、すごいものがあると、ときどき思い、人は進歩しているのかどうかさえ、疑わしくなることさえある。…と、そこまでいうとウソッぽくもなるのだが、ふとそんな気になることがあるのは事実である。
 竹ヶ端は、広島県の最東端の岬になる。この東の沖につき出しているはずの岬は、岡山県になる。島嶼部を除いて、広島県はいちおうこれで終わりということになる。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度25分44.08秒 133度24分25.52秒
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dendenmushi.gif中国地方(2008/07/15 訪問)

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タグ:広島県
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