186 鵜の岬=日立市十王町伊師(茨城県)う・鵜・ウ…のうかいのうもうのみさき [岬めぐり]
一日の違いで、天気はがらりと変わってしまう。日立のホテルを出て先に神峰公園へ行き、そこまではなんとか持ちこたえていたが、高萩行きのバスが国道6号線を走る頃には、前日の霞ヶ浦がうそのような大雨になった。
この前来たばかりの日立に、またやってきたのは、十王の伊師浜にある鵜の岬へ行くためである。十王の駅がまた山よりに引っ込んでいるので,日立からこの6号線をバスに乗って、途中国民宿舎があるあたりで降りるのが最善と思われた。
「国民宿舎前」というバス停で降りたときは土砂降りで、おまけにこのバス停が「前」どころか「横」でもなく、大幅にはずれたところで降ろされて,雨の中なんとか苦労しつつ、伊師浜へ出て岬に辿り着いた。
実は、「でんでんむしの岬めぐり」の定義を厳密に適用すれば、ここにはわざにこなくてもよかった。地図上には「鵜の岬」という岬名は表示されていないからである。しかし、ここは、まさしく立派な岬であるうえに、そこには「国民宿舎鵜の岬」という表示がしっかりとある。
それともうひとつ。ここらにはその名に「鵜」のつく岬が、やたら多いのである。つまり「鵜」ついでの行きがけの駄賃みたいなもんだ。
で、なんで「鵜」のつく岬が多いのか。それは、いうまでもなく「鵜」が多いからである。
北茨城の海岸一帯には、ウミウの生息地として有名なのだ。とくにこの鵜の岬にも生息地があり,なんでも日本でただ一人だか数少ないか、そこには鵜狩りの名人がいるのだという。
そして、とらえた鵜をどうするかといえば,長良川などの鵜飼をやっているところに送るのだそうだ。前に日立へ来たときに乗ったタクシーの運転手さんが教えてくれたし、いわきの運転手さんも同じようなことをいっていたから、この辺りではちょっとした“プチ自慢”なのだろう。
いわきの竜宮岬にあったハマギクが、ここでも崖に白い花を咲かせているが、岬は雨の中で充分楽しめなかった。ほんとは、この国民宿舎に一泊し、ゆっくりしたいところだ。泊まるならここ。そう思って、調べてみたら、なんとずっと満室で予約できなかったのだ。なんでも、ここは人気の国民宿舎で、かなり前から申し込まないといけないらしい。
雨の中を歩いているときには気がつかなかったが、写真を整理していると、波間に黒いものがいくつも浮かんでいる。別の写真を見ると、そこには波が寄せているだけ…。あれ、これがもしかして、ウ?
36度39分49.30秒 140度42分58.11秒
関東地方(2007/10/26 訪問)
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