SSブログ

137 大崎鼻=速見郡日出町大字大神(大分県)地獄で仏?別府湾・日出 [岬めぐり]

 “別府湾ロイヤルホテル”は、苦心の命名なのであろう。最寄駅はJR日豊本線の豊後豊岡だが、特急が停まる駅は南隣の亀川である。そっちのほうに数百メートルも行けば別府市なのだが、惜しいかなここの所在地は大分県速見郡日出町である。「日出」を「ひじ」と読める人も少ないし、どこにあるかわかる人はもっと少ない。それではホテルの名前には使えない。
 千葉県浦安市なのに、臆面もなく実に堂々と“東京”を名乗っている遊園地もあるから、そんなこたあどうでもエエンじゃというむきもあろうが、そうはイカンざき(日曜夜の開票速報見てて、そう思ったよ)。ロイヤルホテルに倣って、あそこも「東京湾…」と改名すべきなのだ。
 台風4号は、スピードが遅い分、暴風圏に入るとながく続くし、大型なので鹿児島に上陸する前から風雨が強まってきた。

 ホテルの窓から、別府湾を眺めれば、フェリーなど数席の船が嵐を避けるため停泊している。この写真ではそれほどでもないが、この後白浪が立ってきた。この左手に見えているのが、同じ日出町にある大崎鼻となる。その向こうには鵜糞鼻という、いかにもきれいではない岬もあるのだが、それは大崎鼻の陰になる。
 ここからは、東南東側、湾の正面をみれば佐賀関半島があり、夜には嵐にもかかわらず、大分のコンビナートの灯がよく見えた。南側には、国道10号線が別府に向かって延びている。

 台風がこなければ、国東半島の石仏と岬めぐりにでかけるつもりだった。その前に、“地獄めぐり”をちょっと覗いてみるのもいい、と思っていた。なにしろ、自分ではっきりと自覚できる範囲では、最初に旅行らしい旅行をしたのが小学校の修学旅行で、その行先が「別府」だった。“地獄めぐり”の印象は、かなり強烈だったので、今でも海地獄の青さや坊主地獄のポコポコ吹き出すさまが、はっきりと記憶に残っている。その地獄はここから数キロ先である。

 しかし、翌朝の風雨もこう強烈では、でかけることはむずかしい。大崎鼻の姿ももう見えない。
 8台も停まっていた観光バスが、一見すると日本人のように見えるのにしゃべる言葉が違う団体客を乗せて、嵐を突いて次々出て行くのを見送り、ゆっくりと温泉に入って、それからとにかく地獄めぐりも岬めぐりもやめて、北九州へ向かうことにした。帰りの飛行機は、割引のある北九州空港からの便をとっていた。
 フロントで聞くと、日豊本線は動いているというので、とにかく各停で行けるとこまで行って、また次の特急に乗り換えればいいと、豊後豊岡駅までタクシーで向かった。雨はざあざあと音を立ててなだれ込み、小さな駅の前は池になっている。
 駅には一人だけの駅員のおじさんがいて、タクシーで飛び込んできた客を見て気の毒そうにいう。
 「ロイヤルからですか。たったいま、日豊本線は不通になったんですよ。次の各停は運転休止で運転の見込みはたっていませんね。どちらまで? そうですか、ちょっと待ってくださいね、ひょっとしたらソニックでまだ画面から消えていないのがあるので、これだけ生きているかもしれない。」
 なかなか親切な、そのおじさんは、短い間にテキパキと端末画面と電話を操りながら、その合間には自分が転勤でこの駅で勤務を始めたこと、今日がはじめての勤務であることまで話してくれた。
 唯一“生きている”ソニックは大分駅に停まっているので、亀川まで行けばそれに間に合うかもしれない、といってタクシーまで呼んでくれた。そのおじさんのおかげで、なんとか亀川から遅れながらも走っている特急ソニックに乗ることができた。

 ソニックが小倉駅に着くと、駅のアナウンスは日豊本線の全線不通をしきりに告げていた。豊後豊岡駅のあのおじさんがいなかったら、どうなっていたのだろう。

▼国土地理院 「地理院地図」
33度20分46.50秒 131度35分10.91秒
137おおさきはな-37.jpg
dendenmushi.gif九州地方(2007/07/14 訪問)

@このブログは、ヘッダー、サイドバーをも含めた、全画面表示でみることを大前提としています。

にほんブログ村 その他趣味ブログ
その他珍しい趣味へ 人気ブログランキングへ

タグ:大分県
きた!みた!印(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

きた!みた!印 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました