046 州崎=館山市洲崎(千葉県)相模灘に突き出した房総最西端の岬はこじんまりとした白い灯台が [岬めぐり]
表示はしてなくても、“すのさき”と「の」を入れて読むのが正しいのだろう。地理院地図では表示は「洲崎」で読みがなは“すの”がついている。付近の神社やホテルなどは“洲の崎”といっている。
房総半島の最南端は野島崎で、そこは白浜町だが、西へカギのように爪が西へ伸びていて、その先端の岬があるここは館山市である。洲崎と野島崎を結ぶのが“房総フラワーライン”で、赤い瓦屋根に白い壁という高級イメージが売りの“アクシオン”というホテルやゴルフ場などが並ぶその一角に“南房パラダイス”という観光施設もある。観光という人を呼び寄せることが基本的に必要な事業で盛んに使われるカタカナは、ときに日常や自分の暮らしと強烈な違和感を感じることも多い。
何度かこの道を行き来して、なにがアクシオン(仮説粒子?)か、どこがパラダイスかと思うが、そういう気持ちを抑えてくれるのは、まっすぐな海岸の道の両側を彩る四季の花々である。
洲崎には、歩いてやってくる人はもちろん、車もわざわざ入ってこない。道も狭く、入ったら最後Uターンもできない。駐車場も畑をつぶしてたまに紛れ込んでくる車を相手にしたほうが儲かるべ、というのが入り口近くに一つあるきりで、ほかに民家の庭先を適宜駐車場にしているのがあるが、店などもなにもない小さな集落だ。
丘の上の灯台が、これまたごみかご以外よけいなものがなんにもなくて、実にこじんまりと形よくまとまっているのが、なんとなくうれしい岬である。あまり展望が利くという高さと地形ではないが、ここにちょっと高い踏み台でもつくってくれたら、もう少し海がよく見えるのに…と思うが、そういうことにもいっさい無頓着なさまもいっそいさぎよい。
矢竹などの薮に覆われた間に、細い道があるので、ここを先に進むと、猫の額ほどの小さな畑がある。おお、これはどこかでみた景色ではないか。薩摩半島の野間岬でも最西端の小さな畑で行き止まりになった。
房総の民家や畑や道が、先端の延びるとこまで延びきって、海からの強い風からも矢竹の高い薮が、それらを守っている。決してパラダイスなどではないが、ここにも確かな生活はある。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度58分35.88秒 139度45分24.79秒
関東地方(2006/07/15 訪問)
メッセージに今日気がつきまして
さっそくお邪魔しました。
先だって長崎県の最後の有人灯台が機械化されるという話題を
TVで取り上げてましたね
暗い海の上から見る灯台の明かりは、ホッとするものが
あるんでしょうね、、、と灯台守の方が話してらっしゃいました
なんだかそういう(灯台の明かりのような)人になれればいいなと
人に言うとこっぱずかしいですが、そんな事思いました(笑)
by reiko (2006-12-02 20:49)
@reikoさん、こういう形ででんでんむしのブログ行脚は続いております、というわけなのです。
そう、その最後の灯台守のニュースがあったときにアップしていたのが、関崎=佐賀関の項目でした。わたしもとても灯台の灯のような人間にはなれないですね。(笑)
でも、人間誰だってそれぞれにいろんな思いがあるわけで、テレビドラマにかこつけて、ちょっと岬めぐりのこじつけもやっておきました。
これも、ちょっとこっぱずかしいですが。
by dendenmushi (2006-12-03 10:08)