023 松崎ヶ鼻=枕崎市火之神町(鹿児島県)“最南端の駅到達証明書”がもらえる枕崎で立神が立つ漁港の西 [岬めぐり]
枕崎という地名も、室戸と同じく台風で記憶された。初めて訪れた枕崎はカツオ漁で有名なところで、かつては日本一の水揚げもあったはずだが、今は日本一とは言っていないようだ。西の松崎ヶ鼻と東の赤崩鼻(岬を鼻というのは瀬戸内海だけではなかった)二つのゆるやかな出っ張りに大きく抱え込まれるような湾の奥に枕崎港と枕崎の町がある。
松崎ヶ鼻の突端の山は、山立神と呼ばれているので、これが港を目指す船の目印になったものだろう。沖の船が自分の位置をみるのに陸の目印二つを指標にする山立てという方法があるが、その下に屹立する立神という灯台のような、自由の女神のような岩は、ここのシンボルである。
今では499トン(500トンでないところがなにかの制限にかからないように配慮したものとみえる)のカツオ船五隻が、ここ枕崎港に籍をおいている。それが多いのか少ないのかよくわからないが、こういう大きい船ではかなりの遠洋にもでかけるのだろう。
遠く開聞岳も望む漁港の食堂でカツオ定食をいただいてから、町をぶらぶらするが、この頃どこへ行っても感じる一抹の侘びしさは、こここでも同じだ。メインストリートらしい商店街も静かだ。
花渡川と書いて「けどかわ」と読む。この川の右岸には、酒造会社の蔵があって、下戸のでんでんむしでも知っている有名な焼酎の名が掲げてある。
最南端の駅は、外から見るとまともに見えるが、中に入るとそうとうキテいるのがわかる。それでも売店だけはあって、そこで“最南端の駅到達証明書”をもらう。その写真を入れようかと思ったが、それをやるとテッチャンみたいになるので、やめておこう。
だが、これで最北端、最東端、最西端、そして最南端と、はじっこの駅はとりあえず網羅したことになる。沖縄にモノレールができたから、もう最南端の駅ではないという説もあるが、いいじゃないのJR最南端で。
昨日、地蔵崎のところにコメントをつけていただき、全部読んだといってくださったとも〜るさんも、最果てに魅かれる岬めぐり同好の士であるらしい。そのホームページにお邪魔してみると、灯台の写真がたくさんある。そこに設けられたリンク集を見ると、どうやら“灯台マニア”というのかどうか、そういう人のサイトもたくさんある。
でんでんむしの岬めぐりは、とくに灯台にこだわるわけではないが、またこれらもゆっくり拝見してみたい。
▼国土地理院 「地理院地図」
31度15分14.83秒 130度16分55.18秒
九州地方(2005/09/19 訪問)
行ったこともないのに枕崎が何となく懐かしいのは、昔むかし「南南西の風、風力3」とかやっていたラジオの気象通報?で覚えたせいか。“鼻”という呼び方が各地にあるのは、地元民の素朴な発想をうかがわせて楽しいですね。
by knaito57 (2006-11-07 09:43)