1486 エントモ岬=伊達市南有珠町(北海道)バスからでは見られなかった岬を帰りがけの室蘭本線の車窓から [岬めぐり]
雨上がりの北大の構内を散歩した後、札幌から函館北斗まで戻って、新幹線で帰路につく。そのためには、千歳線で苫小牧まで行き、苫小牧から長万部まで室蘭本線、長万部から函館北斗までは函館本線を走ることになるが、もちろん路線名が変わるだけで列車を乗り換える必要はない。
今回、いまさらながら実感として確認できたのは、下り室蘭本線は苫小牧で終わりではなく、千歳線の東を夕張寄りの線路が岩見沢へとつながっていることだ。
毎度おなじみのスーパー北斗は、札幌=函館をつなぐエースだが、これがいつも混雑がひどいので、早めに手配して上りの進行方向左側の指定席をとっておいた。というのも、往路では夜に通ったので、復路には噴火湾岸の岬の落ち穂拾いもしておかなければならないからだ。
前に来た室蘭本線の沿線では、チキュウ岬も雨と霧の中だったが、茶津崎もイコリ岬も雨のなんだかさっぱりわからない写真で項目をつくっていた。チキュウ岬はなかなか不便で、簡単にちょと寄り道ということができなかったが、そういうところも車窓から再確認しておきたい。
それから、2011年にこのルートを歩いたときには、雨の中をバスで有珠まで行き、そこから傘をさしてかなり歩いてアルトリ岬とエントモ岬が見える砂浜の海岸に出た。そのときの記録が、
689 アルトリ岬=伊達市南有珠町(北海道)バスに乗ったらエントモ岬を飛ばしてしまって雨のキャンプ場へ
なのだが、写真はエントモ岬も多いのに項目が独立していないという変なことになっていた。そこで、エントモ岬の項目をまず新たに立てる必要があった。前回はバスで飛ばしてしまっていたのを、今回は室蘭本線の車窓からちゃんと見ておこう。
まず、蘭法華岬の登別を過ぎ、鷲別岬の鷲別、イタンキ岬の東室蘭を過ぎ、黄金駅・稀府(まれっぷ)駅の付近ではぐっと海岸が近くなる。タンカーのような船や海中作業用の浮きドックのような台船が何台も係留してある。気になったのは船に掲げられていた「特別管理物件」という大きな表示。
列車は噴火湾岸を北上し始める。伊達紋別を過ぎると、室蘭本線の線路は長流(おさる)川の河口を避けていったん海岸から離れ、伊達市長和の火力発電所の煙突が見えるころからまた海に寄っていく。その向こうに、エントモ岬が現れる。
あまり上等なお天気とも言えないが、前回よりはだいぶマシであろう。このエントモ岬から北北東6.4キロには標高733メートルの有珠山があり、そこから山裾が延びて低い丘となって海に届く。その先がエントモ岬なのだ。
エントモ岬も数千年前の有珠山の大噴火によって崩壊し、南に流れ下った溶岩台地の先端なのではあろうが、伊達市大平町から若生(わっかおい)町にかけての台地は、かなりデコボコで複雑な地形をなしている。そこには豊富な湧き水もあり、遺跡もあり、縄文以来人々の暮らしを育んできたようだ。
線路は、この岬を上り下りの分がれたトンネルで、くぐり抜けている。
有珠山とその東にある昭和新山398メートル、それに洞爺湖は、以前に訪れたことがある。1900年代に三度も噴火し、2000(平成12)年にも大噴火して被害を出している有珠山周辺では、その後の復興整備とともにジオパーク構想が進み、ビジターセンターや散策路などもできているようなので、そこもいちおう計画に入れようとはしてみたのだが…。
昭和新山も昔の教科書で知って以来だが、田畑が盛り上がって山ができたという話に、妙な感動をした記憶はなぜかまだ新しい。
▼国土地理院 「地理院地図」
42度29分27.46秒 140度48分27.61秒
北海道地方(2017/07/04 訪問)
タグ:北海道
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