1487 茶津崎2=虻田郡豊浦町字大岸・字礼文華(北海道)カムイチャシ「神の砦」の岬こんどはちゃんと見えた [岬めぐり]
室蘭のチキウ岬と鹿部の出来澗崎を結ぶと、地図上に南南西方向の斜線が引ける。その距離およそ30.4キロ。これが内浦湾(噴火湾)の湾口になる。
丸いというより横から見たリンゴのような形をしたこの湾については、
691茶津崎=虻田郡豊浦町字大岸・字礼文華(北海道)噴火湾は実は噴火でできた湾ではないのだよ
の項で述べている。
ただ、このときは激しい雨の中だったので、比較的線路から近い岬なのに、写真はほとんどなにも写っていない状態だった。
そこで、今回は「茶津崎2」として、こんな岬でしたよ〜という写真をなんとか掲げることができた。
2.7キロもある大岸トンネルは長い砂浜の間に、崖の山が張り出しているところで、そこを室蘭本線はトンネルで突き抜けている。こういう形は、実は噴火湾の北岸では目立っている。大岸というのも字面のイメージは決して砂浜ではなく、ゴツゴツといかつい崖の切り立った海岸の雰囲気を伝える地名なのではないか。
ぽつんと飛び出した小さなコブのような岬は、視界さえきけば室蘭本線の上りが大岸駅を過ぎた頃から、その車窓からも余裕で眺められる。だんだんと近寄るにつれて、岬の周囲が高さ20メートルくらいの断崖でできていることがわかる。この岬は、幅もそう太くはなく、短いトンネルであっという間に抜けてしまう。
トンネルといえば、東から鉄道のトンネルの入口には「新達古武」の文字が…。これがこのトンネルの名前だろう。「タプコプ=盛り上がった形の丘」に漢字を当てたものだろう。やはり、こういう突出した地形や風景というのは、必ず注目を集め、名前がつき、有効活用できないか、と考えるのだろう。
ここを通る道路のほうは、道道609号線でカムイチャシトンネルが通っている。「チャシ=砦」が「チャツ=茶津」になったものだろうか。ここもアイヌの砦跡だったのだ。このような岬の自然地形を城や砦に利用することは、北海道にも多いが本州各地でもみられることなのだ。(ただ、シャチには宗教的な祭祀の場所、神域であるというものもある。)
その名も「チャシコツ崎」という岬も斜里町にあった。
1163 チャシコツ崎=斜里郡斜里町ウトロ西(北海道)“チャシ”の“コツ”だからこの名前になりました(わかりやすい!)
そこでも書いていたが、「コツ=跡」なので、コツをつけることで跡を強調している。ここではそれは省略しているようだ。
道道トンネルの入口のもうひとつ海寄りにも、今は閉鎖された旧トンネルのような跡も見える。
トンネルを抜けると、岬周辺の海岸や岬の上も、きれいに整備された公園になっているようで、そこら一帯を「カムイチャシ史跡公園」というらしい。ここは虻田郡豊浦町で、公園も町が整備を進めたのだろう。
岬の東半分は大岸、西半分は礼文華と字地名が変わる。史跡公園は主に西側に広がっているが、車窓から見ると、植栽が枯れているのが気になる。この木々の間には、ここを訪れた文人の碑を集めた豊浦文学碑公園もあるという。
ここまでは、室蘭のチキウ岬から始まる噴火湾岸の岬を東から順に並べると、伊達市南有珠町のエントモ岬とアルトリ岬、豊浦町字海岸町のべべシレト岬、そしてこの茶津崎となる。
茶津崎を過ぎると、またトンネルでそこは礼文浜トンネル。そこを抜けると次のイコリ岬…。
▼国土地理院 「地理院地図」
42度34分43.71秒 140度37分12.77秒
北海道地方(2017/07/04 訪問)
タグ:北海道
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