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1485 ゴメ岬=苫前郡羽幌町大字天売(北海道)もともとはゴメが鳴くからゴメ岬だったのだろうけれども… [岬めぐり]

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 要するに「覚悟」が足りなかったセイだ。誰のセイでもない。自分が悪いのだが、ちゃんと目的をはっきりとさせて、ひたすら行動すべきだったのに、つい事前の計画の確認を怠って、なんとなく港の北のゴメ岬のほうへ歩き出してしまっていた。
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 船が天売港に着いたら、一目散に南の坂道を登り、焼尻島を見ながら島を横切って北西海岸の観音崎を目指すべきだった…のかもしれない。
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 一方では、ゴメ岬から西へは道はなさそうだが、それでも回り込めば、あるいは破線の灯台へ登る道を行けば、観音崎も見えるのではないか、そう思えたのだ。ちょっとした判断ミスというのは、そういうことだ。
 ゴメ岬に近寄って行くと、斜面に鉄製の階段が白く見える。あれを登っていけばいいのだ…。ところが、うろうろして探してみたが、どうやってもそれに取りつくことができない。
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 家の裏まで入って、なんとか近づいたと思ったら、なんとその階段は治山施設管理用のもので、「灯台や展望台には行くことはできません」と小さな掲示があるのを見つけてしまった。こういうのって、親切なような不親切である。
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 では岬の先端から…。これも行き止まりで道がない。やれやれ。
 「ゴメが鳴くからニシンがくるとぉ~…」という歌の文句もあるが、ゴメというのは一般に北海道ではカモメのことをいう。ところが、この作詞家は「海猫」と書いて「ゴメ」と歌わせた。そこで、ゴメというのはウミネコのことだという理解が一般に広まって、ネット情報でもそう断定しているものが多いようだ。なんとか知恵袋では「ゴメは「うみねこ」のことです。」というのがベストアンサーになっている。
 しかし、そう断定するのは、やはり間違いであろう。青森や北海道で普通に言われるゴメは、やはりカモメとその仲間のことを総称してそう呼んでいるのではないか。ウミネコが多い地域ではそれをそう呼んだかもしれないが、なにもウミネコに限定するものではない。広くカモメの仲間のひとつにウミネコもいるということだろう。したがって、ゴメと呼ばれるときにウミネコも含まれることもあるが、ゴメ=ウミネコではない。
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 カモメはいなかったが、岬の岩場岩島は、たくさんの黒い鳥のたくさんの白いフンが岩を塗っている。
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 ブロックを積み上げた防波堤の内側を、その群れから離れた一羽がヨタヨタと歩いている。
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 なんだか、歩き方がおかしいようだし、近寄っても飛び立てない。ケガでもしているのだろうか。それをブロックの上から数羽のカラスがガアガアいいながら狙っている。かわいそうだが、この様子ではいずれカラスにやられてしまうだろうが、厳しい自然の掟はどうしてやることもできない…。
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 ネコ条例をつくった羽幌町には、カラス条例はないのだろうか。
 ゴメ岬を占拠しているこの海鳥は、なんという鳥なのだろうか。残念ながらオロロン鳥ではない。オロロン鳥(ウミガラス)はペンギンのように胸が白いが、これはまだらだ。どうやらウミウのようだ。
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 天売島で繁殖している海鳥には、オロロン鳥やウトウ、ケマフリ、ウミウ、オオセグロカモメなどがいると、港のフェリーターミナルには剥製をいくつか展示してあった。
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 ターミナルの入口でも、オロロンオロロンと…。
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 ウミウのゴメ岬は、岩場の出っ張りとそれに続いて沖へ延びる岩島からなり、先端の岩島には灯標識が立てられている。
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 現在の地理院地図では、海中の岩礁の表示が縦長に示されているだけだが、1970年代の航空写真を見ると、その付近がちゃんとした小島になっていたのがわかる。ここ数十年の間に、ゴメ岬の島は海中に沈んでしまったようだ。
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 ゴメ岬を占拠しているのはどうもウミウらしい、というのはでんでんむしのシロウト判断だけれども、ゴメのなかにウミウも含まれるんだろうか。
 チドリ目カモメ科カモメ属に分類されるカモメ科の鳥の仲間にも、いくつかあるようでそれはそれでけっこう複雑なようだが、アジサシ属が中心で、その端っこにカモメ亜科のカモメ属があり、ウミネコはそのなかに分類されている。つまり、ウミネコはかろうじてカモメの仲間としてゴメに含まれる。
 けれども、ペリカン目ウ科ウ属のウミウは目からして別なので含まれない、ということになる。となると、ゴメ岬は実はゴメ岬ではなくなっている、ということか。
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 観音崎は残ってしまったけれども、いちおうこれで北海道西海岸はおしまい。オロロンラインのオロロン2号に乗って帰ります。
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▼国土地理院 「地理院地図」
44度26分31.83秒 141度19分35.88秒
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dendenmushi.gif北海道地方(2017/07/03 訪問)
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タグ:北海道
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