1177 白崎=釜石市釜石第1地割(岩手県)“両石”は“ふたつの石”ではないかという仮説は果たしてあたっているのかどうか? [岬めぐり]

町や湾の名前になっている“両石(りょういし)”というのは、“石”がふたつあることを示しているのだろうが、そのひとつが“釜石”の“石”であることは、容易に想像がつく。では、あとひとつはどこの“石”なのだろう。ところが、どうも付近にはそれらしいのがない。
“石巻”まで石を探しに行くのは遠過ぎて意味をなさない。どうやら、この仮説は早とちりであったか…。

地名の多くがアイヌ語源とされるのは、なにも北海道だけに限らない。一説としてという注意書き付きだが、「釜石」も「カマ・ウシ・イ=干し竿がたくさんある場所」とか、「両石」も「リヤ・ウシ・ィ=いつも越冬する場所」とする解釈もある。
そうだとすると、漢字は適当に当てはめたもので、その意味を追求しようとしても意味がなくなる。

だが、地図を眺めていると、両石湾奥にはふたつの谷が対照してあることに気がつく。やっぱり“両”には意味があるんではなかろうか、そんなふうにも思えてくる。
北の両石漁港のほうの谷よりも、南の水海(みずうみ)のほうが若干川が大きく流域も平地も広いようだ。水海川は奥もあって、旧山田線の線路はここから川沿いに谷を詰めて行っていた。そこには「おなっぺ=女遊部」といういかにもアイヌ語らしい小字地名も残っている。

水海川の河口には、水門がある。当然、それも完全に被災していて、周囲では復興工事が続いている。

この右岸山沿いにあるだろう道を行けば、水海公園というところがある。そこが、当初両石湾北岸のオイデ崎などの岬を見るポイントと考えていたが、そこから3.4キロも東南東にふれる白崎は、陰になって見えない。
両石湾南岸の岬は、今度は北の両石漁港からのほうから見えるはずである。

しかし、これもビミョウだったなあ。
途中に松島の出っ張りがあって、白崎の出っ張りを圧倒している。その陰で見えるか見えないか…。白崎。

白崎の北には、ぽこぽこと小さな岩礁が散らばっていて、その大きいのには鳥糞岩という名が地図にも示されている。むき出しの名前だが、海鳥が集る場所なのだろう。

その鳥糞岩は見えるので、その右手が白崎だということになる。
前項でとりあえず釜石半島と呼ぶことにしたこの半島の北側では、岬は白崎だけである。

両石湾北岸には黒崎があったので、南岸に白崎をおいて対称させた、というところだろう。ふたつの岬を結ぶ線は、ちょっと斜めにはなるが、湾口の南北で白と黒を対称させたのは、ごく自然であったろう。
釜石半島(自称)の先端は白崎ではなく、その1.5キロ南の馬田岬なのだが、これまた、見えない。
国土地理院の地理院地図の住所表示では、白崎だけでなくこの馬田岬までも「釜石市両石町」としているのだが、どうもこれは間違いではなかろうか。いつもとは逆で、今度はMapionのほうが正しいような気もする。Mapionでは、両石町の範囲は松島までで、そこから東は白崎も馬田岬も「釜石第1地割」としている。
なんか、こっちのほうが真実味がありそうに思えるので、この項の所在表示も直感に従ってそうしておくことにする。
ちなみに“石”のほうですがねぇ。(まだこだわってる!)
両石町には鉱山などもあったらしいので、そのへんもなにかありそうですよね。
▼国土地理院 「地理院地図」
39.284974, 141.925729




タグ:岩手県
2014-12-10 00:00
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