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1919☆『思い出の索引』★でんでんむし@アーカイブス☆わたしたちが生きてきた時代とは… [年表]

 われわれはどこから来て、どこへ行こうとしているのだろうか…。この言葉を本のタイトルにしているのが、関野吉晴さんである。『グレートジャーニー全記録』(毎日新聞社、2006年刊)では、①移動編が「我々は何処から来たのか」②寄り道編が「我々は何処に行くのか」としているが、これもその冒険の壮途へのはなむけにもまとめにもぴったりなのだろう。
 また、ゴーギャンの絵を使っていたのはNHKで、連続して流していた『シリーズ世界遺産100』のタイトルに絵とフレーズをかぶせていた。個人的には、これと世界遺産を結びつけるのは、ツー・クッションぐらい必要なようにも思うが、まあそれもありなのだろう。
 でんでんむしが、この言葉に行き着いたのはずっと昔のことで、なんで啓発されたのかもよく覚えていない。だが、極めて個人的なその興味の持続する延長線上に、歴史があり、生物学がある、考古学があり、地質学があり、天文学があり、そしてSF…があったのである。
 年表ほど具体的にその一面を捉えて展開してくれるものは、ほかにないようにも思うのだが…。

1919mark.jpg大正8年 己未(つちのとひつじ)
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◯白ロシア・ソビエト社会主義共和国樹立。
◯独でスパルタクス団蜂起。ドイツ共産党成立。
◯独のミュンヘンでドイツ労働者党(後の国家社会主義ドイツ労働者党=ナチス)が結党。
◯独、スパルタクス団のローザ・ルクセンブルク、カール・リープクネヒトが虐殺される。
◯パリで第一次世界大戦の終結に関する講和会議が開催される。(パリ講和会議)独・ソは不参加。
◯アイルランドが独立、共和国宣言。
◯モスクワでコミンテルン創立大会(第3インターナショナル)。30か国、53人参加。
◯ハンガリーでソビエト政権樹立も、同年崩壊。
◯伊ベニート・ムッソリーニが「戦闘者のファッショ(後のファシスト党)」を結成。
◯米海兵隊がコスタリカに上陸。
◯仏クレマンソーが独に講和条約無条件承認の最後通告。
◯独が連合国とヴェルサイユ講和条約を締結。
◯独国民議会がワイマール憲法を採択。
◯連合国対オーストリアのサンジェルマン講和条約締結。
◯オーストリア・ハンガリー帝国を、オーストリア、チェコ、ポーランド、ハンガリーに分割。
◯連合国対ブルガリアのヌイイー講和条約。
◯連合国最高会議がポーランドの東部国境(カーゾン=ライン)を決める。
◯アフガニスタンがイギリスから独立。
◯インドでマハトマ・ガンディーが「非暴力・不服従運動」を開始。(第1次サティヤーグラハ)
◯孫文らが中国国民党を創立。
◯中華民国、キャフタ協定を破棄し外モンゴルの自治を撤廃。直接統治へ。
◯米が禁酒法制定。(ボルステッド法)
◯英ラザフォード、α粒子による原子核破壊実験。
◯カーチスNC4飛行艇がニューヨークからリスボンに到着。(初の大西洋横断飛行成功)

◉京城はじめ朝鮮各地で独立運動起こる。
◉関東庁官制・関東軍司令部条例公布(関東軍の設置)。
◉関東都督府を廃し、民生は関東長官、兵権は関東軍司令官に分離。
◉パリ講和会議で中国山東省の独利権に関する日本の要求を承認。
◉パリ講和会議で赤道以北南洋諸島を日本の委任統治とすることを決定。
◉衆議院議員選挙法改正(選挙権は3円以上の納税者に)。
◉満州の寛城子で日中両軍衝突。
◉京城で斉藤実総督に投弾。
◉中国に対し排日運動の取り締まりを要求。

・この年に亡くなった人にはこんな人も…。松井須磨子。大山捨松。辰野金吾。前島密。井上円了。板垣退助。寺内 正毅。セオドア・ルーズベルト。ローザ・ルクセンブルク。アンドリュー・カーネギー。ピエール・オーギュスト・ルノワール。

◎三菱銀行創設。
◎神戸川崎造船所で職工16000人が賃上げ要求サボタージュ。(新聞のこの表現から「サボる」という動詞が生まれた。)
◎史跡名勝天然記念物保護法が制定される。
◎商品・株式の投機ブームが激化。
◎土地投機もブームで、日本橋付近の坪1000円が3000円に高騰。
◎東京市街自動車が上野=新橋間で青バス運行。青く塗った箱型なので青バス。
◎東京=万世橋間で高架線試運転開始。中野=東京=品川=池袋=上野の「の」の字運転の開始。
◎中島飛行機製作所で日本で初のジュラルミン製飛行機を製作。
◎国産初の電気機関車を大宮で製造。
◎横浜で3575戸、米沢で1200戸、大火で焼失。
◎鉄道院が狭軌では世界最大動輪直径175センチのC51型蒸気機関車を製作。
◎ガソリン給油所も登場し始め、龍野製作所がガソリンの計量機をつくる。
◎福岡県下で石炭掘削による農地陥没、鉱毒の被害。
◎食品工業株式会社(現在のキユーピー)設立。
◎スペイン風邪の罹患者は、この年10月から4か月と半月の間で142万4000人を超え、死者は6万5852人に上る。
◎東京市がごみを家庭廃物・工場廃物・道路廃物の三種に区分。処理法も肥料・燃料・廃棄に分ける。
◎東京市が市費でし尿の汲み取りを開始。これにより、室町以来の農家への有償還元が終わる。
◎戦後景気と米の暴騰でパン食が人気に。焼くのが間に合わないほど売れる。“平民パン食堂”まで現れる。
◎大阪、東京、横浜などで公営住宅。
◎寿屋洋酒店がトリスウィスキーの製造販売開始。
◎文相が口語文を奨励し、訓令も口語文で出す。

◎女優松井須磨子の自死。有楽座での『カルメン』公演中、島村抱月がスペイン風邪で急逝に後追い。芸術座は解散。
◎宝塚音楽歌劇学校開設。
◎東京浅草でチャップリンの映画『犬の生活』公開。
◎日活『深山の乙女』を封切。芸術座出身の花柳はるみを起用、映画女優第一号。
◎帝劇でアメリカ映画『イントレランス』特別公開。特等10円、1等5円、4等でも1円という高額料金。(米一升が40銭)
◎山本実彦『改造』創刊。
◎堺利彦・山川均らが『社会主義研究』創刊。
◎映画雑誌『キネマ旬報』創刊。
◎有島武郎『或る女』。
◎菊池寛『恩讐の彼方に』。
◎北原白秋が童謡集刊。雨が降ります・トンボの眼玉・栗鼠などを収録。
◎鈴木三重吉編『赤い鳥』第一集刊。かなりや・あわて床屋などを収録。
◎流行歌:パイノパイ節・金色夜叉・平和節など。童謡もほかに、お山のお猿・靴が鳴る・雨など。

dendenmushi.gif(2014/08/02 でんでんむし蛇足の記)
 相変わらず、東欧も中国もなにがどこでどうなっているのかわからないくらいに、混沌としている…。
 それでも、世界大戦がなんとか終わり、しかも日本は戦勝国で、直接戦火を被ったわけではない。世の中は好景気に浮かれ、投機が流行り、土地まで投機対象になるのはこの頃からか。
 しかし、スペイン風邪は本格的に猛威をふるう。この年に亡くなった人のうち辰野金吾、大山捨松や、画家の村山槐多などもスペイン風邪によるが、妖怪博士の井上円了は?。前年のギヨーム・アポリネール、エゴン・シーレ、グスタフ・クリムトなどもそうだったらしい。が、これがまだこの年で終わらない。
 映画史上有名な『イントレランス』は、D・W・グリフィス監督の、1916年製作のアメリカ無声映画であるが、映画理論や映画史の本などによく出てくるので、話として知っているが観たことはない。淀川長治さんは、その解説でこう言っている。
 「これは凄い時間かけて、当時6巻ぐらいが普通だった頃に、14巻ぐらいの映画つくったんですねえ。
 『イントレランス』、どんな意味ですか? 
 『イントレランス』。
 これは、不寛容、許されないこと、許さないこと。人間はこうゆう根性持ってるから、どんどん、どんどん、悲劇いうものが生まれたんだよ。戦争も、何もかも『イントレランス』なんだよ。
 怒ること、許さないことが、どんな悲劇を起こすか、どんな悲劇を起こすか。…」 
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タグ:年表
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