1059 空から見る岬・その1=湘南海岸から富士山へ(神奈川県・静岡県)初めて乗る石垣行き直行便が羽田を飛び立つと… [岬めぐり]
空飛ぶ夢をしばらく見ない…。そんなことを書いていたのは、誰だったろうか。こどもの頃には、よく夢のなかで空を飛んでいた。そんな夢を、ぷっつりと見なくなったのは、やはり大人になってからだろう。
鳥のように空を飛べたらいいのになあ…。
そういう人類が長い間抱いてきた夢に、多くの先人たちが挑み続けてきたおかげで、今ではわれわれ普通の人間でも、お金さえ払えばいつでも空を飛ぶことができる。
いまだに、どうしてこんな大きな、こんな重いものが、空をとぶことができるのだろう。説明されても理屈ではわかったようでも、どうしても納得いかない、いつも毎度毎度そんなことを思いながら空を飛んでいる。そして、こどものように窓から下界の景色を眺めるのを楽しみにしている。
だから、いつも飛行機に乗るときは、窓側の席を取るようにする。それも真ん中は翼があるのでダメだ。気に入っているのは、一番最後尾の席が3列ではなく2列になっているところの窓側なのだが、今回は団体でもいるのか、全部ふさがっていたので前のエンジンがじゃまにならないところを選んだ。当然、右側。
なにしろ、石垣直行便は、今回が初体験。これまでは早朝一便だけだったのが、石垣島の新空港ができてから、昼間にも飛ぶようになったので、試してみた。ANA 091便は、羽田発11:30〜石垣着15:10である。当然、これまでの那覇行きとは、飛行ルートも違うだろう。
ANAでは2014年から、完全チケットレスにした。これまでのチケットレスは、搭乗口で座席番号を印字した搭乗券をくれたが、これがなくなり、搭乗と座席の記録は手荷物検査場を入るときのペラペラのレシートのような紙切れのみ。羽田空港の第2ターミナルでは南に行くのはC、D のほうで、いつもカード会員無料のラウンジで搭乗まで一休みする。ラウンジの外にはなにやら絵を描いた飛行機が駐機しているが、どうやら石垣行きのB767-300らしい。このペインティングは、 ANA創立60周年記念塗装の“ゆめジェット”であるという。
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そこで、羽田を飛び立つところとか、東京や京浜工業地帯や、横浜の空からの写真は撮ることができない。
いちばん沖合の滑走路を離陸したANA 091便は、東京湾を時計回りに回り、海ほたるを越え、ベイブリッジを見ながら高度を上げながら、右旋回する。その頃には、電波を出さない電子機器は使用が許可される。
ほぼ西南西に進路を決めた飛行機は、ちょうどでんでんむしの棲息する湘南の海岸を眺めながら、その上を飛んで行く。何度か三浦半島の上を飛ぶことはあったが、今回ははっきりとわが町とその家並みが識別できる。
空からの岬めぐり、まずはその三浦半島西海岸北部の葉山から、逗子海岸と鎌倉の海岸を経て江ノ島までが一目の範囲に飛び込んでくる。まさに飛行機からならではの視点である。
残念ながら、長者ヶ崎 はフレーム外だが、いちばん下が真名瀬の柴崎の埋立地で、その右のちょこんとしたのが森戸神社、森戸海岸から葉山マリーナを経て、逗子湾の凹みが東に深く入り込んでいる。
その上の出っ張りが大崎 。そこから小坪の漁港と逗子マリーナをはさんで、鎌倉の海岸。写真の下側が材木座海岸で、上側が由比が浜海岸、その上でイボのようにちょんと飛び出して見えるのが稲村ヶ崎 である。
そこから続く砂浜が七里ヶ浜で、その浜が終わるところにある出っ張りが小動岬 で、その上で大きく張り出しているのが江ノ島ということになる。
江ノ島から西へ、砂浜の湘南海岸には岬がないのだが、ほとんど唯一といえるのが大磯港南部の照ヶ崎 。それが相模川の河口の向こうに見える。
そして、ここからはもう富士山が視界に入ってくる。
飛行機は、ちょうど真鶴半島の上を通過するが、そこで芦ノ湖が見える。
南から、弁天の鼻、塔ノ鼻 、箒ヶ鼻、百貫ノ鼻 と続いて(南部まとめ) 、東岸の樹木園のなかにある都嶋ノ鼻 。これが芦ノ湖の岬。
この日の富士山は、笠雲をかぶっている。雪も東富士演習場の側に偏って白い。
▼国土地理院 「地理院地図」
関東地方(2014/01/20訪問)
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