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1010 砂崎=厚岸郡厚岸町大黒島(北海道)12.5キロも離れた車窓から砂の岬が見えたとは言いにくいのだが… [岬めぐり]

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 砂崎という岬は、アイニンカップ岬とチンベノ鼻の間の丸い出っ張りから南に2.5キロのところ、厚岸湾の湾口に位置する大黒島の北端にある。
 大黒島は周囲約6キロの無人島で、いくつかのピークがあるが、最高点で100メートルをやっと超す程度の山で概して高くはなく、遠目にはほぼ平たい島のように見える。その北橋の崖下から北に細長い砂州が延びていて、そこが砂崎であるらしい。遠くからでは、砂州の状況までは見えない。かといって島への交通手段もなく、おまけに無断立入は禁止されている無人島なのだ。
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 戦時中は軍事基地となっていたので、その遺跡もあるらしい。現在はコンブの番屋があるくらいで、ほとんど人が入らないのでウミツバメやカモメ、ウミウなど多くの海鳥やゼニガタアザラシの天下となっているようである。1951(昭和26)年には“大黒島海鳥繁殖地”として、国の天然記念物に指定されている。
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 前に愛冠岬に来たときには、この島にはエトピリカという珍鳥がいると聞いていた。ハトよりもちょっと大きいくらいで体は全体に黒いこの鳥は、縦に平たいくちばしが赤みがかった橙色をしているのが特徴で、アイヌ語の名は「くちばし(エト)が美しい(ピリカ)」ということからきている。
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 世界的な生息分布域の西端のはずれにあたる日本のこの地域では、この大黒島と、浜中町の霧多布小島と根室市の島だけにしかいないようだが、それもいまやわずかのつがいしか確認されておらず、絶滅の危機が迫っている。
 今ではまだ、土産物店でそのぬいぐるみなども売られているが、そのうちそれもできなくなるかもしれない。ただ、色丹島や歯舞群島など北方領土の島々には繁殖地があるという。
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 大黒島の名は、江戸時代に和人が入ってきてつけた名前だろう。だいたい「島の形が大黒天の頭のように見える」とか、「島の姿が丸く大黒天の頭のように見える」とか説明されているのだが、はてさて?
 どこからどう見れば大黒さんの頭のように見えるのか、さっぱり見当もつかない。江戸時代には不可能だった上空からの俯瞰も、それを連想させるようななにものもない。
 当然、アイヌ語での名前もあったはずで、「モリシカ(島)」とか、「ホロモシリ(大きな島)」というのがそれらしい。ここだけ(ではないけれど)アイヌ語源ではなく和人の名前だけが残っているのは、どうしてだろう。
 またしても、勝手な推測をすれば、おそらくはコンブ漁などで和人が占有したことと、後には軍事基地になったことも、影響があったのかもしれない。
 そういえば、砂崎もそのまんま長い砂州を示す和語である。
 チンベノ鼻から見れば、もっとその砂の岬の様子もわかったのだろうか。
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 今回は、チンベノ鼻へも行けず、砂崎は尻羽岬と同じく、JR根室本線で厚岸から釧路へ戻る列車の車窓からの写真だけになった。
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 厚岸駅を出て列車(列といっても1両だけ)が門静駅に着くまでの始めの間は、東(車窓左手)にバラサン岬や愛冠岬があり、西(車窓右手)には尻羽岬が長々と横たわる。
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 西へ進むにつれて、愛冠岬(と思われる)の右に、少しずつ長い姿をのばしてくるのが大黒島である。
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 砂崎はこの左の端で、その陸地寄りには小島という島もあると地図は語っているが、それは見えないほど小さいのだろう。
 実は、この車窓からは、もうひとつアイニンカップ岬も見えるのではないかと考えていた。
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 だが、写真をいくら見ても、やっぱりそれは写っていない。陸地の先端でおむすび型に見えるのがそうかと、最初は思っていたが、どうもよくわからない。アイニンカップ岬なのか愛冠岬なのか、なかなか判断に困った。
 そこで、厚岸町役場に写真を添付してこのおむすび山はどこかを問い合わせてみた。
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 ところが、もう数週間も経つのに、いまだに返事がこない。まあ、厚岸町役場としても、このくそ忙しいのに、そんなメールにいちいち応対しない、無視すると決めているのかもしれない。
 しかたがないので、やっぱり愛冠岬(と思われる)ということにしておく。
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 門静駅を過ぎると、線路は海から離れてしまう。海岸段丘のような地形が続くなか、いちばん近いところでも海岸までは1.6キロはある。そして次の駅は尾幌であった。(帰り道の景色だから西に戻っているが、岬めぐりはまだ東へ続く。)
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42.963626, 144.872613
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dendenmushi.gif北海道地方(2013/09/04・06訪問)

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タグ:北海道
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