933 外波崎・切石鼻=岡山市東区西幸西・正儀(岡山県)東区の岬を南区から確認しようというのがだいたいムリ? [岬めぐり]
岡山市南区の阿津の湾岸は、児島半島の北にあたる。ここは児島湾大橋から吉井川河口まで5キロ、百間川河口から阿津の鼻面崎までは2.5キロと水面が拡がっている。岡山市街を流れる旭川の放水路として設けられた百間川河口には高島があり、その東2.2キロ離れて鳩島という小島が浮かぶ。
それを横目に東に向かって進んで行くと、正面の遠くに工場のような建物群が見えてくる。そこは岡山市東区の西幸西というところで、吉井川の河口と児島湾の湾口がひとつになる水域を隔てている。
ついでながら、「西幸西」というのもヘンな地名だ。
近年の新地名命名が「東」とか「西」をつけて事足れりとする安易な風潮に毒されている、その事例のひとつなのだろうか。隣には「東幸西」というのもある。
しかし、「幸西」という地名はなくて、さらにその東にあるのは「北幸田」であり「東幸崎」ときては、さっぱりわけがわからない。
前々項「931 城ヶ鼻」の項で書いていたように、東区に残る外波崎・切石鼻の二つの岬へは、アプローチがはなはだむつかしい。バス路線もないので、歩きづめに歩いてほぼ一日仕事になりそうだ。というのも、この二つの岬の間には、水門湾という水域が大きく入り込んでいるので、大迂回を強いられる。
ま、そんなこんなで、南区の児島半島側からの遠望でよしとすることにしたのだった。ところが、そんなにうまくは問屋が卸さなかった、という話である。
外波崎は、阿津からの正面に見えているはずの、テイカ岡山工場の端にあるはずなのだが、やはり遠望で特定するのはちょっと困難であった。
困ったことには、工場らしいところのそばに、小山が横たわっているのだが、地図では外波崎には少しの崖はあるようだけれど、山のようにはなっていない。すると、この山は水門湾の奥の方の山なのだろうか。
それにしては、手前の海面近くにあるように見えているが…。
という具合で、はなはだ悩ましい。
阿津の東にあるのが小串で、ここも古い町だったようだが、町を抜けるところでちらっと港も見える。ここでバスは南に向きを変え、雨上がりの道を進む。小串の南にはやはり干拓地らしい開けた田園が広がり、そのぶん道は海から遠くなってしまう。
児島半島というより、岡山の南部海岸地域には、こうした小規模の干拓も多かったようにうかがえるが、これはやはり児島湾干拓の影響もあったのだろうか。それとも、それ以前から盛んだった小規模干拓の経験の積み重ねが、あの大規模な児島湾干拓を招来したものだろうか。
この山と山とが切れる隙間から、正儀にある切石鼻も見えるかと思ったのだが、これもやはり無理。山塊は見えるものの、それのどこが切石鼻かは、正面になることもあって、これがそうだとは言えなかった。正儀は水門湾の南部に大きく丸い出っ張りの全体にわたる地名で、そのさらに東へは、久々井、宝伝を経て瀬戸内市子父雁へつながる。
切石鼻の対岸のこちら側には、宝録山という山塊があって、大きく視界を遮っている。
バスはその山の裏側を通って、また次の峠に向かって走るが、海岸は800メートル近くも離れているうえ、対岸の山が見えるところは、山と山との隙間しかない。
宝録山の南には、梅ヶ原山という山が続いて控えている。この先っちょが、次項の米崎になるのだが、それもこの隙間からでは覗くことはできない。
どうやら、この外波崎・切石鼻については、車窓の限界とともに計画の失敗だったと言わざるを得ない。
▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
34度35分57.36秒 134度2分40.78秒 34度35分26.08秒 134度3分11.68秒
中国地方(2013/02/07訪問)
タグ:岡山県
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