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887 曽根の鼻=福津市渡(福岡県)崖の南端にある岬は古い石積みの堤防があって相島も磯崎鼻も志賀島も見渡せる [岬めぐり]

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 広域行政圏としての福岡都市圏は、糟屋郡の北にも広がり、福津市と宗像市まで含まれている。この周辺は、地元の人や九州をよく知る人以外には、あまりはっきりと認識されていない地域だと思う。
 よそ者にはっきりと認識がない理由のひとつは、南西の福岡市と北東の北九州市のちょうど中間にあって、これという特徴がないことであろう。
 JR鹿児島本線は、通ってはいるのだけれども、特徴の出しにくい内陸部を走っていて、いちばん海岸に遠いところでは10キロも離れている。当然、岬へ行くには苦労する。車窓の景観にも、これといって印象がない。山と田圃と住宅地の間を、知らないうちに通り過ぎてしまう。
 第一、鹿児島本線には、市の名である「福津」という駅も、「宗像」という駅もない。福津市の駅は福間と東福間であり、宗像市の駅は東郷、赤間、教育大前である。宗像大社はかすりもしない。線路から南部地域に展開しているはずの、炭鉱地帯の気配からも遠い。
 福岡市へも北九州市へも、どちらも通勤圏ということで、住宅地が目立っていて、あちこちに大団地がある。その先鞭をつけたのが、60年代初めから宗像市で始まった、当時の八幡製鐵(新日本製鐵)の社員の住宅団地造成であったという。
 光陽台、若木台、東福間団地、日の里、和歌美台、大井台、自由ヶ丘、ひかりヶ丘、城西ヶ丘、泉ヶ丘…そんな名前が福津・宗像両市の鹿児島本線沿線の地図から拾うことができる。この傾向は、東に続く岡垣町、遠賀町でも同じだ。
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 遠賀川の遠賀町まで先走っては、岬めぐりにならない。福津市に戻ろう。23,000世帯が暮らす福津市の人口は55,431人。これは30年前の人口に比べて1.32倍も伸びている。JR福間駅には、市の行政サービスセンターのようなものがあって、“福津市ブランド・福津の極み ふくふくちゃん”が、乗降客を見送り、出迎えている。
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 福津市は、2005(平成17)年に福間駅を中心として団地も多い南の旧福間町と、津屋崎から勝浦浜にかけての南北に長い旧津屋崎町が合併してできた市である。両方の旧町名から先頭の一字をもってきてくっつけたので「福津市」。
 岬はいずれも津屋崎のほうなので、新宮からのバスで津屋崎橋の袂まで一気に乗ってきた。といっても、新宮から古賀市を通り、内陸の市街地を495号線で北上するこのルートも、内陸の道路の両側に住宅が密集する、こういってはなんだが退屈なもので、長い乗車時間の間にうつらうつらしてしまう。
 福津市に入ると海岸に近くはなるが、海が見えてくるのは、終点が近づいてからだ。
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 ウミガメもやってくるという浜辺越しに、曽根の鼻も見えてくる。それと同時に、新宮町の相島との2ショットも望める。また、それがはっきり見える写真を撮ることができなかったのだが、曽根の鼻後背の山には、灯台がある。それも“親子灯台”という掲示だけは港のところで見たのだが、二つの灯台があるということか。
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 津屋崎橋から入江の津屋崎漁港やヨットハーバー、それに二つの大きな病院の前を過ぎると、石積みの堤防で半円形に囲った古い船溜まりがある。国土地理院の地図では、その石積みの付け根の出っ張りが、曽根の鼻だとしている。
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 岬が築港のために削られたような形跡もあるその突端から、さらに北西側、灯台のあるはずの回り込んでいく崖が続いていて、この先に道はない。崖の上の灯台も見えない。
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 船溜まりはもう使っていないのか、石積みも崩れたままになっていて、もっぱら釣り人が竿を出す場所に利用している。
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 遠くには志賀島が、また左手奥には磯崎鼻が見え、手前に大きく目立っているのが新宮町の相島。
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 ここからは、相島の左端に見える鼻栗瀬までは6.5キロほど。そこにある岩の島は、輪っかになっているが、これも遠いのと角度がよくないのではっきりわからない。その代わり、新宮浜からはよくわからなかった、北海岸の断崖が志賀島から見たのと同様にはっきりとわかる。なお、鼻繰りとは、牛の鼻面につける輪のことでそのことは前に岡山の岬めぐりで書いたことがあった。(467 鼻操鼻=玉野市日比(岡山県)どこまでも引きずっていくもの)
 こうして見ると、宗像の大島や、そこからまた50キロ弱離れてある沖ノ島や、さらにはるか対馬まで含めたこの一帯の水域が、古代からさまざまな人々の活動を生んできたことに、改めて深い感慨がわいてくる。
 津屋崎橋の上から見ると、左手には県立水産高校があり、右手がヨットはバーとその先あるのが曽根の鼻である。この橋は川に架かっているのではなく、奥が深い入江に架かっている。津屋崎もなかなか奥が深そうなのだ。
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▼国土地理院 電子国土ポータル(Web.NEXT)
33.785206, 130.450361
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dendenmushi.gif九州地方(2012/10/29訪問)

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タグ:福岡県
きた!みた!印(34)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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コメント 2

johncomeback

へぇ~ 福岡に近いのに、ウミガメが来るんですか。
by johncomeback (2012-12-13 09:53) 

dendenmushi

@そうなんですよ。玄界灘は、大きくてきれいなんですね、ウミガメというと、なんとなく南国のイメージがありますが。
by dendenmushi (2012-12-15 05:02) 

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