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799 須江崎=東牟婁郡串本町須江(和歌山県)この岬も赤崎も大耳崎もまたの機会があれば… [岬めぐり]

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 くしもと大橋を渡るとき南側に見えている、平べったい通夜島に接するように須江の半島がせりだしている。この先端部分が須江崎なのだが、橋の上からかろうじて見えるのは、その手前の岩礁なのだろう。
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 通夜島との間の狭い水道は、小さな島によって蓋をされたようになっていて、わずかな隙間から須江崎のほうが見えるようにも思えるが、なにぶんにも遠くて確かではない。
 この島の中央部で大きく南に張り出した半島には、道もあって集落もあり、須江崎の北にある深い入江には港もあり、そこまで行けば赤崎という別の岬もあるのだが、須江にはバスが行かない。
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 バスが行くのは、大島港と、あとは島の東端の樫野の灯台入口までである。
 道路の番号のつけ方にどういうルールがあるのかは知らないが、紀伊半島を大きく回っている国道42号線が、串本市街地が細くなったところでカーブしながら横断するところで、潮岬を周回する41号線が始まって終わっている。その41号線から、出雲からくしもと大橋を渡って、樫野崎まで続くのが40号線である。
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 この40号線は、1999年のくしもと大橋の開通と同時にできたらしいので、それまでは島内の道は、大島と島の台地の上や南の入江の集落をつなぐ道が、細々とあった程度だったのだろう。
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 40号線が橋を渡り切り、島を横断しつつ行くと、前方の山の上に、丸いドームが見える。天文台があるとは聞いていないので、どうやらこれはレーダーらしい。
 地図を見ると、紀伊大島の中央部には、小中学校と並んで自衛隊の基地がある。その上の大森山は、標高171メートルの島内最高峰で、どうやらそこら辺にレーダーサイトが設けられているらしい。
 考えてみれば、本州の南端というロケーションは、そういう施設があっても、なんら不思議ではない。
 自衛隊を過ぎた辺りで、南に尾根づたいに延びている細い道路がある。集落というほどのものはないその先には、オートキャンプ場やバンガロー、露天風呂などを備えた観光施設があるらしい。
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 そこまで行けば、その先には大耳崎という岬もある。その付近の字地名はもう樫野になるのだが、その出っ張りには結構大きな集落もある。樫野のタカノ巣付近は、断崖の海岸美を誇る景勝の地もあるという。
 “らしい”と“という”ばかりじゃないか、と言われてしまいそうだが、これも今後の当初計画の立て方の反省点とする余地もある。
 これもどこかで書いているが、でんでんむしの岬めぐりでは、公共交通機関でめぐるのと、もうひとつは事前の調査はしない、するのは交通機関のダイヤと宿泊場所の予約だけでプランを立てる。あとは行き当たりばったり、運を天に委せるのがミソだから、計画もあまり細かなところまでは予想が付かないまま、結果はそれに大きく左右される。
 紀伊大島も、そこに泊まるとか、島で一日かけるとかするつもりならば、須江崎も赤崎も大耳崎も回ることができたが、今回の計画はそこまでの時間割を織り込めなかった。周辺の観光施設や名所なども、事前調査は一切なしで、たまたま遭遇すればそれでよしとする。
 ところが、意外にも須江崎については、例の『紀伊続風土記』が、えらく筆をつくして記述していることが、あとでわかった。

○須江崎
 村の南六町ばかりにある。島の南端で、東南は大洋に臨んで絶巌怪石が波濤に衝撃せられて釼鋒のように列立する。波濤はこれに触れ、白波が天に翻る。千□の積雪が一時に崩れ落ちるかのように雷の響きをなして地軸がこれのために振動すると思われる。万古このようで昼夜を分かたず、実に壮観である。古人が浙江の潮を論ずるも言うまでもないと思われる。
 村から須江崎に至る間に土地の人が地獄と称する所がある。穴の大きさは方七〜八間。その深さは測ることができない。底に海潮が往来して□湧の音がする。その傍らの巌に洞があってそれから潮が入ってくるようである。みな絶壁削立の所でこれを窺いようがないので地獄を名とするという。


 これは、どうでも須江崎には改めて歩いて行ってみなければならない…。

▼国土地理院 「地理院地図」
33度26分58.62秒 135度49分53.11秒
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dendenmushi.gif近畿地方(2011/10/06 訪問)

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タグ:和歌山県
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