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755 白崎=日高郡由良町大字大引(和歌山県)名前に偽りなし石灰岩の白い岬には赤い岩と黒い山 [岬めぐり]

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 お隣の広川町で唯一のJRの駅「広川ビーチ」駅が、実はビーチからは遠く離れた山の間にあると書いていたが、おもしろいことにここ「紀伊由良」駅でもまったく同じようなことがある。この両者、地形的な位置関係も、非常に似通っている。
 由良川に沿って谷筋を走る紀勢本線は、由良港にいちばん近いところでも1300メートルも山に寄ったところを通っているため、港の周りの市街地には、かすりもしないで過ぎていく。
 由良町でただひとつのJRの駅「紀伊由良」は。海からは2キロ以上も離れた興国寺の門前にある。
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 広川町では、駅から遠く離れた岬は名南風鼻とばべ鼻しかなかったが、由良町では駅から遠い岬が白崎にあたる。ただし、面積では広川町におよばない由良町では、出っ張りも大きく海岸線が長く入り組んでいて、岬の数も多い。
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 なかでも由良町のでこぼこの最先端にある白崎は、岬全体がまるまる白崎海岸県立自然公園となっている、観光名所である。岬の中には財団法人由良町観光公社と民間の観光開発会社が運営するスキューバダイビングからオートキャンプ場、ログハウス、展示館、展望台、土産物売店からレストラン、道の駅まで、さまざまな観光施設ができているらしい。
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 幸いにも、岬の南側外から岬を眺めている分には、そういったものはほとんど見えないようになっているので、なんとか景観は保たれている。
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 名前に偽りなしの“白い岬”は、この出っ張り全体が石灰岩でできているからで、東の小引には小さいながらちゃんと石灰岩につきものの鍾乳洞もあるという。ここだけにこうして、白い石灰岩の地層が露出しているのも、地球の活動の不思議さによるものである。
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 こうした奇景を珍重するのは、人間の不思議なところで、万葉の昔から歌に詠まれていたというのだが、どんな歌なのかわからない。道路ができたのは、歴史的には“最近”といってよいであろうから、昔はこの景色を眺めるためには船を仕立てて見物にきたものであろう。
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 白崎の付け根には、番所山という200メートルほどの尾根が落ちてくる。その名は、沖を航行する船をチェックする場所があったことを示しており、その尾根をさらに東に辿ると、最高点は240メートルの黒山である。白い岬に黒い山。そして、岬の北側には赤碆という岩礁もある。
 つい、赤や黒を周辺の名前に対比してみたくなるほど、この白い岬は際立っている。
 「碆」については、高知県に多く、511 白ノ鼻=土佐市宇佐町竜(高知県)の項や、 スボノ口鼻=土佐清水市松尾・足摺岬(高知県)の項でふれているので、繰り返さない。
 その「碆」が、この周辺にもいくつかみられる。白崎を取り囲むようにして赤碆、大倉碆、大碆があり、碆はつかない岩や島もある。
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 そのなかに、立巖(たてご)という名のついた、見るものを圧倒するような見事な立石もある。
 それで気がついたのだが、 750 剣崎の項の矢櫃にあった「タテゴ」も、意味と読みは同じだったのだ。
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▼国土地理院 「地理院地図」
33度58分35.97秒 135度4分6.34秒
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dendenmushi.gif近畿地方(2011/10/04 訪問)

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コメント 2

ナツパパ

近くで見ると迫力ありそうです。
これは見てみたいですねえ。
by ナツパパ (2012-02-28 15:44) 

dendenmushi

@ナツパパさん、これは一見の価値あり…というところですね。
ただ、でんでんむしとしては、奇景=普通、有名=無名と、どの岬も崎も鼻も、分け隔てしない主義でして…。笑)
でも、記憶に残る岬にあげられます。
by dendenmushi (2012-03-01 04:59) 

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