618 舮作崎=西津軽郡深浦町大字舮作(青森県)なぜか国土地理院だけが認めていない岬 [岬めぐり]
椿山を見ながら、北へ向けて歩き出すのは広くてきれいな道だが、この道は101号線の大間越街道とは別の、五能線の線路よりもさらに西の海岸寄りにつけられている。
道沿いに続く海岸は、岩礁と岩崖の変化に富んだ海岸だが、舮作崎はそのなかにあった。どういうわけか、国土地理院の地図には表記がないので、計画ではこれは項目を立てる予定はなかった。しかし、ZENRINソースの地図でもAlpsソースのエキサイト地図でも表記がある。(国土地理院もその後の改定では表記を入れるようになった。)
地理院地図にはあってもその他の地図にはないというのは多いが、こういう逆のケースは珍しい。もちろん、国土地理院が表記しないのもそれなりのわけがあるのだろうが、それは知るよしもない。たまたま、この付近の海岸が美しいことと、次の黄金崎まで行ってしまうと、また話が別の種類になってしまう。そこで、帰ってきてから舮作崎も項目に加えることにしたのである。
ところが、歩いているときにはその意識がなかったものだから、舮作崎の特定をしてその写真を撮っていたというわけではなかった。適当に海岸の風景に見とれながら、ときどきシャッターを押していた。地図と写真を照らし合わせてみると、舮作崎のところでは、ちょうど道路と海岸の間に小山があって、記名表記の場所はその陰に隠れていたらしい。小山の下の海には、岬から続く岩礁が連なって延びている。
「へなし」はJR五能線の駅名が「艫作」を使っているので、ほとんどの辞書ではこれにならっているが、住居表示その他は字画が多くて書きにくい旧字を避けて、「舮作」ばかりである。その字からすると、「へさき」を意味しているので、いずれは造船か操船かなにかに関係があってついた名なのであろうか。舮作には、小さな港もある。
ここから北東に進んで東に回り込んだところの深浦は、北前船の主要な寄港地のひとつであったので、そう考えるにもあまりムリはないようにも思えるが、果たしてどうであろうか。
テレビの旅番組も、一時期ほどの精彩がなくなったように思う。
これも、最初にブームに火をつけたのは、企画力において他のキー局を凌いでいるテレビ東京だったと記憶する。他のキー局も追随したので、一時はやたら旅番組だらけという様相を呈していたが、それらマネっこが撤退して、ブームは去ったらしい。タレントの評価では、旅番組に出るようになったら落ち目だ言われていたと、なにかで読んだ。
しかし、旅番組に勢いがあったのは、そういうあまり聞いたことも見たことのないタレントが出ていた頃のほうであって、往年のスターやちょっとは名の売れたタレントが出るようになってからは、おもしろくなくなった。(ような気がする)
これまたでんでんむし的偏見だが、有名タレントには宿もそれなりに気を遣う。それが、テレビに映らないところまでわかってしまうような、おれらが行ったんではああいうことにはならんのだろうね、テレビだから特別なんだよね、と思わせてしまうような何かがある。
でんでんむしが最初の頃の旅番組を見ていたのは、主に自分の岬めぐりに参考になることがないだろうか、という興味からだったのだが、だんだんそれも見なくなってしまったのは、上記のこととあわせて、たいして参考にもならないということがわかってきたからである。
そうだとしても、まだ行ったこともない場所の映像を見る、ということはそれなりにプラスも意味もある。この五能線の沿線の深浦周辺には、ウェスパ椿山のほかにも、大きな水車があるのもそこだったと思うが、湯船の下を五能線が走るみちのく温泉だとか、海岸の岩場にある露天風呂で有名な超人気の不老不死温泉だとか、いくつかポイントが並んでいる。それらは、いずれもかつてテレビの映像でおなじみのものなのである。
道を歩いていて大水車の看板があると、昔見たテレビの映像が甦ってくる。なるほど、艫作駅には「リゾートしらかみ」は停車しないので、それらの近隣の温泉の客も、ウェスパ椿山で降りて行くとことはいくらもあるというわけだったのだ。
ウェスパ椿山の展望台から、舮作崎を眺めると、こんな感じ。大水車はここからも見えなかったし、前を向いて道を歩いている限りでは見えなかった。
▼国土地理院 「地理院地図」
40度36分10.53秒 139度51分40.06秒
東北地方(2010/06/29 訪問)
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