236 掛牛岬=洲本市小路谷(兵庫県)道路と岬の関係についての一考察 [岬めぐり]
淡路島は、現在の行政単位では、北が淡路市、真ん中が洲本市、南が南あわじ市と、三分割されている。これを結んで、国道28号線と問題の道路特定財源でできたらしい神戸淡路鳴門自動車が縦貫している。その間を小さな道がめぐっているが、どうやらバス網ははなはだ粗にして、便利とは到底言いがたいことがわかった。
島内をバスに乗っていて感じたことは、南あわじや洲本あたりではやたら車も多く、信号も多く、交通渋滞が激しい、ということである。ちょうど、洲本川では大規模な改修工事をやっていたので、そのせいもあるのかも知れないが、一家に家族の数だけ車をもっているところも少なくないというのだ。それで、みんなバスに乗らないのだ。だからバス網は発達しないのだ(ろう)。
島の西海岸にもいくつか岬はあるのだが、そちらに行くにはどうにも時間と乗継ぎがうまくない。そこで、西はあきらめて東海岸だけにせざるを得ない。福良からまず洲本まで行き、そこのバスセンターで由良へ行くバスに乗り換える予定でやってきたら、バスが遅れてしまった。
運転手さん慌てず、「由良方面に乗継ぎの方おられますか?」という。数人の乗客のうち、手を上げたのは一人だけ。すると、マイクで営業所へ連絡して、由良行きのバスと連絡をとってくれた。
28号線と分かれて海岸沿いを行くと、洲本の南には小さいながら温泉街もあり、その南に掛牛岬がある。といっても、名前が立派な岬とついている割には、ただ、道路がカーブしながら通っている坂に過ぎず、車で走っている人など、誰も岬とは意識しないだろう。
通り過ぎた次の三ツ川という停留所でバスを降り、引き返すようにして岬に向かう。
やはり、ここは岬の出っ張りを削るようにして道路ができた場所である。坂になっているのは、そのほうが工事の負担が少なかったからだろう。海岸の崖は護岸されており、わずかに岩場が散らかっている。
こんなところへ来るだけでも相当物好きなのだが、雨の中さらに岬の様子を見ようと、草の根を掴みながら薮の中へ降りてみる。
が、やっぱりこれ以上は見えない。
掛牛山という山がこの西にあり、そこから海に向かって流れてきた尾根が、この岬になっていた。今の洲本温泉の海岸は、埋め立てられたところのようなので、これがなかった時代には、そして道路が通る前には、ここはやはりちゃんとした、立派な岬だったのだろう。だから、その名が残ったのだろう。
伊豆半島などにもいくつかあったように思うが、こういう道路が半ば削りとってしまった岬も、また数多いことが想像される。その道路は、よほどの障害がない限り、努めて海岸線を走るようにつくられている。
後続のバスがなかなかやってこないので、どんどん歩いているうちに、掛牛岬もはるかかなたに霞み、南には由良の沖に浮かぶ成ヶ島の成山が近くなってきた。
石灰岩が山をつくっている淡路島は、セメント工場もある。
しかし、なんでこっち側に来てしまったのだろう。西側のほうがもっと岬らしい岬もあるのに…。雨は降り続き、いっこうに止む気配もない。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度19分18.61秒 134度55分3.29秒
近畿地方(2008/02/09 訪問)
島内をバスに乗っていて感じたことは、南あわじや洲本あたりではやたら車も多く、信号も多く、交通渋滞が激しい、ということである。ちょうど、洲本川では大規模な改修工事をやっていたので、そのせいもあるのかも知れないが、一家に家族の数だけ車をもっているところも少なくないというのだ。それで、みんなバスに乗らないのだ。だからバス網は発達しないのだ(ろう)。
島の西海岸にもいくつか岬はあるのだが、そちらに行くにはどうにも時間と乗継ぎがうまくない。そこで、西はあきらめて東海岸だけにせざるを得ない。福良からまず洲本まで行き、そこのバスセンターで由良へ行くバスに乗り換える予定でやってきたら、バスが遅れてしまった。
運転手さん慌てず、「由良方面に乗継ぎの方おられますか?」という。数人の乗客のうち、手を上げたのは一人だけ。すると、マイクで営業所へ連絡して、由良行きのバスと連絡をとってくれた。
28号線と分かれて海岸沿いを行くと、洲本の南には小さいながら温泉街もあり、その南に掛牛岬がある。といっても、名前が立派な岬とついている割には、ただ、道路がカーブしながら通っている坂に過ぎず、車で走っている人など、誰も岬とは意識しないだろう。
通り過ぎた次の三ツ川という停留所でバスを降り、引き返すようにして岬に向かう。
やはり、ここは岬の出っ張りを削るようにして道路ができた場所である。坂になっているのは、そのほうが工事の負担が少なかったからだろう。海岸の崖は護岸されており、わずかに岩場が散らかっている。
こんなところへ来るだけでも相当物好きなのだが、雨の中さらに岬の様子を見ようと、草の根を掴みながら薮の中へ降りてみる。
が、やっぱりこれ以上は見えない。
掛牛山という山がこの西にあり、そこから海に向かって流れてきた尾根が、この岬になっていた。今の洲本温泉の海岸は、埋め立てられたところのようなので、これがなかった時代には、そして道路が通る前には、ここはやはりちゃんとした、立派な岬だったのだろう。だから、その名が残ったのだろう。
伊豆半島などにもいくつかあったように思うが、こういう道路が半ば削りとってしまった岬も、また数多いことが想像される。その道路は、よほどの障害がない限り、努めて海岸線を走るようにつくられている。
後続のバスがなかなかやってこないので、どんどん歩いているうちに、掛牛岬もはるかかなたに霞み、南には由良の沖に浮かぶ成ヶ島の成山が近くなってきた。
石灰岩が山をつくっている淡路島は、セメント工場もある。
しかし、なんでこっち側に来てしまったのだろう。西側のほうがもっと岬らしい岬もあるのに…。雨は降り続き、いっこうに止む気配もない。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度19分18.61秒 134度55分3.29秒
近畿地方(2008/02/09 訪問)
タグ:兵庫県
うん。道路とか車というのは非文化的なモノだと思います。政治屋は「地域活性化のために」などとお題目みたいにいうけれど、「そんなもんじゃない」という声も多いですよね。
若い女ならともかく、雨の日にこんな場所を、トボトボと(?)歩いている男というのは絵にならないですなあ。「何してるんじゃ?」とうろんに思われたり、「早まったことするんでねえぞ」と勘ぐられたり……。
「岬めぐり」もこれだけ充実してくると、他の追随を許さない迫力が生じます。土地っ子などから補足的な内容のあるコメントが来ると圧巻のブログになるのですが、広報手段はないものですかねえ。
by knaito57 (2008-03-24 11:45)
@若い女ならともかく…というのはともかく…。
ほんとに、物好きにもほどがありますなあ。自分でもそう思いますけど。
でもまあ、広報の必要は、あまり感じていないのです。
by dendenmushi (2008-03-25 08:26)