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211 橋田鼻=蒲郡市西浦町(愛知県)ドンと晴れる日はくるのか西浦温泉 [岬めぐり]

 ここは「一粒で二度おいしい」。同じ場所から、御前崎と橋田鼻という二つの岬が望める。半島とは名がついていないようだが、蒲郡の西端に突き出した大きな岬の先端が、ちょっと西にしゃくり上げるような形になっていて、御前崎はその東の端、西の端が橋田鼻なのである。
 橋田鼻は、岬の風景としてはめずらしい部類に属するだろう。そのぎりぎりの上まで建物がぎっしりとひしめいている。ここは西浦温泉の旅館街そのものなのだ。


 名鉄蒲郡線の西浦駅からここまで、その名も“温泉街道”を下ってきた終点がこの温泉で、ここから西にみかわ温泉・吉良温泉と温泉が続く。ここには泊まっていないが、前に来たときは蛭子岬の吉良温泉に泊まっている。
 地方の古びた、それももともと古い、その古さが魅力というのでもなく、かつては新しかった温泉旅館・ホテルが古くなってあちこちガタがきている、というそういう古さ加減は、どうやら全国的に共通するところがあるように思う。使われることもなくなった広い大きなスペースももてあましている、楽屋内がそこここに露出して物置状態になっている、ペンキははげ、サッシは錆び、壁紙はめくれている…。出てくる料理はといえば、冷たいてんぷらに小さな土鍋…。
 ここがそうだと悪く言うつもりはないので、誤解してほしくないのだが、そういう古びた温泉街というのは全国どこにもあって、それがまたまったく同じムードを漂わせている。あれは、いったいどうしたものだろう。

 温泉旅館・ホテルの経営も、並大抵ではあるまい。いまではいったいどのくらいの稼働率があるのだろう。旅館の女将というのは、女性にとってあこがれの仕事のひとつであるかも知れないが、朝ドラのようなわけにもいくまい。
 まったく無責任な通りすがりのいうことに過ぎないが、温泉という資源があれば、もう少しそれをうまく活かして地域の魅力を発揮する道も、もっとあるような気がしないでもない。それは、あくまでも従来型の温泉&宴会という旅行やレジャーの枠を脱するものでなければならず、日本人の余暇の楽しみ方の変化を待たなければならないのかも知れない。

 しかし、それもここまで密集してひしめく温泉旅館・ホテルのすべてを、同時に生き残らせ、揃って繁盛させることにはならないようにも思える。
 バス停に戻ってみると、待機中のバスが行く先表示の設定をしていた。昔は、運転手さんが幕をくるくる回して巻いていたものだが、こんなところもデジタルになって、こんなふうになる…。


 西浦駅前でバスを降りると、再び名鉄に乗り換え、吉良吉田へ向かう。


▼国土地理院 「地理院地図」
34度45分56.82秒 137度10分12.75秒
210ごぜんざき-10.jpg
dendenmushi.gif東海地方(2007/12/17 再訪)

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タグ:愛知県
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コメント 2

knaito57

けさ起きたら、ジャスト雪が降り始めたところ。降り始めの「雪のひとひら」(P・ギャリコ)を目撃するとは、けふはなんぞいいことがありそうな……。
で、なんとなくテレビを眺めていたら、熱海の旅館街のレポートで、上下水道料金のアップによりいっそう経営難に……とかやってました。
ここはほんとに海辺まで建物が迫って一見、外国の別荘ビーチみたいやうでかっこいいけれど、内情はご指摘のとおりなのでしょうね。この数行の描写で、おおかたの温泉地旅館の現状が彷彿します。「温泉&宴会の枠を脱した余暇の楽しみ方」に同感ですなあ。
蒲郡ホテルにあこがれて一泊したいと思っていた若いころを思い出しました。(雪の朝のつれづれに)
by knaito57 (2008-01-23 09:53) 

dendenmushi

@ほんとに。お天気おねえさんたちの顔を、遅ればせながら立てようかというような雪でした。
 温泉旅館もなんとかしないといけないんでしょうが、資本力のあるところしか大きな改善投資はできないでしょうからね。
 これも、地域復興のひとつのシーズではあるのでしょう。
by dendenmushi (2008-01-25 14:20) 

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