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141 立待岬・大鼻岬=函館市函館山(北海道)は〜るばる来たで… [岬めぐり]

 函館山の南端は大鼻岬。西の端が立待岬。いかにも詩的でない名前の岬と、いかにも作詞家が食指を動かしやすい名前の岬が、仲良く並んでいる。大鼻岬には立ち入りできないが、立待岬は函館の観光スポットになっている。

 こういうショットの写真が「立待岬の写真」として多いが、へ理屈を言えばこれは「立待岬の碑と大鼻岬」を写した写真だ、ということになる。

 この岬のさきっちょには黒い岩が連なるが、これも100万年以上も前の古い溶岩性のものだという。いつもどこでも、岬に立つと地球の大地創造のダイナミックな鼓動を感じることができる。
 この方向には、下北半島の大間のほうが見えるはずなのに、もやの中でわからない。大鼻岬の向こうに見えるのは、下北より遠いはずの津軽の山である。

 それにしても、“たちまちみさき”。このなんともブリッコな名前は、いつ誰がつけたのだろう。ふと、疑問に思ったので、あとで調べてみたら、やはりアイヌ語源で“魚を捕るために立って待つ場所”という意味から漢字を当てたものだという。
 訳を聞いてみれば、詩的でもないしロマンチックでもない。ま、世の中そういうもんだわねぇ。

 赤いはまなすの花が、ちらりほらりと咲き残るここまでは、函館駅から市電に乗って、谷地頭まで行って、そこから住吉という小さな漁港を過ぎて、市営墓地の間を抜けて坂道を登る。この墓地がまた、いかにも“火サス”御用達的なロケーションで、石川啄木“一族”の墓だとか、与謝野晶子の歌碑だとか、いろいろ観光案内にあるがあんまし興味もない。与謝野晶子などは全国どこへ行っても歌碑がごろごろしており、“またかよ”と思ってもありがたい気分ではない。
 だが、これを書いている今朝(08/12)の朝日新聞の読書欄で、『谷根千』をやめる決心をした森まゆみが、“与謝野晶子は13人のこどもを育てるために夫婦して”全国を地方巡業して回り講演や歌作指導などやりながら収入を得ていた、という意味のことにふれている。なるほどそうか、と少しこれからは晶子の歌碑を見る目が変わるのかな。

 函館は、これでまだ二度目で、あまりあちこち観光したわけでもない。今回もそれが目的ではないので、駅までまた市電で戻ると、椴法華まで連れて行ってくれるバスの時間まで時間がある。港を眺めながら立って待つのはしんどいので、駅前のハーバービューホテルでコーヒーを飲みながら、座って待つことにした。
 実は、今回のこの旅は、JR東日本の「3日間乗り放題切符」を使っての割安お得旅、この切符は初体験だったので、まずは有効圏内でいちばん遠い函館まで…というわけで立てた計画だった。
 早朝、東京駅発の“はやて1号”に乗り、八戸からは“白鳥1号”に乗り換えて、延々6時間ちょっと、列車に乗りっぱなし、やっとはるばるやってきた函館なのである。

 どちらの車内でも、なんだか似たような中高年グループがやたら多い。利用期間が短く限定されているので、自然に同じ切符の利用者が固まってしまう。帰りの“白鳥”では、やはり同じ切符同士とわかって、他のグループと話が弾んでいた。やれやれ。その理由を200字以内に簡潔に述べよといわれてもむずかしいが、「フン、ワシはアンタラとは違うんじゃけんね」といいたい気分になるところだ。他人から見れば、結局のところ何も違うところもない同類の一人としか見られないのだろうがね。
 でも、「人のふり見てわがふり直せ」。せめて、ああいうおじさんたちと同じ格好はしないで、できるだけ見た目で違いがわかるようにしたいものだと決心できたのは、この旅の収穫のひとつだった。

▼国土地理院 「地理院地図」
41度44分44.01秒 140度43分14.76秒 41度44分25.10秒 140度42分14.50秒
141たちまちおおはな-41.jpg
dendenmushi.gif北海道地方(2007/06/24 訪問)

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タグ:北海道
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