065 小動岬=鎌倉市腰越二丁目(神奈川県)こゆるぎも腰越状のおおゆるぎ [岬めぐり]
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七里ガ浜といえば、まず思い浮かぶのは、失楽園ホテルでもなければ、ガイドブックに載っているカレー屋などでもない。昔高校の修学旅行で初めてこの地へやってきたときの思い出である。
その時も義経と同じコースで西からやってきて、腰越ではなく江ノ島の旅館に一泊した。その名も「洗心亭」という浜辺の宿は、絶えることなく波の音が寄せてきて、心だけでなくすべてが洗われるような気がした。東京オリンピックのヨット会場をつくるため、その旅館の前の浜は埋め立てられ、いまでは見る影もない。
江ノ電の腰越駅から歩いて、腰越港の脇に小さく小山のようにあるのが小動岬で、そのなかに小動神社がある。ちょうど再訪したときは神社も閉めて工事中で、展望台にも入ることができなかったが、正月を迎える提灯だけはぶら下がっていた。小動といえば、小田原の駅弁に“こゆるぎ弁当”というのがあるではないか、という人も多いだろう。その名の由来は大磯の“こよろぎの磯”というのが大元であって、ここも駅弁もどうやらそこから拝借してきたものであるらしい。
昔よく歌われた唱歌に「鎌倉」というのがあって、その出だしが“七里ガ浜の磯伝い 稲村ヶ崎 名将の…”と続き、鎌倉のあちこちを織り込んでいくその歌を、バスガイドさんが歌ってくれたのが忘れられない。その車窓に見える七里ガ浜は、ただススキの山が浜に落ちるだけで、その間の一本道を鎌倉に入った。とくに鎌倉高校前辺りのこの海岸は映画などに何度も登場しているので有名だが、家を建てる時に西武の七里ガ浜の分譲地を見にきたこともあった。
結局は鎌倉には住まず逗子に住むことになったが、鎌倉も半分地元のつもりである。お土産は「浪子最中」よりも「鳩サブレー」と決めているし、古都というには奈良や京都を見慣れた身にはいかにも貧弱で、“小学校前”とか“病院前”という名のバス停がある田舎げた町がそれなりに好きである。毎年大晦日には、鶴岡八幡宮に納め参りに行くのが恒例となっている。単に初詣では人が多過ぎてどうにもならんので、空いている大晦日にしているという理由からだけなのだが、大祓の神事も大々的に行なわれるようになった。
▼国土地理院 「地理院地図」
35度18分21.99秒 139度29分37.89秒関東地方(2006/12/31 再訪)
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